漏えいした「Googleアルゴリズム」をSEOコンサルが徹底解説

2024年5月末に、Googleの内部ドキュメントが、恐らく誤って外部に公開されてしまいました。この漏えいによって、今までブラックボックスであったGoogleのランキングの仕組みや、Googleが重要視しているアルゴリズムの内容が明らかになりました。

漏えいした数多くのアルゴリズムの中から、Web担当者やEC担当者に知ってほしい以下の10のアルゴリズムについて解説します

◆漏えいしたGoogleアルゴリズムを10個抜粋

① Navboost(ナブブースト)
② Glue(グルー)
③ Chromeデータの利用
④ OriginlContentScore(オリジナルコンテンツスコア)
⑤ FreshnessTwiddler(フレッシュネスツイドラー)
⑥ コンテンツの長さ
⑦ 短いコンテンツの扱い
⑧ QualityBoost(クオリティブースト)
⑨ RealTimeBoost(リアルタイムブースト)
⑩ Hostage(ホステッジ)

この記事では、forUSERS株式会社でSEOコンサルタントを担当している筆者が、Googleのアルゴリズムについて、重要なものを抜粋して解説するので、最後までご覧ください。

漏えいしたGoogleのアルゴリズムの中で、重要度が高い10のアルゴリズムを解説

それでは、漏えいしたアルゴリズムの中から重要度の高い10のアルゴリズムを抜粋して、SEOコンサルタントである筆者の独自の解釈を加えて、分かりやすく解説します。

① Navboost(ナブブースト)

Navboostとは、以下のように「検索結果の画面」でコンテンツを評価するアルゴリズムのことです。

◆Navboostとは?

過去13か月間の検索結果のクリック率を見て、クリック率が高いページは検索結果上位になりやすい

端的に言うと、クリックしたくなるようなタイトルであれば、それだけでSEO上位になりやすいのです。今までのSEO対策では以下のような対策を行っていました。

◆今までのタイトルに関するSEO対策

・タイトルの中でキーワードを左詰めにする
・複数のキーワードをタイトルに含める

しかし、クリック率を高めることがそのままSEO順位に影響するので、以下のような対策が重要となります。

◆Navboostを考慮したSEO対策

・タイトルに数字を入れて目立たせる
・タイトルに含めるSEOキーワードに「」をつけて目立たせる
・タイトルに読み手(初心者が、ママが、新人が)の要素を入れる
・タイトルに書き手(プロが、コンサルが、バイヤーが)の要素を入れる
・タイトルに副詞(グッ、スラスラ、ドンドン)を使う

このような施策を取り入れて、思わずクリックしたくなるSEOタイトルを作ることが、SEO順位と密接に関係します。

② Glue(グルー)

Glueとは、以下のようなアルゴリズムの一部です。

◆Glueとは?

Glue はクリック、ホバー、スクロール、スワイプなど、さまざまな種類のユーザーインタラクションを集約し、共通の指標を作成する。Google が最終的に検索結果に表示されるものを見つけてランク付けするのに役立つ指標

つまり、以下のような検索結果のユーザー行動がデータ化されて、他のアルゴリズムが使うための指標をつくるものなのです。

◆検索結果のユーザー行動のイントラクションの例

・クリック
・ホバー
・スクロール
・スワイプ等

ユーザーインタラクションを良くする方法としては、タイトルを改善する(Navboostで解説)のが最も良い方法となるので、ページのタイトルは徹底的にこだわって作成しましょう。

③ Chromeデータの利用

Googleは今まで否定しておりましたが、この漏えいによりブラウザの「Chrome」のユーザー行動データを取得して、検索結果のアルゴリズムに反映させていることが分かりました。具体的には、以下のような行動データです。

◆Chromeで取得する行動データの例

・アクセス数
・エンゲージメント(クリック、サイト上の動き)
・滞在時間
・直帰率
・ブックマーク

つまり、現在のSEOにおいてはユーザー行動こそが重要であり、キーワードを意図的に文中に含ませることはほとんど意味がないのです

そして、ユーザー行動を良くするためには「結論ファースト」を心掛けてください。

◆結論ファーストのブログコンテンツ作りの例

・タイトルに答えを含ませる(28文字以内で可能な場合)
・導入文(リード文)にブログの結論を書く
・本文の上部に、最も重要なコンテンツを配置する
・ブログのテーマと関連性のないことは書かない

このようなコンテンツ作成を心掛けることで、ユーザー行動が良くなり、SEO順位が上がりやすくなります。

④ OriginlContentScore(オリジナルコンテンツスコア)

OriginlContentScoreとは以下のような内容です。

◆OriginlContentScoreとは?

Googleのアルゴリズムにおけるランキング要素の一つで、独自性の高いコンテンツを評価するための指標です。このスコアは、他のウェブサイトと重複していないオリジナルコンテンツを持つページに対して、高い評価を与えることで、低品質または重複コンテンツの順位を下げる役割を果たします。

つまり、検索結果において独自性のあるコンテンツが加点されるという仕組みです。現在の検索結果は、AIライティングの普及、SEOツールによる競合サイトの差分抽出機能、網羅性を高めることが一般化した結果、「似たようなコンテンツ」があふれるようになりました

このような状況はGoogleも良しとしておらず、独自性のある役立つコンテンツに対して、優遇するアルゴリズムと言えます。

具体的には、以下のようなコンテンツが求められます。

◆独自性のあるコンテンツ

・体験談や独自データを入れる
・独自の写真を含める
・図表を作る
・世の中にない情報を提供する

このような独自性のある情報をGoogleは評価するため、独自性を盛り込むことは非常にSEOにとって重要なことです。

⑤ FreshnessTwiddler(フレッシュネスツイドラー)

FreshnessTwiddlerは以下の通りです。

◆FreshnessTwiddlerとは?

コンテンツの新鮮さに基づいて、再ランキングするシステム

昨今のSEOで重要な要素の一つが「リライト」です。つまり、コンテンツを放置したままだと、内容が古いため、相対的にSEO順位が下がります。そのため、古いコンテンツに対してリライトを実施することで、最新性が増し、SEOに有利となるのです。

具体的には、このアルゴリズムは、あらゆる要素から最新性を評価しておりますが、その一つとして、コンテンツに表示される日付を指標として評価しており、以下のような日付をチェックしております。

◆コンテンツに出てくる日付

・URL内の日付
・コンテンツの公開日、更新日
・コンテンツ内の日付

ブログやコンテンツを更新する時は、このような日付の更新も心掛けましょう。また。URLの日付も最新性の一つの要素として考慮されるので、URLに関しては日付を入れないようにする方が、中長期的にSEOに強くなります。

⑥ コンテンツの長さ

「コンテンツの長さ」についても漏えいしておりました。具体的には以下のような内容です。

◆コンテンツの長さについての漏洩内容

長いコンテンツの一部は切り捨てられる可能性がある

一時期、SEO対策として長文コンテンツが流行しましたが、現在は長いだけのコンテンツに意味がないことが分かりました。なぜなら、関連性の薄い部分は切り捨てられて、インデックス登録される可能性があるからです。

つまり、よくあるSEO対策で「競合サイトが8,000文字だから、うちは9,000文字書く!」という行動に意味はないのです。それよりも独自性の高い情報や、独自の写真や表を掲載して独自性を高める方が、有効なSEO対策となります

⑦ 短いコンテンツの扱い

質が高くて、役に立つコンテンツであれば、短いコンテンツもGoogleは優遇していることが分かりました。

◆短いコンテンツの扱いについて

短いコンテンツに対しては、0~512の範囲で評価され、短いが高品質なコンテンツが適切に評価されるようになっている

つまり、ブログコンテンツが多い中、短いコンテンツはSEOで上位表示が難しいのですが、Googleは独自に加点することで、短いコンテンツでも質の高いものは上位表示しやすいようなアルゴリズムになっているのです。

このアルゴリズムからも、Googleは質の高い独自のコンテンツを大切にしていることが伺えます。

⑧ QualityBoost(クオリティブースト)

QualityBoostは、端的に言えば以下のようなアルゴリズムです。

◆QuolityBoostとは?

ページやドメインを評価して、高品質なページを評価するためのもの

QuolityBoostは、非常に複雑なアルゴリズムが含まれておりますが、その中でも重要なものを筆者が以下の7つに絞ってみました。

◆QuolityBoostから抜粋した7つのSEO順位を下げる要因

要因① サイトやページの品質が低い
要因② ありきたりなレビューしかないもの
要因③ ナビゲーションが悪いサイト
要因④ 検索クエリとコンテンツが一致しないもの
要因⑤ 誤解を招くリンクがある
要因⑥ ページがどれだけ関連性の高いトピックスで構成されているか
要因⑦ キーワードと完全一致する過度なドメインを除外する

この中で、必要なものを解説しますと、要因④は狙っているSEOキーワードと、コンテンツの内容が異なることを指します。つまり、ユーザーが望まない方向性や情報で記事を書くとSEOが下がることが示されています。

要因⑦に関しては、bestbuycar.comなど検索キーワードと全く同じドメイン名は、過去にコンテンツのクオリティが低いケースがほとんどであったため、Googleはそのような過度にSEO対策されたドメインを嫌う傾向があることが分かります。

⑨ RealTimeBoost(リアルタイムブースト)

RealTimeBoostとは、以下のような内容です。

◆RealTimeBoostaとは?

トレンドや最新情報に基づいて、リアルタイムにSEOランキングを調整するシステム旬のトピックスが検索結果に反映される

例えば、大谷翔平選手が、新記録を達成したと仮定します。そのようなタイミングで、「大谷翔平」と検索すると、普段SEO1位のページや公式ページよりも、「新記録達成を扱ったニュース」が優先的にSEO上位になるような、リアルタイム性の高いランキングシステムです。

企業がSEO対策する上では、このアルゴリズムを考慮することはほとんどありませんが、もし、扱っているブログコンテンツが「芸能人」や「株価」といったリアルタイム性が求められる場合には、常に最新のトピックスを扱うようにしましょう。

⑩ Hostage(ホステッジ)

Hostageとは、日本語で「人質」の意味があります。以下をご覧ください。

◆Hostageとは?

生まれたばかりのサイトは一定の期間を経たないと「サンドボックス」に隔離される。スパム対策であり、この期間はユーザーに信頼を置く期間

ブログやオウンドメディアを立ち上げた当初は、SEOが上がりません。下記のグラフをご覧ください。

◆サンドボックスにより半年間程度、SEO順位が付かなかった事例

ホステッジの事例

このように、SEO順位が上がるためには一定期間を必要としているのです。Googleが、なぜこのような期間を置いてるかというと、過去に立ち上げたばかりの詐欺サイトがSEO上位になることがあったようで、その対策と思われます。

つまり、これから新しいドメインでブログ記事を立ち上げる場合は、一定の期間待ちながら、コンテンツを追加していく必要があるのです。

まとめ

本日は、2024年5月に漏えいしたGoogleアルゴリズムを10個紹介しました。すでに半年以上経過しており、このようなアルゴリズムがまだあるかどうかは分かりませんが、重要なのは、Googleがユーザー行動が良く、クオリティの高いコンテンツをSEO上位にするような調整をかけていることです。

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ABOUT US
井幡 貴司
forUSERS株式会社 代表。 株式会社インターファクトリーのWebマーケティングシニアアドバイザーとして、EBISUMARTやECマーケティングの支援、多数セミナーでの講演を行う。著作「図解 EC担当者の基礎と実務がまるごとわかる本」では、ECサイトの初心者向けに特に集客方法について解説。