ネットショップ開設前にECモールを知る!5大モールの流通総額は?

「うちの商品をネットショップで出店したい!」
「楽天とか、Amazonのモールと自社のECサイトってどっちが良いのかな?」

これからネットショップを立ち上げる方は、ECモールでの出店を検討しているのではないでしょうか?ECモールの出店のメリットは、自社ECサイトに比べて、SEOやモール自体の集客力が強いため、いきなり集客して売上をあげることが可能な反面、自社ブランディングがしにくいデメリットがあります。

なぜなら「Amazon」や「楽天」、「Yahooショッピング」はすでに有名で、モール名で検索する人も多いですし、独自のアプリもあり、それらのモールに出店すれば、強力な集客が見込めるからです。

本日はインターファクトリーで、シニアアドバイザーをつとめる筆者が、ECモールのメリットやデメリットを自社ECサイトと比較しながら紹介しつつ、最後に有名な5大ECモールの流通総額など詳しく紹介いたします。

「ECモール VS 自社ECサイト」比較表

まずは下記の表をご覧ください。

上記の表を一見すると、〇や△が多いのは、明らかにモールよりも自社ECサイトです。では、ネットショップの運営は自社ECサイトではじめるべきなのでしょうか?そんなことはありません。ネットショップを初めて開業する方こそ、ECモールで出店すべきです。その理由は以下のとおりです。

ネットショップが初めての人がECモールで出店すべき3つの理由

理由① ECサイトの基本はまず、集客

ECサイトを作ること自体は決して難しいことではありません。今では、30分程度で自社ECサイトを作ることができる無料のECサイトもあります。またASP-ECを利用すれば、月々1万円程度で立派な企業ECサイトが作れるからです。それよりもECで重要なのは集客なのです。

例えば、Nikeやadidasといった超有名企業の場合、ブランド力が強力なためECサイトを作るだけでも、圧倒的な集客力がありますが、中小企業のECサイトは、認知されていないために、ECサイトを作るだけでは、誰もサイトに訪れてくれないのです。ですから広告も必要ですし、SEO対策も必要となるのです。

しかし、Amazonや楽天市場のようなECモールには絶大な集客力があります。

◆Amazonや楽天市場のモールには集客力がある5つのポイント

① モールが広く認知されている
② モールはSEOが強い
③ モールがWEB広告やテレビCMを出している
④ モールのアプリがあり、相当数ダウンロードされている
⑤ モールのキャンペーンには莫大な集客力がある

ECサイトで一番困難なことが集客なのです。ですから、ネットショップをこれから開業する方は、ノウハウがなければ、まずは集客力が担保されているECモールから出店を開始し、ECのノウハウを身につけるのが第一歩となります。

理由② モール内の競合からノウハウを学びやすい

集客力のあるECモールに出店したからといって、カンタンには売上はあがりません(自社ECサイトよりは、カンタンですが)。しかし、まずは同じカテゴリー製品を扱う、競合他社を研究してみましょう。商品説明の仕方が、売れるように、いろんな訴求をしているはずです。

例えば、ワイヤレス充電器をAmazonで出店するにしても、Amazon内では同じ商品を扱うshopが多数存在します。

こういった商品のほとんどは日本でのシェア数が大きい「iPhone対応」ばかりをうたっていますが、Androidのワイヤレス充電器を探してユーザーがいた場合、商品のリード文に「Android」の文言があるだけで、「お、これはAndroid対応なんだな!」と安心して、多数ある商品の中からクリックして、買い物をするため、売上に影響します。

こういったテキスト文の訴求を競合他社から学びやすいのも、モールの特徴です。

理由③ デザインや機能に制限があるからこそ、始めやすい!

自社ECサイトの場合は、基本は自由にデザインから集客、メルマガまで行うことができますが、ノウハウがない場合は「自社ECサイトで何をどうすればいいのかわからない!」という状況に担当者はなりがちです。

しかし、モールの場合できることは、限られています(多くの機能やオプションがありますが)ので、逆にやるべきことがはっきりしています。無料の機能と有料のオプション機能があるなかで、まずは無料の中で最大化を図ってみましょう。

自社ECサイトはノウハウがある方、あるいはECモールの次のステップにしよう!

中小規模の自社ECサイトの大きなデメリットは集客力です。そして集客は、ECサイトで最も難しいステップです。まずは、集客力があるモール内での売上を確保して、モールと平行して、自社ECサイトを開設しましょう。

自社ECサイトの開設方法は5つあります。

◆自社ECサイトの5つの開設方法

① EC-ASPを使う <==中小企業はまずはこれ!
② オープンソースで作る
③ ECパッケージをカスタマイズする
④ クラウドECをカスタマイズする
⑤ フルスクラッチでゼロから作る

過去記事:初心者が「ECサイト」をゼロから構築するための5つの手法

多くの開設方法がありますが、自社ECサイトの場合は、費用が安くすぐに解説できるEC-ASPがおススメです。またデザインの自由度も高いASPもあり、初期費用10万円、月額費用1万円程度あれば、存在感のある立派なECサイトを作ることができます。

しかし、ECサイトを作るのは難しくありません。ECサイトは集客が難しいのです。ECサイトでの集客については、私が書いた下記の記事、具体的な集客方法を記事にしたので、読んでみてください。

自社ECサイト・ネットショップの集客方法を解説(ebisumart MEDIA)

出店すべき国内有数の5大ECモールの紹介

本日は日本国内で有力なECモールを紹介します。まずは流通総額を見てみましょう。

5大モールの2022年度の流通総額比較

5.大モール2022年流通総額png

※au PAY マーケットは流通総額を発表しておらず、下記⑤をもとに別途参考記事より推測し、2,800億円とした。

データ引用先一覧

① 楽天グループ株式会社2022年度通期および第4四半期決算ハイライトに関するお知らせ
② アマゾン日本事業の売上高は約3.2兆円、ドルベースは243億ドル(前期比5.7%増)【Amazonの2022年実績まとめ】
③ 【Zホールディングス】eコマース取扱高4.1兆円など2022年度の実績&LINEヤフー発足など2023年度の取り組むことや方針まとめ
④ 株式会社ZOZO 2022年3月期 決算説明会資料
⑤ 2022年時点最新【2021年EC流通総額ランキング】国内20・海外25のECモール・カート・アプリの流通総額から見る市場トレンド

国内流通総額の1位は楽天市場で、2位はAmazon Japanになります。(CtoCのヤフオクやメルカリは含んでおりません)それでは各モールの特徴を解説します。

① 楽天市場

流通総額:5.6兆円(2022年度実績)
出店数:約5.7万店(2023年6月時点)
出店タイプ:出店型
出店費用プラン①:月額19,500円 + 販売手数料(がんばれ!プラン)
出店費用プラン②:月額50,000円 + 販売手数料(スタンダードプラン)
出店費用プラン③:月額100,000円 + 販売手数料(メガショッププラン)

楽天市場は、出店型のモールで、楽天内に自社サイトを構えるようなイメージで、ある程度のデザインやブランディングを行うことが可能です。

楽天市場の売りは、なんといっても楽天スーパーSALEで、爆発的な集客が見込めるため、セール時のポイントサービスをいかに上手く取り込むかが、大切になってきます。ユーザーは女性ユーザーが多く、主婦層に支持を受けており、自社製品の相性を考え、Amazonか楽天市場かを選択しましょう。

② Amazon Japan

流通総額:3.2兆円(2012年度実績)
出店数:16万店以上(2021年10月時点で中小規模の販売事業者は約16万社と発表)
出店タイプ:出品型
出店費用プラン①:月額4,900円 + 販売手数料(大口向けプラン)
出店費用プラン②:1商品あたり100円の手数料 + 販売手数料(小口向けプラン)

Amazonは、世界でナンバー1のショッピングモールであり集客力も抜群です。ユーザーは男性よりと言われていますが、男女問わず幅広いユーザーから支持を受けています。

Amazonの特徴は出品型であることです。出品型とは、お店(Shop)が画面で表示されることはなく、あくまで商品をAmazonに出品することになります。ユーザーから見ると、「Amazonで買った!」という認識が強く、自分のお店をアピールすることはできません。

③ Yahoo!ショッピング

流通総額:1.69兆円(2022年3月期)
出店数:約120万店(2021年12月末時点)
出店タイプ:出店型
出店費用プラン:販売手数料+ストアポイント原資負担+キャンペーン原資負担+アフィリエイトパートナー報酬負担+アフィリエイト手数料

運営元のZホールディングスによるZOZOの買収やLINEとの経営統合により、流通総額は顕著に伸びています。上記流通総額については、Yahoo!ショッピング以外にもPayPayモールやZOZOTOWN、LINEショッピングなどの系列プラットフォームの額も含まれます。

固定費は0円で魅力的ですが、その分各種の販売手数料がかかるので、完全無料というわけではありません。

楽天市場には劣るものの、日本最大のアクセス数を誇るYahoo!Japanや、ソフトバンクユーザーからの流入は相当なものです。初期費用にかける余裕があまりないShopには一番おススメのモールとなります。

④ ZOZOTOWN

流通総額:5,088億円(2022年3月期)
出店数:1,534店(2023年3月時点)
出店タイプ:出店型
出店費用プラン:受諾手数料(28%程度と推測)

アパレル専門のショッピングモールであり、最大の特徴は商品を全てZOZOベースとよばれる、ZOZOTOWNの倉庫に送り、保管、写真撮影、梱包、発送の全ての作業をZOZOTOWNが一括で受諾します。そのため販売手数料が28%程度とかなり高くなります。その分、アパレル専門ECモールとして爆発的な集客力があり、また在庫を自社で抱え込む必要もなく、大変魅力的です。

ZOZOTOWNへの出店は、モールの雰囲気に合わせるため厳しい審査があり、誰でも出店はできるわけではありません。

④ au PAY マーケット(旧 Wowma!)

流通総額:非公開(2,800億円と推測)
出店数:約1.5万店(2021年12月末時点)
出店タイプ:出店型
出店費用プラン:月額5,280円+販売手数料(4.5%〜9.0%)+ポイント原資(1%)

KDDIグループの集客力とauユーザー6,300万人をフル活用した、au PAY マーケットは、決算報告によると流通総額、出店数も順調の伸ばしており、2022年度の流通総額は約2,800億円程度と推測されます。メインターゲットは、30~40代の女性です。

またauウォレットのキャリア決済が使えるので、クレジットカード番号を入れることに抵抗があるユーザーが、決済しやすい特徴があります。つまり、au PAY マーケットはECモールに慣れていない、新規顧客にリーチしやすいメディアと言えます。

auIDオープン化に伴い、以前はauの携帯電話契約者がメインでしたが、今後はau関連サービスを利用している全てのユーザーが対象となったため、より集客力が強まりました。

ECモールのまとめ

本日は自社ECサイトと、ECモールを比較してメリットとデメリットを紹介いたしました。これからネットショップ開設を考えている方で、ノウハウをこれから積み上げる方は、モールの出店から始めてみましょう。

モールにも複数ありますが、本日紹介した各モールの中から、まずは自社商品と相性の良さそうなモールを選んでみてください。予算に余裕があれば、Amazonと楽天市場のダブルで出店する方法もあります。

また、モールで売上をあげることができれば、次は自社ECサイトです。自社ECサイトでの集客の秘訣はSEOにあります。自社ECサイトでSEOを対策したい方は下記の記事もご覧ください。

ECサイトの商品ページに流入を増やすSEO施策

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