X(Twitter)を使ってマーケティングの実施を考えているのではないでしょうか?
「Xを使って、販促につなげたい!」
「Xで自社サービスの認知を広げたい!」
「とりあえず、Xで何かやりたい!」
と考えはさまざまあると思います。筆者の経験ですが、Xを使ってマーケティングを実施する手法は以下の4種類があります。
◆X(Twitter)を使った4つのマーケティング手法
② ユーザーとコミュニケーションを取る
③ バズを作って話題を生む
④ Xの声を集めて「傾聴」する
この中でも、初心者マーケターがまず実施すべきものは①②と考えます。なぜなら、無料で実施できる上に、リピーターや既存顧客との接点となるため、自社商品(サービス)のファンを増やしやすい状況を作ることができるからです。
この記事では、forUSERS株式会社でマーケティングを担当している筆者が、Xマーケティングについて詳しく解説するので、最後までご覧ください。
4つのX(Twitter)マーケティング手法を解説
それでは、4つのXマーケティングの手法を解説します。
◆X(Twitter)を使った4つのマーケティング手法
① 自社アカウントのフォロワーを増やす
② ユーザーとコミュニケーションを取る
③ バズを作って話題を生む
④ Xの声を集めて「傾聴」する
① 自社アカウントのフォロワーを増やす
自社のXアカウントのフォロワーを増やすことで、影響力を高め、認知拡大しやすい土台を作ります。
筆者はかつて、大手英会話スクールのXアカウントを運営して、運営3年目でフォロワー1万人を達成したことがありますが、カンタンではありませんでした。
フォロワーを増やすために以下のような取り組みを行いました。
◆フォロワーを1万人にするまでに実施した取り組み
② 英語のブログ投稿の紹介
③ ギフトキャンペーン
基本は①②のようなお役立ちコンテンツの提供です。そうすることで、Xで気軽に英語に接したいフォロワーが増えるようになりました。
ギフトキャンペーンに関しては、都度10~30万円程度の予算を使いましたが、その都度1,000人単位でフォロワーが増えました。しかし、やはり①②を毎日地道に投稿することで、質の高いフォロワーが増えていったと実感しております。
「自社の宣伝」や「季節の挨拶」ばかりでは、フォロワーを増やすことはできません。お役立ちコンテンツを毎日、どのように配信していくかを企画する必要があるのです。
例えば、私がいた英会話スクールでは、以下のような数千におよぶ英語のお役立ちコンテンツがすでにあったため、もともとあったコンテンツを活用できた点はラッキーでした。
参考:お役立ち英語コンテンツ「ビジネスで今すぐ使える英会話フレーズ集」
フォロワーを増やすためには、まずは毎日投稿するためのコンテンツ作りが必要になるため、Xの投稿はそこから始めていくべきです。お役立ちコンテンツ候補としては、以下のようなものがあります。
◆毎日投稿のお役立ちコンテンツ候補
・ユーザーに提供できる資料等
・TIPS(お役立ち情報など)
これらがない場合は、先に提供できるコンテンツを作ることから始めるべきです。
ここで、筆者の失敗談を紹介します。筆者の会社のアカウントにおいて、Xを強化するため2024年5月から毎日「SEOのノウハウ」の投稿を開始して、フォロワーを500人から700人程度まで増やすことに成功しました。しかし、ネタが尽きて、2か月後には投稿ができなくなってしまいました。以下をご覧ください。
◆筆者のフォロワー推移

引用(画像):筆者契約の「ソーシャルインサイト」より
一時的にフォロワーが増えたことは良かったのですが、その後が続かず、いまだに800人程度のフォロワー数から伸び悩んでおります。このようなことにならないためにも、コンテンツを先に作りこむことが重要なのです。
② ユーザーとコミュニケーションを取る
例えば、EC事業者やSaaSサービスの事業者であれば、ユーザーと直に接する機会はあまりないものです。そのためXでユーザーとコミュニケーションを取ることは大きな接点の一つと言えます。つまり、ファンを育てていくためのマーケティング手法です。
自社アカウントを運営していると、ユーザーからメンションをつけて話しかけられる(「@アカウント名」のようにアカウントに呼びかけられる)ことがあると思います。もし、それが商品やサービスに関することであれば、すぐに回答をします。
ここで、通常のメールや電話での問い合わせと異なる点は、他のユーザーにもそのやり取りを見られていることです。
そこでスムーズに回答することができれば、アカウントや企業に対しての信頼感も高まります。逆に素っ気ない返信をしてしまうと、これからフォローするユーザーが、過去のやり取りを見ることで「思っていたより冷たい対応だな、フォローはやめておこう」となりやすくなります。
スムーズに回答するためには、SNS担当者にある程度の回答権限を与えたり、あるいはすぐに上司に確認できる体制が必要となります。
筆者も、かつて大手英会話スクールでマーケティングを担当していたときは、SNS担当者にすぐに返答することを意識させました。またすぐ返信できない場合は「担当に確認しますので、少々お待ちください」と一次対応を行い、ユーザーを放置しないような運用を心掛けました。
アクティブツイートはフォロワーが増えるが、担当の負荷も大きい
また、筆者は過去にアクティブツイートという、自社の商品やサービスについて投稿している人を検索(エゴサーチ)して、自社アカウントで話しかけたこともあります。ユーザーによって反応はさまざまですが、おおよそ以下のような反応率でした。
◆Xでユーザーに話しかけた時の反応率
※正確なデータではなく、あくまで筆者の肌感覚です。参考まで
・スルーされることが60%
・嫌がるユーザーが10%
ポジティブな反応を示すユーザーがいる一方で、中には露骨に嫌がるユーザーも一定数おり、否定的な反応が増えるとSNS担当者も疲弊してしまいます。筆者もアクティブツイートは数か月でやめてしまいました。
しかし、この運用をやっていた数か月間は確実にフォロワーが増えていったことを覚えています。ただ、SNS担当者の心理的負担が大きければ長続きはしないですし、筆者がSNS運営を行っていたのは2010年頃であり、今は炎上しやすい環境となっているので、このような施策は限定的にとどめておきましょう。
③ バズを作って話題を生む
筆者は、かつていた英会話スクールにおいて、Twitterでバズを生んだ経験があります。当時はインプレッションが見られなかったのですが、おそらくTwitterもFacebookもいわゆる「万バズ※」に達していたはずです。
※万バズについては「いいね数」や「RT数」が1万以上に達することと言われていますが、明確な定義はありません。
バズが生まれた経緯は以下のようなものです。
◆バズが生まれた経緯
・XとFacebookに「英語メールの文例集」のブログ記事を紹介
・Xが基点となり、はてなブックマークなどの他のメディアでも紹介され一気に広まる
10年以上前のバズで、Twitterのエビデンスが残っておりませんが、この事例のバズにまつわるエビデンスがあったので以下のキャプチャーをご覧ください。
◆Twitterがきっかけで「はてなブックマーク」でもバズが生まれた

当時、Twitterでの拡散が「はてなブックマーク」にも影響して「2147ブックマーク」を記録しました。はてなブックマークでは100ブックマーク以上がヒットであることを考えると、間違いなく「万バズ」状態でした。ちなみに当時のはてなブックマーク年間ランキングのベスト10にも入るほどでした。
つまり、英語好きが集まっているフォロワーに対して、役に立つ英語メールの文例集がバズを生んだのです。このような手法は、今では難しいかもしれませんが、現代では「資料やデータを3~4枚添付する」投稿方法によって、バズが生まれやすくなっております。
以下の事例はそこまで大きなバズではないですが、資料やデータのキャプチャーを4枚見せることで、多くのユーザーの興味を引いていることが分かります。
◆「資料」や「データ」などを複数添付することでバズが生まれやすい

引用(画像):Glenn Gabe氏のXアカウント
バズを生むことで、以下のような効果があります。
◆バズの効果
② 認知が増える
③ 投稿がブログ記事であれば、Googleのクローラーが一気にブログに来る
バズを生むことはカンタンではありませんし、またバズの中には誹謗中傷が含まれることも多々あります。筆者はプライベートのゲーム専用アカウントで、何気ない投稿が「万バズ」となったのですが、誰も傷つけない投稿であったにもかかわらず、「これは嘘くさい!信用できない」「どうせ●●だ!」など、攻撃的なコメントが複数含まれていました。
もし、これからバズを生むことを意識するのであれば、バズが生まれると、このような誹謗中傷は避けられないことを事前に知るべきでしょう。
筆者は、このような投稿に対しては「スルー」することを徹底しております。反応すると、さらに火が付き炎上に発展する可能性もあるからです。自分に非がない場合は、他のユーザーも同情してくれるので、もしバズが生まれた場合(誰も何も傷つけない投稿であるという前提で)、一定数の誹謗中傷が含まれていても、そういうものだと捉えておきましょう。
④ Xの声を集めて「傾聴」する
「傾聴」には自社アカウントを必要としません。SNSアカウントがあれば、「エゴサーチ」することで、商品やサービスのマーケティング調査を実施することができます。
ただし、誰もが利用する飲食チェーンや消費財などの場合は、多くの投稿があるため調査することが可能ですが、そこまで大きな会社ではない場合は、投稿自体が少なく参考にならない場合があります。
つまり、エゴサーチでマーケティング調査をする場合は、投稿数の母数が多いようなキーワードを設計するようにしましょう。上手く行けば、定性調査をほぼ無料で実施することができるようになります。このような調査は大手であれば、必ず実施されており、手軽でできるので、ぜひ実施して商品開発やマーケティングに生かしてみましょう。
Xマーケティングにおける3つの注意点
それでは、Xを使ったマーケティングにおいての注意点を解説します。
注意点① 面白投稿はSNS担当が疲弊する
企業アカウントの中には、非常に面白いことで有名なアカウントもありますが、筆者はX投稿の参考にするべきではないと考えます。なぜなら、このようなアカウントは、もともとXの投稿の才能がある人が、自分のセンスをもとに投稿しているので、なかなかまねができないからです。
また、面白い投稿を毎日考えるのは非常に大変であり、SNS担当者が疲弊してしまいます。そのため、企業アカウントのSNS運用はまずはお役立ち情報が基本となると筆者は考えます。
注意点② SNSアカウントは属人化させない
SNS運用は、企業によっては正社員ではなく、アルバイトスタッフや外部に依頼することも多々ありますが、あまり属人的な投稿になると、アルバイトが辞めた時などは、運用に困る場合もあります。
このため、SNSアカウントは属人化させないようにマニュアル化したり、投稿コンテンツを事前に制作しておくなどの工夫が必要となります。
注意点③ 季節の挨拶などの投稿ではフォロワーが増えにくい
企業アカウントで最も多いのが「季節の挨拶」や「入社式の様子」などをメインの投稿にしてしまうことです。
まず、、「XやInstagram、TikTokなどの有名SNSプラットフォームが、あらゆる手法を使って、互いにユーザーの利用時間の奪い合いにしのぎを削っている」という現実があることを認識しましょう。
そのような激しいスマホ内のアプリシェア争いの中で、Xアプリを開いたにも関わらず、「今日は寒いので暖かくしましょう!」といった企業の投稿は、興味関心を引くとは言えないのです。そのような投稿に興味を持つのは残念ながら新規フォロワーではなく、熱狂的な既存フォロワーに限られますので、反響がほとんどないのです。
反響がないと、Xのアルゴリズムも「エンゲージメントの低い投稿は露出を下げる」という仕様になっているため、さらに露出が減っていくことにつながります。なぜなら、XやInstagramなどのSNSプラットフォームは反響が低いコンテンツの露出を高めることは決してしないからです。
つまり、季節の挨拶ばかりしているアカウントはどんどんアカウントとしての露出力がなくなっていくのです。
そのため、Xの投稿の基本は「お役立ち投稿」となり、まずはその点を認識し、企業アカウントにおいて、季節の挨拶などは不要であり、それよりもユーザーに役に立つコンテンツ作りを開始すべきです。
まとめ
Xマーケティングは、無料でできる上に誰でも取り組めるマーケティング手法であるため、労力さえつぎ込めば、誰でも必ずある程度の結果を得ることができます。そのためには、まずは、お役立ちコンテンツの制作から開始しましょう。
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