企業マーケティング担当者が、企業YouTubeチャンネルを立ち上げて動画を作る際に、「面白くて、参考になる企業YouTubeチャンネルはないかな」と探しているのではないでしょうか?
本記事では、筆者をとりこにした、以下の「面白い・参考になる」企業YouTubeチャンネル10選を紹介します。
② 【銚子電鉄】激つらチャンネル
③ ECの未来
④ ビジネス英語コーチHika
⑤ SEO研究チャンネル
⑥ 中卒40歳年商12億円経営者
⑦ JAL、サブチャンネルはじめました。
⑧ トレンドマイクロ 動画チャンネル for Business
⑨ トヨタ YouTubeショールーム
⑩ ファナック株式会社 FANUC CORPORATION
いずれのチャンネルも特徴がはっきりしており、これからYouTubeチャンネルを始める企業がベンチマークすべきチャンネルとして最適な10選です。
この記事では、forUSERS株式会社でマーケティングを担当している筆者が、これからYouTubeチャンネルを立ち上げる担当者向けに、「面白い!」あるいは「参考になる!」YouTubeチャンネルについて、自身の見解を交えて解説するので、最後までご覧ください。
面白い!参考になる!おすすめの企業YouTubeチャンネル10選
これから企業YouTubeチャンネルを立ち上げる方のために、8つのジャンルに分けてチャンネルを紹介しますので、興味のある分野からご覧ください。
◆8つのジャンル別!おすすめの企業YouTubeチャンネル10選
8つのジャンル | おすすめのYouTubeチャンネル |
面白系・キャラが立っている系のYouTubeチャンネル | ① おくりバントちゃんねる ② 【銚子電鉄】激つらチャンネル |
対談型のYouTubeチャンネル | ③ ECの未来 |
ノウハウ提供系のYouTubeチャンネル | ④ ビジネス英語コーチHika ⑤ SEO研究チャンネル |
ドキュメンタリー型で100万再生以上を狙うYouTubeチャンネル | ⑥ 中卒40歳年商12億円経営者 |
仕事内容紹介系のYouTubeチャンネル | ⑦ JAL、サブチャンネルはじめました。 |
「顔出し無し」のノウハウ系のYouTubeチャンネル | ⑧ トレンドマイクロ 動画チャンネル for Business |
ショールーム型のYouTubeチャンネル | ⑨ トヨタ YouTubeショールーム |
BtoB向け、超ニッチ商材を紹介するYouTubeチャンネル | ⑩ ファナック株式会社 FANUC CORPORATION |
それでは、一つずつ順に紹介します。
面白系・キャラが立っている系のYouTubeチャンネル
筆者が、企業YouTubeチャンネルで最も「面白い」「キャラが立っている!」と思うYouTubeチャンネルを最初に紹介します。
おすすめ① おくりバントちゃんねる
まず、面白系の企業YouTubeチャンネルから紹介します。筆者が常日頃から見ているチャンネルでもある「おくりバントちゃんねる」です。
出典:おくりバントちゃんねる
このチャンネルは「株式会社おくりバント」の会長と社長が、社会人向けに、ビジネスでよくあるシチュエーションに遭遇した時の「大人の解決方法」を解説したり、40代後半の男性2人が日々をどのように過ごしているかを紹介したチャンネルです。
メイン出演者の2人と同世代の40~50代はもちろん、新社会人にもおすすめしたいチャンネルです。登録者数は1万人未満ですが、再生数が1万回を超えることが多く、企業YouTubeチャンネルとしては大成功と言えるのではないでしょうか。
なお、会長の高山氏は知名度がある有名人でもあるため、社内にこのような有名人がいる場合は、チャンネル登録者数を集めやすくなります。また、人生の体験談を語るだけなので、運営の労力がかからないのも大きなメリットであり、会社の知名度を高めるには労力対効果の高い方法と言えます。筆者もこのチャンネルで「株式会社おくりバント」を知るにいたりました。
社内の経営者の語り口が面白かったり、人生経験が豊富な場合は、このようなチャンネルを作ることができますが、難易度は高いタイプのYouTubeチャンネルと言えます。
おすすめ② 【銚子電鉄】激つらチャンネル
年間乗車数が少なく、赤字経営が続いていることを逆手に取った銚子電鉄が運営するチャンネルは、電車好きの間で話題になり、登録者数が7万人を超える人気チャンネルになりました。
鉄道系有名YouTuberともコラボを行うなど、次々と話題作りに専念しております。駅長やスタッフなども出演することで、親近感が湧き、見ている視聴者がつい応援したくなるチャンネルです。
その成果は経営にも反映されており、下記の記事によると、2022年にグッズ販売など本業以外の取り組みが好調で、6年ぶりに黒字経営になったことが報じられております。
参考:産経ニュース「銚子電鉄、6年ぶり黒字転換 ぬれ煎など副業が好調」(2022年6月30日掲載)
このチャンネルの手法は、地方で人があまり来ない観光地などにも生かせるYouTubeチャンネルと言えるので、ぜひ参考にしてみてください。
対談型のYouTubeチャンネル
対談型の企業YouTubeチャンネルは、ファシリテーターの能力と、ゲストのキャスティングで成否が分かれます。ここでは筆者のおすすめの対談型企業チャンネルを紹介します。
おすすめ③ ECの未来
ECの未来は、「サヴァリ株式会社」が運営するチャンネルで、毎回EC業界やWeb業界で有名な著名人や凄腕担当者を招き、対談する動画であり、筆者もEC業界の最新のトレンドについて情報収集するためにチャンネル登録しております。
出典:ECの未来
毎回、多方面に詳しいスペシャリストや経営者をゲストに迎え、ECのあらゆるテーマについて対談する動画であり、動画や音声のクオリティも非常に高く、ラジオのように聞くこともできます。ECサイト系のYouTubeチャンネルでは、間違いなく露出度の高いチャンネルの一つではないでしょうか?
このような対談型のチャンネルを作るには、毎回業界人を呼ぶためのコネクションと、どのような相手からでも話(コンテンツ)を引き出すため、業界について詳しいファシリテーターが必要となり、まねをするのも容易ではありません。
このタイプのYouTubeチャンネルのメリットは、一度フォーマット(チャンネルのスタイル)が出来上がってしまえば、運営はルーティンのように実施することができることです。しかも業界有名人をゲストに招くため、再生数も増えやすいのです。
「業界人に対するコネ」と「優秀なファシリテーター」をアサインできれば、効率よく再生数と登録者数を増やすことができるでしょう。
ノウハウ提供系のYouTubeチャンネル
多くの業界で「ノウハウ提供型」あるいは「教育型」のYouTubeチャンネルが紹介されております。ここでは、筆者が日頃から参考にしている企業YouTubeチャンネルを紹介します。
おすすめ④ ビジネス英語コーチHika
大手オンライン英会話スクールの「ビズメイツ株式会社」が提供するのは、英語の教育チャンネルです。ビズメイツの創業者の一人でもあり、ネイティブスピーカーのHika氏が、ビジネス英語で利用できるフレーズや言い回しを紹介するチャンネルです。
ビズメイツのターゲット層は英語を使う必要があるビジネスパーソンであり、そのような人が見たくなる内容の英語のノウハウを提供する動画です。
英会話スクールはレッドオーシャン市場でもあり、英語のお役立ちチャンネルは無数にありますので、チャンネルを作る場合は、この動画のHika氏のようにテンション高く解説し、視聴者を飽きさせない演出や情熱が必要となります。
このように、YouTubeチャンネルではメイン出演者の演出力や情熱が重要な要素となります。2022年に開設したばかりのチャンネルですが、登録者数は2万人を超えます。
おすすめ⑤ SEO研究チャンネル
SEO研究所チャンネルは「株式会社CINC」が運営するチャンネルであり、経営陣の一人の平氏がSEOの解説をする動画です。その最大の特徴は、SEOのトレンドの情報提供の早さと、淡々とした語り口調ながら、分かりやすい解説資料をもとにした早口での解説が特徴です。
出典:SEO研究チャンネル
平氏によると、動画は撮影したものをデフォルトで再生速度を1.2倍で再生しており、視聴者としてはテンポよく聞き取れように工夫されております。また、画面に出てくるチャートでの効果音も聞き取りやすく、動画が上がるとついつい聞いてみたくなる雰囲気を醸し出しております。
この動画の最も素晴らしい点は、テーマ設定とその動画の公開までのスピードです。
SEO関係者が最も気にするのが「コアアップデート(いつ起こるかわからないGoogleのランキングシステムのアップデート)」の速報ネタの提供であり、これを平氏は驚異的スピードで動画を公開するので、SEO業界では、コアアップデートが起きると、平氏の動画がいつアップされるのか?といった点にも注目が集まるほどです。
もし、これから「一人語り」の企業YouTubeチャンネルを立ち上げる場合は、必ず参考にすべき企業YouTubeチャンネルの一つと言えます。
ドキュメンタリー型で100万再生以上を狙うYouTubeチャンネル
企業YouTubeチャンネルでも、100万再生を狙うことができます。ここでは、ドキュメンタリー型で100万回再生を軽く超えたYouTubeチャンネルを紹介します。
おすすめ⑥ 中卒40歳年商12億円経営者
小澤総業株式会社などの小澤グループが提供するチャンネルで、偶然筆者のYouTubeのおすすめに出てきたので「テレビ番組のドキュメンタリーかな?」と思い見てみたところ、「生コン業界」でのリアルドキュメンタリーに引き込まれました。
この動画は、テレビドキュメンタリーに匹敵するようなクオリティであり、非常に面白く、本日時点で500万回再生を超え、多くの人が見るにいたりました。また、創業者の小澤社長の人柄も視聴者を引きつける大きな要因です。
このようなドキュメンタリーを作るには、撮影や編集のクオリティとともに、ストーリー作りが重要となります。制作には多大な労力がかかりますが、一気にチャンネル登録を増やしたい企業は参考にすべき手法と言えます。
もし、これからドキュメンタリー風の企業YouTubeチャンネルを作る場合は、必ずベンチマークすべきYouTubeチャンネルと言えます。
仕事内容紹介系のYouTubeチャンネル
パイロットや電車の運転士など、特殊な職業を要している業界にはおすすめのYouTubeチャンネルのジャンルが「お仕事紹介」です。おすすめのチャンネルを紹介します。
おすすめ⑦ JAL、サブチャンネルはじめました。
JALが提供するサブチャンネルです。「JAL公式チャンネル」とは全く違うテイストでのチャンネル運営であり、あこがれの職業でもある「パイロット」と「CA」の仕事内容に注力したチャンネルで、すでにJALの公式チャンネルを超えて、チャンネル登録者数が19万人となっております。
このチャンネルは、パイロットやCAの1日を紹介したり、面白企画を取り入れながら運営されております。社会インフラであるJALにおいて、親しみやすいテーマで再生回数も100万回を超える回もあり、大成功している企業チャンネルの一つと言えます。
JALのような超大手がこのような仕事紹介をする意味としては、航空業界という「ANA」か「JAL」か?それとも「LCC各社」か?という選択肢が少ないサービスにおいて、値段や便も重要ですが「第一想起」されることも重要だということが言えます。そのためこのようなチャンネルで「JAL」に対して親しみを持ってもらうことは、マーケティング上においても大切なことなのです。
JALのように誰もが知る大手企業であれば、このようなサブチャンネル展開は非常に参考になるはずです。
「顔出し無し」のノウハウ系のYouTubeチャンネル
YouTubeチャンネルで、顔出し無しの音声だけのコンテンツでも、一定以上の再生数を獲得することは可能です。そのような、音声のみのYouTubeチャンネルを検討する場合にベンチマークすべきチャンネルを紹介します。
おすすめ⑧ トレンドマイクロ 動画チャンネル for Business
YouTubeチャンネル開設において「誰が出演するか?」というのは頭を悩ませる問題の一つです。
トレンドマイクロのサブチャンネルでは、「セキュリティリスク」に関する教育動画を提供しているのですが、社員が一切顔出ししないスタイルで動画を提供しております。
再生数が増えるタイプの動画ではありませんが、YouTube検索したときや、情報を探している視聴者には有益な情報を提供するチャンネルです。
視聴者に啓蒙したり、教育するコンテンツがある場合は、顔出しせず、資料や画面と共に音声を流す動画は、非常に参考になります。
YouTube制作会社の中には、ブログ記事からシナリオを作り、キャラクターや画面演出を作る会社もあるので、再生数をゴールにするのではなく、YouTubeで検索してきたユーザーに対して、動画を見せる場合に参考になるチャンネルと言えます。
一度、運営体制が構築できれば、運営負荷は低いYouTubeチャンネルとなるので、長く運営しやすくなります。
ショールーム型のYouTubeチャンネル
高級商材においては、ショールームをWeb上に持つこともマーケティングでは欠かせない戦略の一つです。ここではショールームを展開する企業YouTubeチャンネルを紹介します。
おすすめ⑨ トヨタ YouTubeショールーム
トヨタが提供するのは、新製品や新サービスのショールーム型のYouTubeチャンネルです。車好きや業界関係者はもちろん、新車や自動車サービス購入を検討する人向けのショールームとして、YouTubeチャンネルを運営しております。
車の紹介時には、実際のユーザーに出演してもらい、所有者だから分かる車の利便性や生活の風景の一部などを見せており、車という単価の高い商品を購入する際の検討材料となります。
また、世界観にも気を配っており、演出やバックグラウンドで流れる音楽などが極めて高いクオリティで作られております。
高級商材を扱う企業は、動画でショールームを演出するトヨタのチャンネルは非常に参考になります。Web上のショールームとなるので、世界観の構築には専門のデザイナーやクリエイティブディレクターの力が必要となりますので、予算のある大企業向けのYouTubeチャンネル運営方法と言えます。
BtoB向け、超ニッチ商材を紹介するYouTubeチャンネル
超マニアックな商材でもYouTubeチャンネルで気軽にアクセスできることから、BtoCだけではなく、BtoBにおいてもYouTubeチャンネルは重要なチャネルの一つとなりつつあります。ここではYouTubeチャンネルを上手く利用しているBtoB事業者を紹介します。
おすすめ⑩ ファナック株式会社 FANUC CORPORATION
工場の自動化設備や産業用ロボット、ロボマシンを製造・販売する日本の電気機器メーカーのファナックが運営するチャンネルでは、業界関係者とその顧客しか見ないであろう業界機器の紹介を、YouTubeチャンネルを使って行っております。
当然このような動画は1,000回も再生されないものばかりですが、業界関係者にとってみれば、YouTubeというプラットフォームで、気軽に何回でも業務機器を確認できるメリットがあり、またYouTubeだけでなく、Googleの検索結果にも動画が露出されることもあるため、ターゲット顧客に対してのWebプロモーションを「YouTube」と「Google検索」のダブルで対策できます。
超ニッチ商材を扱うBtoB事業者が、YouTubeチャンネルをプロモーションに使用する場合は、必ず参考にすべきチャンネルの一つと言えます。
YouTubeチャンネル名は「企業名ではない」ことが多い!
多くの企業YouTubeチャンネルは、企業名をチャンネル名にすることはありません。それよりも、YouTube検索で引っかかりやすかったり、ターゲットに対する見た目のインパクトを重視しているのです。
ちなみに、筆者もSEOのYouTubeチャンネルを運営しており、会社名は「forUSERS株式会社」ですが、YouTubeチャンネルでは「SEOライティング講座」としており、YouTube検索やforUSERS株式会社を知らない人でも登録しやすいように工夫しているのです。
◆チャンネル名が企業名ではない例(forUSERS株式会社の場合)

このように、チャンネル名では企業名を使わない会社が多数を占めます。
まとめ
企業YouTubeチャンネル運営において、本日紹介した、「おくりバントちゃんねる」や「中卒40歳年商12億円経営者」のような面白い動画を作るのは非常に大変です。基本は面白いものよりも「お役立ち情報の提供」が企業YouTubeチャンネルではメインになると思います。
そして、企業YouTubeチャンネルで重要なのは「動画投稿を続けること」です。そのため、動画のクオリティと同じくらい、運営体制が重要となります。いくら再生数の回る動画を複数作ることができても、運営体制の負荷が高ければ、YouTubeチャンネルを続けることが困難だからです。
ここまで、YouTubeチャンネルについて解説しましたが、株式会社インターファクトリーでは、EC事業者のマーケティングのコンサルも実施しております。このコンサルサービス「EBISU GROWTH(エビス グロース)」では、多くの経験豊富なECコンサルタントが貴社のEC事業を徹底的にサポートします。興味のある方は下記公式サイトよりお気軽にお問い合わせください。