自社ECサイトで使う最高のASPを見つけるための5つのポイント

「ECのASPっていっぱいあるけど、どれにすれば良いのだろう?」
「ECサイトのデザインにはこだわりたい!」

ECサイトをASPで始めようと考えている事業者は、どのECシステムを導入すればいいのか、迷っていると思います。

ASP-EC導入で一番大切なことは、事前に「どんなECサイトにしたいのか?」「ECサイトで何を実現したいのか?」というECサイトの要件をなるべく具体的にしておくことです。

例えば「ECサイトの商品一覧画面で3カラム(3列に並んでいる商品一覧画面)のデザインを考えていたのに、導入したASPでは2カラムしかできない!」など、このように実現したいことができないということが、実際はよく起こります。このような無駄を防ぐためにもASP-ECを導入前に、実現したいことを考えておく必要があるのです。

本日はインターファクトリーで、シニアアドバイザーを担当している筆者が、これからASP-ECを導入する方のための事前に押さえておくべき5つのポイントをまとめて見ました。

ASP-ECの価格帯はだいたい3種類!

ASPでECサイトを作る場合は、ざっくり価格帯が3つあることを想定しておきましょう。

◆ASP-ECの3つの価格帯

①無料のASP-EC
②数千円~1万円以下のASP-EC
③1万円以上のASP-EC

個人や小規模企業がECサイトを始めたいという場合は、まず「①無料のASP-EC」ですぐにECサイトを作ってみることです。初期費用・月額費用が一切かかりません(注文完了時に決済手数料が3%~程度とられます)。

デザインをより重視したECサイトを作りたいのであれば、「③1万円以上のASP-EC」を選びましょう。ASPの弱点は、デザインや機能に制限があることですが、高価格帯のASP-ECであれば、デザインの自由度も高くなるからです。

そして中小企業や、新規事業の方が検討するASP-ECは「②数千円~1万円以下のASP-EC」になりますが、具体的にどのような点に注意すればよいのか?7つのポイントを解説いたします。

ポイント①ECサイトのデザインに徹底的にこだわる場合はASPのアパレルの事例をチェックしよう!

デザイン性の高いECサイトを作る場合は、どのASP-ECが優れているのでしょうか?

どこのASPの会社のホームページを見ても「デザインの自由度が高い」と書いておりますが、実際のところはよくわかりません。そういった場合は、ヒントはASP-ECの公式ページで、アパレルやファッション分野のECサイト事例を全面に出しているASPを選びましょう。

なぜなら、ECサイトで最もデザイン性が問われるのはアパレルECであり、アパレルECに数多く採用されているということは、デザインの自由度が高いという裏付けだからです。そして、自分達が実現したいサイトデザインと近しい事例を探すことまでできれば、完璧です。

つまり、アパレル向けのECサイトとは、EC業界ではフラッグシップとなるECサイトなので、デザインや機能面でこだわりがあるなら、アパレル業界に強いASPがおススメとなります。

ポイント②SEOで注力するポイントは、Wordpressの連携機能

ECサイト担当者であれば、集客のためにSEOが優れているASP-ECを選びたいと思うでしょう。

どのASP-ECも「SEOの設定が自由!」などと表記はしておりますが、現実には「このASP-ECはSEOが強い」というのサービスは存在しません。

なぜなら、現在のSEOはプラットフォームの違いよりも、コンテンツ内容によって、SEOの差が出るからです。だから、どのASPを選んでもSEOが特別強いということはありません。

WordPressがSEOに強い理由

しかし、SEO施策を行いたいなら一点だけ絶対に確認しておくべきポイントがあります。それがECサイトとWordpressとの連携機能です。Wordpressとは、無料のブログプラットフォームで、Googleも、WordPressがSEOに最適なプラットフォームであると認めております。

Googleのスパム対策チームリーダーのMatt Cuts氏の発言:
WordPress is a great choice . WordPress takes care of 80-90% of (the mechanics of) Search Engine Optimization (SEO).

また、現在のSEO施策とはブログ型の「コンテンツSEO」が主流の考え方になっており、しっかりしたコンテンツを作ることが前提です。そしてコンテンツSEOで成功している会社は、ほぼ全てがWordpressを採用しています。

ECサイトと別ドメインでWordpressを使ってブログを立ち上げると、ドメインのパワーが、ECサイトとブログで分散されてしまいますので、ECサイトのドメイン配下でWordpressを使ってブログを立ち上げるのが、最も効果的です。

そのためには、ASP-ECで、Wordpress連携ができるかどうかが重要なポイントになります。1万円以上のASPであれば、多くのASP-ECがWordpress連携に対応しておりますが、設置費用と月額オプション料金がかかりますし、当然ASPによって費用は異なります。

ECシステムのブログ機能はSEOに強いのか?

また、ASP-ECには、標準で「ブログ機能」がついています。これで「コンテンツSEO」を行う方法もありますが、Wordpressとでは、以下の点で見劣りがします。

◆ECシステム付属のブログ機能がSEOに弱い点

・内部リンクの最適化
・プラグイン(機能)の追加
・ブログデザインの制限

結論から言えば、コンテンツが突出していれば、ECシステムのブログ機能でも、SEO上位をとることは可能ですが、競合他社もSEOに力を入れており、少しでもSEOに有利なプラットフォームを使うべきです。

例えば、ブログカテゴリーにおいても、WordPressのようにいつでも自由にカテゴリー分けができなかったり、URLを独自に決めれなかったりとEC付属のブログ機能では不便となることがよくあります。

ポイント③ASPと連携している集客機能は実際どうなのか?

ECサイトは立ち上げるのはカンタンですが、集客が非常に大変です。

例えば、NIKEのエア・ジョーダンというシリーズの靴は、Googleで「エアジョーダン」と検索すれば、すぐにNIKEの公式サイトが出てきます。そしてエア・ジョーダンはブランド力が大変強いため、商品名で検索する人が非常に多く、極論を言えばNIKEはマーケティングをしなくても、商品は勝手に売れていきます。

しかし、商品名や会社名、あるいはECサイト名でブランド力がないと、検索されることがないので、中小企業のECサイトでは、集客が課題になっているのです。

そこで、ASP-ECには集客機能が用意されているものもあります。例えばショッピングモールとの連携です。この連携は、ASP-ECで作った自社サイトの商品を、連携先のショッピングモールでも表示することができるので、自社ECサイトとショッピングモールの両方で、自社商品をアピールすることができます。

しかし、これらの連携は効果が非常に薄いというのが実際のところでしょう。連携先のショッピングモールがAmazonや楽天市場ならば、一定の効果もあるでしょうが、そういった有力ショッピングモールと連携しているASPは筆者の知るところ存在しません。

もし、Yahooショッピングが連携しているASP-ECがあれば、Yahooショッピングとの連携は、効果が少し期待できます。今後そのようなASP-ECがあれば検討してみましょう。

ポイント④Amazonペイや楽天ペイに対応しているか?

ECサイトの決済は、クレジットカード決済がメインですが、昨今は自社ECサイトで売上をあげるための、決済サービスが出てきており、それが「ID決済」と呼ばれるものです。その中でもAmazonペイや楽天ペイは、大きな効果をもたらすはずです。

Amazonペイや楽天ペイの仕組みはカンタンに申し上げると、下記のような仕組みです。ここではAmazonペイで説明いたします。

◆ユーザーから見た、Amazonペイの仕組み

(1)ECサイトで欲しい商品が見つかる
(2)注文画面に「Amazonペイ」のボタンがある
(3)Amazonのアカウントでログイン
(4)Amazonのアカウントで決済

つまり、ユーザーはAmazonのアカウントで、商品を買うことができるのです。楽天ペイもほぼ同じ仕組みです。この決済に対応しているASP-ECは限られており、事前に確認しておきましょう。

また会員データをそのまま自社サイトの会員として使うことも可能ですから、リピーター対策を行うこともできます。

ポイント⑤高機能・高額のASPが良いとは限らない!実現したいことがあれば、しっかり確認しよう!

では、月額費用が高いASPほど、良いのか?と言えばそうとも限りません。例えば、デザイン面。多機能なシステムには落とし穴がある場合があります。例えば多機能がゆえに、デザインの自由性が奪われていることがあります。

低価格のASPでも「HTMLとCSSは自由に編集可能」とあれば、機能が少ないために、シンプルな構造になっているため、比較的デザインの制限が少なかったりします。

ですから、やはり事前に「こんなことをECサイトで実現したい!」と考えておくべきなのです。それさえあれば、ASP-ECを検討する際にASPの担当営業に「○○を実現したいのだけど、可能でしょうか?」と聞くことができるからです。ASP-ECのホームページの雰囲気で「なんとなく良さそうだな~」と決めると痛い目にあいます。

システム連携やカスタマイズができるのは、ECパッケージやクラウドEC

本日はASP-ECでの、ECサイト構築の5つのポイントを解説しました。最後に、もし自社の基幹システムとの連携や、独自要件のカスタマイズを行う場合は、ASP-ECでは不可能です。

そういった要件の場合は、ECパッケージかクラウドECを検討することになります。ECパッケージとクラウドECの違いは、システムが古くなるか、ならないかの点です。クラウドECは、クラウド環境でフルカスタマイズできるECシステムであり、随時アップデートされるため、ASPと同様にシステムが陳腐化しません。

ですから、ASPからステップアップには、クラウドECが最適な選択となるでしょう。

クラウドECへステップアップされる際には、弊社のクラウドEC「ebisumart」も検討していただければ幸いです。

クラウドコマースプラットフォーム:ebisumart(エビスマート)

スモールスタート向けクラウドコマースプラットフォーム:ebisumart zero(エビスマート ゼロ)

セミナー情報