CGM(シージーエム)とは、Consumer Generated Mediaの頭文字を取ったもので、ユーザー自身が口コミやレビューを、SNSの投稿、ブログのコメントなどで投稿するメディアの総称です。
SNSで企業が主導となってCGMを活性化させることはカンタンではありませんが、成功すれば企業側が直接コントロールしなくても、ユーザーの手によってコンテンツが成長し、ユーザー数が増えていくことになります。
そのため、時間的・金額的コストも大きく抑えられたマーケティング施策ですので、マーケティング担当者は積極的に実践すべきです。
本日は、forUSERS株式会社でマーケティングを担当している筆者が、CGMを増やすための基本的な施策を紹介します。
SNSでCGMを生むための7つの方法
それでは、TwitterやInstagram、YouTubeなどのSNSを使ってCGMを生むための、具体的な7つの方法を解説します。難易度は高いのですが、なるべくカンタンな施策から順に効果の高い施策を含めて紹介します。
施策① ハッシュタグを用意して投稿を促す
まずは、CGMで拡散したいハッシュタグ(#)を用意して、ユーザーに投稿を促しましょう。まずは自社のアカウントがあれば、ハッシュタグを付けて自社商品を紹介します。
その際は、商品名をそのままハッシュタグにするよりも、工夫して拡散しやすい独自のハッシュタグを付けるべきです。
良い例:#商品名ってなんだろう
このように商品名を使う場合でも文章の形にすると、その商品名を知らない人に対して「”商品名”ってなんだ?」と興味を引くことができます。また、次の施策で解説しますが、キャンペーンと組み合わせることで、より拡散しやすくなります。
施策② プレゼントキャンペーンを実施する
ハッシュタグを付けたら、予算を用意してプレゼントキャンペーンを実施しましょう。例えば下記のユニクロのTwitterキャンペーンでは、ハッシュタグを付けて引用RT(コメント付きでリツイート)することで、抽選でソックスが当たるキャンペーンを実施しています。
ハッシュタグを付けてRTすることでプレゼントがもらえるキャンペーンは、多くの企業が実施しておりますが、ユニクロの下記キャンペーンの場合は、ハッシュタグの内容を自社のライブ配信で発表するという「ひと工夫」を入れています。こうすることで、ライブ配信への誘導にも成功しております。
◆ユニクロのTwitterキャンペーンの事例
このように、ハッシュタグを使ったキャンペーンを実施することで、CGMを生み出すことができますし、それがユニークなキャンペーンであれば、SNS上でさらなる拡散を生むこともあります。
ただし、気を付けたい点はキャンペーンで集めたユーザーは、プレゼント目的のアカウントが多く、フォロワーのエンゲージメントが弱くなります。そのためCGMを生む目的を事前にしっかり確認しましょう。例えば、商品のプロモーションのためであったり、あるいはエンゲージメントが弱くともフォロワー数を増やしたいなど、明確な目的を持っておくべきです。
施策③ ユーザーの投稿をリツイート(リポスト)するなど反応する
ユーザーが、自社のハッシュタグを使って投稿したら、SNS担当者は反応してあげるべきです。Twitterであれば、コメントを返したり、引用リツイートで投稿を紹介してあげましょう。Instaglamでもリポストを行うことで、自社のアカウントでユーザーの投稿を紹介することができます。
そうすることで、それを見た他のユーザーも「私も取り上げられたい!」という気持ちになり、ハッシュタグを使って投稿してくれる可能性が上がるのです。
筆者も、Twitterアカウントを持っていますが、フォロワーが少ないため、有名マーケターのコメントをハッシュタグを使って投稿したところ、有名マーケターの方がリツイートをしてくれました。この方法を思いついたのは、その有名マーケターが常日頃から、自身の投稿をしてくれるユーザーをリツイートしてくれており、それを筆者が知っていたからです。
このように、フォロワーに対して丁寧な対応をすることで、CGMを生みやすくなるのです。
施策④ トレンドを意識する
SNSで最も拡散に役立つのは「トレンド」です。例えば、この記事を書いている今は、「Chat GPT」という文章を書くAIがちょっとしたトレンドになっております。筆者は、それを利用して、以下のように投稿したところ、普段はほとんど「いいね」や「リツイート」がされないのですが、下記のように拡散されました。
◆筆者のTwitterアカウント
この時は、ハッシュタグを使っていませんでしたが、このようにトレンドを意識することで、拡散しやすくなり、多くのユーザーコメントによるCGMを生むことが可能となります。
施策⑤ YouTubeでコメントを促す
CGMを生み出すには、YouTubeの活用も効果的です。YouTubeのコメントや高評価の数が多ければ、視聴回数も増えチャンネル登録もされやすくなりますし、有益な動画としてYouTubeからの評価も高くなります。
特にYouTubeの評価は重要で、アルゴリズムで良い動画と判断されれば、おすすめ動画に表示されやすくなるなど、露出も高まり拡散が促進されます。
そのため、ユーザーからのコメントが多くなるような動画を作ることが重要です。動画内で「お気軽にコメントください」「高評価をお願いします」と呼びかけたり、あるいは問題提起や何かテーマを設けてコメントを募集するなどして、ユーザーの書き込みを促すことで、コメント欄が活性化します。
なお、施策③でも解説したように、YouTubeのコメントについても丁寧に反応を返してあげることが重要です。良いコメントにはハートを付けたり、疑問や質問には可能な範囲で丁寧にコメントを返すことで、配信者がコメントを読んでくれていることがユーザーにも分かりますので、他のユーザーも積極的にコメントしてくれるようになります。
施策⑥ YouTubeで動画投稿を募集する
また、企業の施策として動画そのものを募集する方法もあります。過去には大手菓子メーカーのロッテが、自社商品のテレビCMで放送されたダンスを、一般からYouTube投稿という形で公募し、その再生数(あるいはFacebookのいいね数)を競うコンテンストを開催しました。
これがユーザー参加型のプロモーションということで話題を呼び、第2弾のコンテンストも開催され、当該商品もヒット商品となりました。
このように、企業側が自社の商品やサービスに関連した、きっかけとなるコンテンツを作り出し、それをユーザーに「自由に」コピーやアレンジをしてもらうことでコンテンツが成長し、価値がどんどん高まっていくことになるのです。
下記リンクでコンテストの概要をご覧いただけます。※少し古い記事ですが参考にご覧ください。
参考:YouTubeにおける企業プロモーション成功事例 Fit‘sダンスコンテスト with YouTube(ITmedia)
施策⑦ ユーザーが投稿したくなる商品やサービスを企画する
優れた商品には、マーケティングが不要であるという考え方があります。つまり、機能性や利便性に優れた商品は企業がキャンペーンやプレゼントなどを用意しなくてもCGMを生むのです。これはカンタンなことではありませんが、多くの企業のマーケティング部門では、商品力を向上させる努力よりも広告などに力を入れている姿を筆者もよく見ます。
企業の部門体制にもよりますが、商品力を向上させることだけに徹底することも、実はCGMを生むことにつながる行為となるのです。
まとめ
本日は7つのSNSを使ったCGM施策を紹介しました。SNSを使った企業マーケティングはカンタンではありません。しかし、実践してみないことには本日紹介したノウハウもただの理論で終わってしまいます。マーケティング担当者なら積極的に実践してみてください。
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