建設業界を目指す方が読むべきまとめ!市場規模や平均年収など

「建設業界は、景気が良さそうだな~就職先としてはどうだろう?」
「建設業界は大変なんだろうか?」

建築業界というとこんな印象を抱くと思います。

建設業界は2021年開催の、東京オリンピック開催のための大規模開発やホテル建設のラッシュが続き、空前の建設ラッシュを迎えて非常に景気が良い時期がありました

しかし、東京オリンピック以後は、建設需要は下がっているため、建設各社は、積極的に海外事業や、建設事業以外で収益の柱を作るなど、今後に備えております。

本日はインターファクトリーで、シニアアドバイザーをつとめる筆者が、建設業界について詳しく解説いたします。

70兆円に迫る建設投資額で再び盛り上がってきている建設業界

まずは下記の国土交通省の建設業界についてまとめた資料から引用したグラフをご覧ください。

◆建設投資、許可業者数及び就業者数の推移

建設業界の市場規模推移(-R4)

引用資料:建設業を巡る現状と課題国土交通省

建設業界はバブル崩壊後の1992年をピークに、建設不況に入り建設需要は右肩下がりでした。しかし、2012年の国土強靭化政策や東京オリンピックの開催が決まり、2017年3月期の大手ゼネコン4社が過去最高益を更新するなど、建設業界はかつてないほどの追い風が吹いています。

しかし、一方で建設業界の労働力不足は深刻な問題になっております。東日本大震災以降、人手不足が表面化。過去20年の建設投資の縮小に伴い建設業界への就労数が減っているためです。上記のグラフに就業者推移が示されておりますが、下記は就業者にクローズアップした推移グラフです。

◆建設業就業者数の推移

建設業就業者数の推移

◆建設業就業者の高齢化の進行

建設業就業者の高齢化の進行

グラフ引用:建設業デジタルハンドブック(一般社団法人 日本建設業連合会)

この2つのグラフを見てわかる通り、建設業従事者は年々減少していることに加え、高齢化が進んでいます。2025年には、日本は75歳以上の後期高齢者の人口割合が増え、極端な少子・超高齢化になる、いわゆる「2025年問題」に直面し、建設業に対する影響も避けられず、ベテラン層の退職など、人手不足に拍車がかかると見られています。

参考:2025年問題が建設業に与える影響と取り組むべきことを解説(建設会計ラボ)

【ベスト10社】建設業界 売上高ランキング

データ引用元:建設業界の動向、現状、ランキングなど-業界動向サーチ

◆売上高ランキングのベスト10(2022年-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 鹿島建設 23,915
2 大林組 19,838
3 清水建設 19,338
4 大成建設 16,427
5 竹中工務店 13,754
6 長谷工コーポレーション 10,272
7 戸田建設 5,471
8 五洋建設 5,022
9 三井住友建設 4,586
10 熊谷組 4,035

1位の鹿島建設は、超高層ビルなど最先端事業に定評があります。東京駅の八重洲口再開発、丸の内駅舎復原工事、秋葉原地区開発事業など豊富な施工実績があります。スーパーゼネコンの5社の一つです。2022年度の決算実績は2期連続の増収増益、純利益は2021年度比7.6%増の1,117億円となっております。

実績引用:2023年3月期 決算説明会資料(鹿島建設株式会社)

2位の大林組は、スーパーゼネコン5社の一角で、関西の地盤が強く、トンネル事業に定評があります。建設事業以外にも、再生可能エネルギー事業など、収益基盤の多様化を進めています。2023年3月期の連結経常利益は前期比約2倍の1,008億円に拡大しました。

実績引用:2023年3月期 決算説明会プレゼンテーション資料(株式会社大林組)

9位の熊谷組は、準ゼネコン大手で、日本国内に多くの高層ビルを建築しております。特にトンネル工事に定評があり、青函トンネルなどの難関工事にもかかわり、現在ではリニア中央新幹線での実験線を施行しております。2023年3月期の連結経常利益は、コロナ禍や物価高騰等の影響による工事の進捗の鈍化や、建設コスト上昇といったの影響から、前期比48.4%減の122億円に落ち込みました。

実績引用:2023年3月期決 算説明会資料(株式会社熊谷組)

建設業界の平均年収は529万円と高収入

建設業界の給料は平均年収529万円で、全業種の平均年収457万円と比較すると高収入と言えます。なかでもスーパーゼネコン5社の平均年収は突出しており、900〜1,100万円となっています。スーパーゼネコンは、東京オリンピックや、訪日外国人によるホテル建設需要により、急激に業績を伸ばしており、その結果が賞与に反映されているのです。

しかし、建設業界の休日は、製造業と比べても短く、またスーパーゼネコンや準ゼネコンを除くと、企業の平均年収は決して高くはなく、人手不足の業界もあり、今後の待遇改善が必要になります。

データ引用元:民間給与実態統計調査結果(国税庁)建設業界 平均年収ランキング(業界動向サーチ)

建設業界の将来性や課題

東京オリンピックや、インバウンド需要を受け入れるためのホテル建設など、かつてないほどの建設ラッシュを迎えている建設業界ですが、すでに業界ではオリンピックが終わった2020年以降では建設需要が減っております

建設業界の大きな課題は2つ。

1つは、すでに恒久的な人手不足。
2つめは、日本の人口減少による建設需要の減少。

東京周辺の人口は、急に減ることはないでしょうが、日本国で見ると、建設需要は大きく減ることが予想されます。このため業界では、収益の柱を、海外や新規事業に力を注いだり、M&Aによって、企業の統廃合が加速するでしょう。

他業種からの建設業界への転職は可能か?

結論から言えば可能です。業界は人手不足のため、20代に限らず30代から40代の未経験者も募集する施工事業者も多くありますので、転職のハードルは高くはありません。ただし、現場では技術やノウハウは「見て盗め」という慣習が未だにあり、技術を習得するのはカンタンではありません。

また、昨今改善に着手しているものの、仕事はハードです。こういった面に耐えられるか?も事前に考えなくてはなりません。

まとめ!こんな方が建設業界に向いている!

建設業界は、自分の仕事の成果が残る仕事でもあります。例えば、「この市民体育館の施工は、僕がやったんだ!」など、自分の成果が建物として残るのは、非常に達成感があります。

しかし、現場仕事はハードで、大手の建設会社であれば「大阪の工事が終わったら、次は沖縄に行って!」というように施工現場を転々とする仕事ですから、仕事を長く続けるためには体力が重要になります。

また現場には、あらゆる会社、役割の人がおり、現場監督ともなれば、それらの人を束ねるコミュニケーション能力や折衝能力が求められます。

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