「有名なEC企業で働きたい!でも募集しているのか?」
「ECサイトの会社に転職考えているけど、どんな特徴があるのかな?」
いざ、EC業界への転職を考えていても、なかなか情報が見つけにくく、どんな企業があり、働いてみてどんな特徴やポイントがあるのかが想像がつかないと思います。私自身も2014年にWEB業界からEC業界に転職をしましたが、当時は「ECサイトの仕事って何するんだろう?」という印象でした。
ECサイトの運営の仕事には商品企画・集客・受発注・在庫管理・配送まで、様々な要素があり、それらの業務を効率化するために、最先端のツールやソリューションが頻繁に生まれている業界で、幅広い知識やスキルが身に付く一方で、進化のスピードも速く、トレンドの移り変わりも激しいため非常に忙しい業界です。
しかし、その分やりがいもあり、とても面白い業界でもあります。
本日はWEB業界からEC業界に転職した経験のある筆者が、実経験をもとに有名ECサイト企業の求人の見つけ方から、ECサイト業界に必要なスキルなどを詳しく解説いたします。
EC市場は右肩上がりでポテンシャルが相当高い業界!
まず、家族や友達に「ECサイトの仕事をしている」と言っても「ECって何??」といった答えが返ってくるでしょう。
それだけECという言葉は一般的ではないのです。しかし、EC業界の超有名企業のAmazomや楽天で買い物したことない人は、ほとんどいないでしょうし、メルカリやZOZOTOWNも有名です。これらは全てECサイトです。
ですから、ほとんどの方は日常的にECサイトと接しており、そのため巨大な市場であることは容易に想像できます。
では、実際にEC業界は儲かっているのでしょうか?これから転職を考えている人には気になるところです。
下記のグラフは、一般消費者になじみの深い「物販分野のBtoC(※)」にフォーカスしたEC市場規模の推移を示したものです、2023年度では14兆6,760億円という巨大な市場規模で、しかも毎年右肩上がりの業界なのです。
※BtoC…企業から一般消費者に商品やサービスが提供される取引形態
◆2013年~2023年の物販系分野のBtoC-EC市場規模の推移
経済産業省の最新の調査結果より引用:令和5年度 電子商取引に関する市場調査 報告書
グラフにはEC化率というオレンジの折れ線グラフの推移もありますが、これは全商取引のうち、ECサイトがどれくらい利用されているか?という意味で、なんと2023年現在でもたった9.38%と、ECサイトの利用率が低いため、この数字の意味するところは”ポテンシャルが極めて高い”業界であるということなのです。
日本では、未曾有の少子高齢化社会を目前に控え、多くの産業が停滞・減退期に突入していますが、そういう意味ではEC業界は、まだまだこれからの業界であることがわかります。しかも業界は人手不足!ECサイトに関する経験やスキルは、生涯にわたって役に立つことは間違いありません。
有名ECサイトを運営する企業の求人の見つけ方
では、有名ECサイトを運営する企業の求人を見るけるコツを解説します。
インターネットで普通に検索するのもいいのですが、それだけでは有名ECサイトを運営する企業はなかなか見つけることはできないでしょう。なぜなら、Googleの検索結果上位には転職サイトばかりが出てくるため、転職サイトに掲載している企業が中心のため、有名企業の求人は一部しかありません。
それよりも、下記のEC業界のランキングの企業を参考にする方が効率的です。
◆EC業界の売上ランキング
※下記は「月刊ネット販売」の記事より引用したランキングです。実際のランキングは、同誌の売上高調査「ネット販売白書」にて上位300社まで調査されており、有料にてデータを購入することができます。
このように、Googleで検索するよりも、こういったリストを元に直接自分でECサイトの有名企業を探すことができるのです。上記の表は上位10社の抜粋ですから、実際は300社も掲載されているので、有料購読とはなりますが、興味のある方はここから有名ECサイト企業の求人を探してみてください。
また、転職エージェント経由よりもこのやり方の方が、入社できる可能性が高まります。というのも、ECサイトを運営する企業が転職エージェントで人材を探すと、仲介マージンを数百万円も取られてしまいますが、企業ホームページの求人から申し込んだ人材の採用にコストはかからないため、企業はなるべくコストのかからない採用活動を喜ぶからです。是非、試してみてください。
特に昨今は、各社とも競争が激しくランキングの入れ替わりが激しくなっていますので、業界の動きのこまめなチェックが肝要です。
ECサイトの仕事で求められるスキルとは?
人手不足な業界とはいえ、経験者やスキルが高い人材が求められるため、誰でも入れるというわけではありません。
しかし、あきらめる必要はありません。ECの経験はなくとも、関連するスキルがあれば、入社は可能ですし、なにより、2024年現在もEC業界は売手市場であり、他業界からも積極的に人材登用をしているからです。また売手市場はしばらく続く見込です。
EC業界を志望する方は、ぜひ下記の記事も参考にしてみてください。
参考記事:通販・EC各社の新卒採用は「売り手市場」が継続。オンライン+リアルで学生にアプローチ【2024年の採用活動まとめ】(ネットショップ担当者フォーラム)
では、どのようなスキルが求められるのか?具体的に解説していきます。
① その業界の知識や経験(例:アパレル、家電、食品、小売りなど)
ECサイトの経験や知識が無くても、可能性はあります。まず転職を考えているECサイト企業が、現在の自分が働いている業界と同じ業界であれば、転職できる可能性は高まります。
例えば、アパレル業界で働いた経験があるほうが、アパレルECサイトの仕事の経験に活きます。なぜならユーザーの服を選ぶときに気にするポイントや業界知識がそのまま、ECサイトの運営の仕事につながるからです。
ただし、誰でも知っているような有名企業だと、応募倍率も高いためECサイトの仕事の経験がないと入社は難しいかもしれません。
② WEBマーケティングスキル
企業のホームページで集客施策を行った経験があれば、ECサイトの運営経験が無くともほぼ経験者として扱われます。私自身がそうでした。例えば「SEO施策”を行っている」あるいは「リスティング広告を運用している」といったスキルはかなり優遇されます。
なぜならECサイトで困難な要素は「ECサイトへの集客」であり、そのノウハウはWEBもECもほとんど同じだからです。
WEBサイトの運営経験がなくても「個人でブログを書いて、アクセス数が月間1,000PVを超えている」などの実績もアピール要素になります。ただ、その場合は「誰に対して」「どのような記事を」「どのように書いているのか?」を明確に言語化して説明できなくてはなりません。
また、InstagramやXなどのフォロワー、あるいはジャンルにもよりますがYouTubeのチャンネル登録者が多いというのもアピールポイントにつながります。SNSをうまく運用できているのは一部の企業だけですから、こういった点は評価の対象です。ただブログと同様に、どうやってフォロワーを増やしたのか?を明確に説明できる必要があります。
個人ブログのアクセス数やSNSのフォロワーを増やすことも、ECサイトでアクセス数を増やすことも、手法に大差はなく、立派なWEBマーケティングスキルと言えます。
③ ITリテラシー
そもそも「エクセルやワードが苦手」であったり、パソコンが苦手という人にとってはEC業界は厳しいかもしれません。ECサイトでは、ECシステムの管理画面やECサイトを効率的に運営するバックエンドのツールなど、多数のツールを使います。
こういったツールやソフトをスムーズに使う感性があれば問題ありませんが「マニュアルを見ながらじゃないと出来ない!」という人には、EC業界は相性が悪い業界かもしれません。
以上3つのスキルを解説しましたが、これらの3つのスキルを持ち合わせていなくても、誰でもすぐにECサイトの運営スキルを身につけてしまう方法を解説した記事を過去に書きましたので、「スキルも経験もないけど、なんとかEC業界で仕事をしたい!」という方は下記の記事をご覧ください。
EC業界の大変なところは?横文字が多い!
EC業界の大変なところは、やはり聞いたことがない横文字が会議や同僚との会話で多数出現することです。例えば、下記の10個の用語のうち、どれくらい理解してますか?EC業界以外の人が5つ以上わかれば合格です!
◆EC業界の用語
① API(エーピーアイ)
② AWS(エーダブリューエス)
③ CPA(シーピーエー)
④ CTR(シーティーアール)
⑤ CVR(コンバージョンレシオ)
⑥ EDI(イーディーアイ)
⑦ EFO(イーエフオー)
⑧ KPI(ケーピーアイ)
⑨ LTV(ライフタイムバリュー)
⑩ SKU(エスケーユー)
入社前は、わからなくても問題ありませんが、入社後はこういった言葉がスラスラ出てこないと、仕事になりません。ですから、入社してから最初の3ヶ月間は、「LTVって、先ほどの会議で言ってましたけど、どういう意味なんですか?」と先輩にすぐ聞くようにしましょう。
こっそり、検索で調べてみても良いのですが、実際に使っている先輩から聞いた方がより理解できますし、”わからないことは聞く”という姿勢が大切になってきます。なぜなら、調べるよりそれを知っている人に聞いた方が理解が深まることとスピードが速いからです。
筆者は相手がお客様であっても「すいません勉強不足で、MDっておっしゃいましたけど、何のことですか?」と、わからない単語が出てきた瞬間に聞くようにしています。おかげで「会議の内容を把握できなかった!」ということは今まで一度もありません。
横文字の多いEC業界に転職した場合は、この点は覚悟しておいてください。ただ毎日使うことになるので、抵抗はすぐ無くなりますよ。