ECとは?ユーザーとお店の立場からメリット・デメリットで考える!

ECとは?ユーザーとお店の立場からメリット・デメリットで考える!

EC(イーシー)とはe-commerce、「electronic commerce」エレクトロニック・コマースの略で、electronicが「電子」、コマースが「商取引」という意味なので、電子商取引という意味になります。つまり、皆さんがAmazonや楽天市場などのネットショップで商品を買うことも、電子商取引なのでECと言えるのです。

ECは、世界中の人に対してインターネットで商品をカタログのように見せることで、気に入った商品を売ることができるという最大のメリットがある一方で、服や靴などは、インターネットでは実際に試着することができないためサイズ感がわかりづらいことや、生鮮食品の場合は鮮度がわかりづらいというデメリットもあります。

本日はインターファクトリーでシニアアドバイザーを担当している筆者が、ユーザー(消費者)とお店(事業者)の立場から、ECについてメリットやデメリットを具体的にわかりやすいように解説していきます。

目次

ユーザー(消費者)から見たECの4つのメリット!

ECのメリット① ユーザーがお店に行必要がない!
ECのメリット② 日本中(世界中)の商品を買うことができる
ECのメリット③ ニッチな商品も探して手に入れることができる
ECのメリット④ 最安値で商品を買うことができる

ユーザー(消費者)から見たECの4つのデメリット!

ECのデメリット① すぐに商品が手に入らない
ECのデメリット② 服や靴はサイズ感がわからない
ECのデメリット③ 送料がかかる
ECのデメリット④ セキュリティ事故や詐欺被害の不安がある

お店(事業者)から見たECの4つのメリット!

ECのメリット① 商圏を日本中・世界中に広げることができる
ECのメリット② カタログ通販のように紙の印刷代がかからない
ECのメリット③ 顧客のデジタル情報をフル活用できる
ECのメリット④ 店舗に比べて運営コストを抑えられる

お店(事業者)から見たECの3つのデメリット!

ECのデメリット① 価格競争に陥りやすい
ECのデメリット② 知名度のない事業者はECサイトを作っても発見されない
ECのデメリット③ ユーザーがわからない
ECのデメリット④ 商品の魅力を伝えづらい

 

ユーザー(消費者)から見たECの4つのメリット!

ECのメリット① ユーザーが直接お店に行く必要がない!

ECサイトはインターネット上のお店です。ユーザーがお店に行かなくても、好きな商品を選び購入することができます。例えば、実店舗の場合で「欲しい服を探す」には複数をお店に足を運んで予算や自分の体形に合う服を探さなくてはなりません。しかし、インターネットの場合、スマートフォン1つで移動することなく、複数のECサイトの中からカンタンに欲しい服を選ぶことができます。

しかも、Amazonや楽天市場のようなショッピングモールと呼ばれるECサイトであれば、多くのメーカーの中から自分に合う、価格が安いモノをすぐに選ぶことができます。

ECのメリット② 日本中(世界中)の商品を買うことができる

例えば、東京の原宿にしか売っていない服でも、ECサイトであれば、地方に住んでいても買うことができます。

ECサイトで販売していないブランドであっても、メルカリやYahooオークションなどの、CtoC(ユーザー同士が売り買いすること:Consumer to Consumerの略)のECサイトであれば、高い確率で手に入れることができます。

また、日本では発売されていない商品であっても、クレジットカードがあれば、海外のECサイトで商品を購入することができます。※海外のECサイトが日本語対応してなければ、英語で申込フォームを入力する必要があります。

ECのメリット③ ニッチな商品も探して手に入れることができる

レコード等の中古オーディオ商品や、一部のマニア向けの商品や部品は通常、専門店に行かないとなかなか手に入れることはできませんでした。しかし、インターネットではそういったニッチ商品であっても、全国、あるいは世界中のECサイトから探すことができますし、Yahooオークションからも探すことができます。

インターネットがないころは、マニア向けの専門誌には「売りたい人買いたい人」というコーナーが必ずあり、売りたい人は、そのコーナーに葉書に必要項目を書いて、投稿しており時間も手間も大変かかる方式でした。しかも、その雑誌を買った人だけが対象だったので、欲しい商品を手に入れられる確率も低いものでした。

しかし、現在はスマホでメルカリやYahooオークションなどのオークションサイトで、ユーザー同士がカンタンに商品の売り買いすることが可能になりました。

ECのメリット④ 最安値で商品を買うことができる

価格.comのようなサイトを見れば、日本中で一番安い店をユーザーは誰でもカンタンに探すことができます。ユーザーは最安値の店を探し、商品を手に入れることができます。またお店(事業者)同士の価格競争の原理で、ECサイトでは商品は安くなりやすく、お店が送料負担をする場合もあります。

ユーザー(消費者)から見たECの4つのデメリット!

ECのデメリット① すぐに商品が手に入らない

実店舗と違い、商品が手元に届くまで配送に時間がかかるため、ECの買い物は数日間待たなくてはいけません。ですから、今すぐに商品が欲しい方は実店舗を探しに行くことになるでしょう。また生鮮食品など、日にちが持たないものは、ECサイトと相性が悪い分野があります。

ECのデメリット② 服や靴はサイズ感がわからない

実店舗で服を買う時は、試着して選ぶので、サイズを間違える可能性が少ないですが、ECサイトでは、服や靴のサイズを実際に確かめることはできません。このためアパレルECでは、サイズ感がわかるように採寸を表記したり、サイズを間違えても返品しやすくしなくては、ユーザーがECサイトで服を買うのをためらってしまいます。

ECのデメリット③ 送料がかかる

実店舗と違い、配送業者を使って商品が届くので送料がかかります。また昨今は配送業者の人手不足や負担がニュースになっており、配送業者も送料の値上げを行っております。送料無料の商品もありますが、コストがかかっており、EC事業者が負担しているのです。

また、EMS(国際スピード便)を使って、海外商品を買った場合、送料は数千円になりさらに高くつきます。

ECのデメリット④ セキュリティ事故や詐欺被害の不安がある

ECサイトで買い物をする際には、氏名・住所・連絡先などの個人情報や、決済方法によってはクレジットカード情報を入力しますが、セキュリティが不十分なサイトを利用した場合、それらの情報が漏洩してしまう危険性があります。

2022年 主な個人情報漏えい・紛失事故
2022年の主な事故で、最多は顧客情報の不適切な取り扱いを公表したJ.フロントリテイリングの191万3,854人分。情報漏えい・紛失人数が多かった上位10件のうち、不正アクセスを原因としたものは6件だった。このうち、クレジットカード決済システムを運営するメタップスペイメント(親会社:メタップス)は、システムへの不正アクセスで多数のクレジットカード情報が流出。こうした事態を受け、代表取締役の引責辞任に発展した。
また、ECサイトなどの入力支援ツールを提供していたショーケースの不正アクセス事件は、被害がサービスを利用していた多くの企業に広がり、上場企業だけでも5社のECサイトでクレジットカード情報の漏えいを引き起こした。
165件のうち、クレジットカード情報が漏えいした可能性を公表した事故は13件(構成比7.8%)あった。クレジットカードの不正利用で初めて情報漏えいが明らかになったケースもあり、個人情報の漏えいが組織的な犯罪の端緒になっている。

引用:個人情報漏えい・紛失事故 2年連続最多を更新 件数は165件、流出・紛失情報は592万人分 ~ 2022年「上場企業の個人情報漏えい・紛失事故」調査 ~(株式会社東京商工リサーチ)

また、残念ながら悪質なECサイトも存在しており、偽サイトや詐欺的なECサイトによる被害にあう可能性もあるため、特に初めて利用するECサイトでは慎重にならなければいけません。

お店(事業者)から見たECの4つのメリット!

ECのメリット① 商圏を日本中・世界中に広げることができる

独自の商品や独自のブランドがある場合、実店舗の場合、自分の商圏の範囲にしか売ることができませんでした。しかし、ECを使えば、日本中・世界中をマーケットにすることができます。具体的には下記のような例です。

◆企業向けの部品を扱う企業

EC担当者「今までは法人取引のみを事業としていたが、ECサイトを作って部品を販売したところ、個人から注文が発生した」

◆アニメグッズを扱うお店

EC担当者「ECサイトを作って、アニメグッズを販売したら、中国やアメリカから注文が殺到した!」

このように、ECサイトを開設すれば、日本中、世界中がマーケットになりますから、独自の商品、ニッチな業界においても売上を伸ばすことができるのです。

ECのメリット② カタログ通販のように紙の印刷代がかからない

インターネット普及前にも、通販の仕組みはありました。インターネット普及前の通販のメインは、カタログを申し込んだユーザーの手元にカタログが届き、カタログの中から欲しい商品を見つけて、電話や葉書で、注文をしておりました。

このため事業者にとっては、カタログの印刷代や送料は結構な費用になります。しかも、季節が変わる時などに定期的にカタログを送る必要がありました。

しかし、インターネットであれば、印刷せずに商品情報をホームページで更新できますから、印刷する必要がありません。これにより利益率を高くすることもできますし、商品の値段を下げることもできます。

ただし、日本においては特に高齢者ユーザーは、インターネットを使いこなすことができない方が多く、高齢者向けには、紙のカタログも相当数普及しております。

ECのメリット③ 顧客のデジタル情報をフル活用できる

ECサイトにアクセスする際、顧客はインターネットを通してアクセスするために、ユーザーのあらゆるデジタル情報収集して、マーケティングに活かすことができます。例えば、一度ECサイトで商品を購入したことがある人が、再びECサイトに訪問した時に、購入履歴から、自動でおススメの商品をECサイトが表示する機能があります。

また、ECサイトの会員登録データをもとに、メールマガジンを送付し、全員同じ内容ではなく、一人ひとりにあったおススメ商品のメールマガジンを送付することができるのです。

このようなECサイトで収集したデジタル情報をフルに活かして、事業者はマーケティング活動を行い、売上を伸ばすことができます。

ECのメリット④ 店舗に比べて運営コストを抑えられる

店舗運営の場合、テナントの賃料や水道光熱費、スタッフの人件費など様々なコストが必要になります。店舗が増えていけば、当然店舗数分これらのコストが増加していきます。

ECサイトの場合は、賃料や水道光熱費はかかりません。もちろんサーバー費用やドメイン費用はありますが、それらに比べれば非常に低コストです。また、ある程度の規模のECサイトでも、慣れれば一人で運営することも可能ですから、人件費も店舗運営の比ではありません。

このように、店舗運営に比べてECサイトは運営コストを大幅に抑えられるため、利益率が良くなります。

お店(事業者)から見たECの4つのデメリット!

ECのデメリット① 価格競争に陥りやすい

事業者がECサイトを持つことはいいことだけではありません。

インターネットの普及で、商品の最安値を誰でも把握できる世の中になりました。そのため事業者は今まで以上に価格競争に陥りやすくなりました。ECによって特にダメージを受けたのは家電業界です。

今まで安さを売りにしていた、大手家電メーカでも、店舗を持たないAmazonや楽天市場では、人件費や店舗の賃貸料がかからないため、価格で勝つことができません。

しかも、家電ショップで実物を確認して、購入はECで行うというショールーミングという行動が世界中で行われ、結果、家電を扱う事業者が廃業に追い込まれているケースも多々あります。

しかし、ヨドバシカメラなどは、それを逆手にとって、ヨドバシ.comというECサイトを作り、店舗で比較検討させて、自社のECサイトに誘導して、ECでの売上も伸ばしております。下記のサイトによると、2023年度でヨドバシコムの売上はAmazonにつぐ、2位になっております。

【EC売上ランキング2023年版】1位アマゾン、2位ヨドバシ、3位ZOZO、4位ヤマダHD、5位ビックカメラ、6位ユニクロ(ネットショップ担当者フォーラム)

ユーザーは安い価格で手に入れることができメリットが享受できる一方で、ECサイトを上手く使わないと、価格競争により、実店舗やメーカーが苦しんでいる現状もあるのです。

ECのデメリット② 知名度のない事業者はECサイトを作っても発見されない

実はECサイトを作るだけでは、商品は売れません。ECサイトを作って、いきなり商品が売れる事業者は下記のような事業者です。

EC担当者「世界で自社でしか生産していない独自の商品がある」
EC担当者「日本のアパレルの中でも抜群のブランド力がある」

つまり、ECサイトではGoogleやYahoo!の検索エンジンから、ユーザーがECサイト名や、商品名あるいは企業名でユーザーが頻繁に検索されるような、ブランド力があればECで売上を伸ばすことができますが、誰も知らない商品、ECサイトでは、検索されることがないので、ユーザーとECサイトの接触点がないため、売上を伸ばすことがカンタンではありません。

しかし、Amazonや楽天市場などのショッピングモールに事業者は出店・出品することができます。手数料やシステム使用料を取られますが、Amazonや楽天市場には抜群の集客力があるため、これらのモールに出店する方が、一からECサイトを作るよりも、ユーザーにアピールしやすくWEBマーケティング経験がない事業者は、ショッピングモールの方がユーザーに発見される確率を上げることができます。

ECのデメリット③ ユーザーがわからない

ECサイトでは、お店側にとっても、ユーザーがわからないデメリットがあります。

例えば悪意のあるユーザーが、盗んだクレジットカード番号を入れて商品を購入したり、後払いの決済の場合、なかなかお金を払ってくれないユーザーも存在しますし、Amazonや楽天市場の中には、競合他社がユーザーを装い、レビューで星を一つにしてお店の評価を下げるなど、相手がわかりづらいための不正が存在します。

ECのデメリット④ 商品の魅力を伝えづらい

先に述べたように、ECサイトでは商品を実際に手に取って確認することができません。これはユーザーのデメリットであり、事業者のデメリットでもあります。

店舗であれば、実際に手に取ってもらえますし、時間をかけて顧客に口頭で魅力を伝えることも可能です。しかし、ECサイトではそれらができない分、画面上で商品の魅力や詳細な情報を伝える工夫を行わなければいけません。

これが不十分だとユーザーは購入に至らず販売機会を損失してしまいますし、購入されたとしても「イメージと違った」「サイズが合わなかった」などの理由により、返品・返金になってしまう可能性もあります。

ECとは?

デメリットもありますが、ECは人々の生活をより豊かにするもので、住んでいる場所を選ばず、世界中の商品を購入することができます。

また、ECサイトは、独自の商品を作ることができれば、誰にでもビジネスのチャンスをもたらします。ECサイトを作る敷居はかなり下がり、誰でもつくことができます。SNSに情報を登録するくらいのITリテラシーがあれば、誰でもECサイトを作ることができます。

ECサイトを無料で作る方法を解説した記事:【完全解説】無料でECサイトを開設する5つの方法を徹底比較

インターネットとスマートフォンが普及したことで、ECがより身近になりました。今後のビジネスは全てインターネットが軸になりますから、ECのことは必ず押さえておきましょう。

ECプラットフォーム事業者の「株式会社インターファクトリー」も人材を募集中!

弊社インターファクトリーは、ECプラットフォーム事業を行っておりマザーズに上場している企業です。

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