EC担当者がECサイトで売上を上げるECツール8選

business man using internet on smart phone and laptop

「ECの売上をあげるためのツールはなんだろうか?」
「予算が出るから、次年度にいいツールないかな?」

EC担当者になると、自社ECサイトでの売上を伸ばすの方法がいかに難しいかを痛感していることでしょう。ECサイトで売上をあげるために、まずはツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか?

本日紹介する8つのツールは比較的CVRを上げやすいツールばかりですから、自社ECサイトの売上アップに結び付くことになるからです。

それでは、本日はインターファクトリーでシニアアドバイザーを担当している筆者が、売上をあげるためのECツール8選を詳しく解説いたします。

売上をあげる8つのECツール

目次

①確実に売上を伸ばす「カゴ落ち」対策ツール
②WEB接客ツールで、効果的にクーポン券を出す!
③初回購入を失敗させない!チャット型のWEB接客ツール
④ユーザーの行動履歴をもとにおすすめ商品を表示するレコメンドツール
⑤LTVを高める!MAツール(マーケティングオートメーション)
⑥ID決済「Amazon Pay」と「楽天ペイ」を導入してCVRを高める!
⑦Z世代からの高く支持されている後払い決済「ペイディ」を導入する
⑧「延長保証サービス」を導入して、CVRを高める

①確実に売上を伸ばす「カゴ落ち」対策ツール

カゴ落ちとは、せっかくカートに商品を入れて、注文途中まで行ったにも関わず、カートに商品が入ったまま、画面を離れてしまうことを「カゴ落ち」と言います。

この「カゴ落ち」ですが、実はPCよりもモバイルで多く発生いたします。下記の図をご覧ください。スマートフォンのカート放棄率がPCより約5%も上回っております。

◆カート放棄率調査

※上記図はNaviPlusBlogから引用しました。カゴ落ちについて詳しく書かれており、当記事とともに是非一読してください。:EC事業者が知るべき「カゴ落ち」の理由と現実

スマートフォンでカゴ落ちが多い理由は、スマートフォンでショッピング中に、LINEや電話の通知が着たりすると、カートがそのまま放棄されてしまうからです。PCにはこのような通知は発生しにくいため、スマートフォンでのカゴ落ち率が高くなります。

そして、ご存じのとおり、今やECサイトにアクセスする7~8割がスマートフォンなので、このカゴ落ちは見過ごすわけにはいきません。

そこでカゴ落ち対策ツールを使います。カゴ落ちツールとは、以下のようなものです。

◆カゴ落ちツールの仕組み

①ユーザーが注文画面でメールアドレスを入力する
②次のステップ移行で、ユーザーがカゴ落ち
③ツールが自動で、カゴ落ちしたユーザーにURL付きのメールを送付
④ユーザーがURLをクリックし、注文を続ける

要点を言えば、ユーザーのメールアドレスを先に取得しておき、カゴ落ちしたユーザーにメールを送付するものです。カゴ落ちしたスマホユーザーには、「買い物途中にLINEが来て、ショッピングを中断した!」というユーザーも相当数いることから、CVRを上げるには非常に有用な施策になります。

かご落ちツールには以下のような会社があります。

◆かご落ちツール2社の紹介

CART RECOVERY(カートリカバリー)
チャットディーラー

②WEB接客ツールで、効果的にクーポン券を出す!

日本一のアパレルECである、ZOZOTOWNでよく使われている手法ですが、クーポン券をECサイト上で訴求して、ユーザーに購入を促す手法です。ZOZOTOWNのターゲットは若いユーザーが多いので、クーポン券はかなり効きます。

◆ZOZOTOWNの商品画面に表示される1,000円のクーポン券

※下記の青い四角

このようにクーポン券をECサイトの画面に表示して、購入を促すことは「WEB接客ツール」を使うことで可能になります。WEB接客ツールで表示させる画面は、自由に設定することができます。

◆WEB接客ツールで訴求できる例

・値引きクーポン
・送料無料
・ノベルティ
・ポイント付与

 

このようなWEB接客ツールをオファー型といいます。オファー型にも2種類あり、(1)シナリオ設定型(2)AI型があります。

◆WEB接客ツールの2つのオファー

(1)シナリオ設定型

こちらは、バナーを表示させるシナリオをEC担当者が自分で設定する型になります。例えば、新規顧客だけにバナーを表示させたり、複数回サイトに訪れている方だけにバナーを表示させるなど、担当者が仮説をもとに、バナー表示をさせることができます。ノウハウのあるWEB担当者向けです。

(2)AI型

バナー表示をAIが自動的に最適化してくれます。CVの最大化を目指すことも設定できますし、クーポンの乱発を押さえて、必要な人にだけクーポン券バナーを提示することもできます。忙しいWEB担当者向けです。

このように、WEB接客ツールの導入で、CVRを高める施策を出すことができます。しかし、デメリットを言えば、バナーを次々に開発したり、積極的にツールを活用しないと、カンタンに成果を出せるわけではありません。

クーポン機能があるWEB接客ツールには以下のような会社があります。

◆クーポン提示機能が強いWEB接客ツールの3社

Aideal
Sprocket
Insider

③初回購入を失敗させない!チャット型のWEB接客ツール

自社ECサイトには、いくつかのセオリーがあります。そのうちの一つが「初回購入を絶対に失敗させない!」ということで、有名ECサイトの担当者の全てがこのセオリーを念頭に入れいるはずです。

なぜ初回購入を失敗させてはいけないのか?それは、ユーザーが最初の購入を失敗してしまうと、そのECサイトでは、二度と商品を購入してくれないからです。逆に初回購入に成功すると、その後、一定数のユーザーがリピーターになることを考えると売上には大きな影響になります。この法則を有名企業のEC担当者は押さえているのです。

では、初回購入を失敗させない方法にはどのような方法があるのでしょうか?一番の対策はチャット画面を表示することです。

全てのユーザーに表示させるのではなく、注文画面で数分滞在しているユーザーに「何かお困りですか?」といったチャットボックスを表示させるのです。注文画面から確認画面に移動できないユーザーは何か問題を抱えている可能性が高いからです。良くあるのがクレジットカード番号のエラーなどです。

◆ZOZOTOWNの注文画面、しばらくすると下記チャット案内が表示される

このような仕組みはWEB接客ツールを導入すれば、カンタンです。

またチャット画面も、特定のユーザーのみに表示させることができるので、まずは注文画面で1分以上滞在しているユーザーに表示してみましょう。

対応は人間が行うので、営業時間範囲内だけでも対応するようにしましょう。

このようなチャットボット機能があるECツール会社には以下のような会社があります。

◆チャットボット機能があるWEB接客ツール5社

MATTRZ CX
チャットディーラー
チャネルトーク
Combeez
proteger

④ユーザーの行動履歴をもとにおすすめ商品を表示するレコメンドツール

レコメンドツールは、ECのツールの中でも昔からあるものです。カンタンに説明すると下記のAmazonの商品画面をご覧ください。

◆Amazonの商品詳細画面

※下記の青い四角がレコメンド表示

自社ECサイトでも、レコメンドツールを導入することで、カンタンに表示することができます。ECシステムにはデフォルトの機能で付属しているものがありますが、レコメンドを自分で設定するなど簡易的なものに終始しています。

ユーザーの購入履歴や、行動履歴から、高い制度でリコメンド商品を出すには、専門ツールを導入するのが一番です。レコメンドツールを提供している会社は以下の通りです。

◆レコメンドツールの7社

Insider
レコガゾウ
NaviPlusレコメンド
EC RECOMMENDER
さぶみっと!レコメンド
dfplus.io
unisize

⑤LTVを高める!MAツール(マーケティングオートメーション)

BtoCのECサイトの特徴の一つとして、商品単価が安いという点があげられます。そのためECサイトのビジネスモデルというのは、繰り返しリピート販売を行わないと成功しないのです。ですからECサイトはLTV(Life Time Valu:顧客生涯価値)の最大化をしなくてはなりません。

そこで、導入されるのがMAツールです。MAツールに会員情報、購入履歴、商品情報をインポートし。既存会員一人ひとりへのOne to Oneマーケティングを実施します。

例えば、アパレル商品の場合、ECサイトの訪れたAさんがレザー素材の商品を参照していた場合、Aさんに対して、レザー商品のメールマガジンを送付するなどして、顧客の体験履歴をもとにして、商品をリコメンドします。

ECサイトのMAツールは、以下のようなベンダーから商品を展開しております。

Marketing Cloud
Adobe Experience Cloud
Probance
Braze
カスタマーリングス
OmniSegment
LTV-Lab
EC Intelligence
うちでのこづち

価格帯は、月額数万円で利用できるものから、50万円以上するハイスペックなMAツールまであり、自社のECサイトの規模感によって利用するMAツールを選んでみてください。

⑥ID決済「Amazon Pay」と「楽天ペイ」を導入してCVRを高める!

ECサイトに、ある程度集客ができているにも関わらず、「なかなかCVしない!」という課題にぶつかることがあります。ユーザーがECサイトの商品ページに来ているにも関わらず、CVしない理由は、いくつか挙げられます。

◆ユーザーがコンバージョンしない主な理由

・有名ではないECサイトで会員登録をしたくない
・知らないECサイトにクレジットカード番号を入力したくない
・住所や個人情報入力が面倒
・ネットで買うならAmazonや楽天がいい!

スマホが普及し、ECサイトが身近になったといっても、多くのユーザーが有名ではないECサイトで注文(CV)をするのにためらいがあります。このためCVRを高めるために、相当なWEBマーケティングの経験やスキルが必要になります。

しかし、この数字をツールの導入だけで、ある程度改善することができます。それが「Amazon Pay・楽天ペイ」といったID決済と呼ばれる決済のツールです。

カンタンに説明すると、「Amazon Pay・楽天ペイ」を自社サイトに導入すると、Amazonや楽天市場のID・パスワードで、自社サイトにログインから決済まで行うことができます。

見た目は、以下のボタンをクレジットカード決済の画面に並べて設置するだけです。ユーザーは好きな方法で、決済をすることができます。

◆Amazon Payのボタン

◆楽天ペイのボタン

また、Amazon Payと楽天ペイともに、決済したユーザーの会員情報が、ECサイトの会員情報として使えますから(楽天ペイはオプション費用が発生)、リピーターを増やす施策としても有効です。

◆ID決済を提携している会社の一覧

Amazon Pay
au PAY
d払い
PayPay
メルペイ
楽天ペイ

⑦Z世代からの高く支持されている後払い決済「ペイディ」を導入する

Z世代がECサイトを利用する際に、高い支持を受けているのがペイディです。ペイディは若い世代を中心に国内に1,000万人の利用者がおります。ペイディの後払い決済を導入すると、商品ページに以下のような「分割払い」も可能であるウィジェットが表示されます。

◆ペイディの分割払い可能を示すウィジェット

画像引用先:アーバンリサーチ公式ファッション通販|URBAN RESEARCH ONLINE STORE

このようなウィジェットがあれば、ユーザーは高価な商品を分割払いで購入することができますので、若い世代に支持されている理由の一つです。しかも、ペイディは金利が無料です。

ペイディは国内の主要なプラットフォームに導入されているため、利用しているプラットフォームの担当に聞いてみましょう。また、自社でフルスクラッチでECサイトを導入している場合は、以下のペイディの法人ページに問い合わせしてみましょう。

ペイディ公式サイト:あと払いペイディ|法人のお客様

⑧「延長保証サービス」を導入して、CVRを高める

例えば、ビックカメラやヨドバシカメラで数万円以上する家電製品を買おうとしたり、あるいはiPhoneを購入する時に「延長保証サービス」の加入をスタッフから勧められることがあると思います。

延長保証サービスとは、保証期間をメーカーが提供している期間よりも数年伸ばして保証を受けられるサービスです。以下のようにECサイトの商品ページに「延長保証サービス」を設置することができます。

◆商品ページに延長保証サービスボタンを設置

延長保証サービスを商品ページに設置

画像引用先:カドレ

とくに家電や家具などの数万円以上するような商品はWEBでの購入をためらるユーザーがいるのですが、延長保証サービスがあることで「何かあっても安心だ!」となり、CVRが高まるのです。延長保証サービスは自社ECサイトにproteger(プロテジャー)のような延長保証サービスツールを実装することができます。

このような延長保証サービスを設置することで、以下のようなメリットがあります。

◆延長保証サービスのメリット

メリット①CVRが高まる
メリット②新しい顧客接点が生まれる
メリット③新しい収益が生まれる

特に③は、ECサイトの売上の一つに「保証料金の徴収」が加わるので、年間を通じると小さくない売上の一つとなるのです。高級商材を扱っているECサイトではCVRを高める方法となるので、ツールの導入を検討してみましょう。

ECツールのまとめ

ECツールの導入のコツは、まずは最初の期間をしっかり決めてから、導入しましょう。最初に契約する期間は、三ヵ月や半年間という、ツールベンダーが用意する短めのプランで契約しましょう。

そして、何事もツール任せにしないでください。せっかく導入したツールですが、自ら主体的にツールを使っていかないと成功することはありません。例えばID決済(AmazonPayや楽天ペイ)を導入して、CVRに変化がない場合は「ツールがダメだ!」と決めつけないで、下記のように仮説を立てましょう。

EC担当者「AmazonPayがあることに気づいていない?商品詳細画面でもアピールしてみるか?」

このようにツールを入れたら、EC担当者が仮説をどんどん立て、ECツールを積極敵に活用をしましょう。

なお、EC支援サービス「ebisu growth」にて、EC事業の成功を支援いたしますので、貴社の売上を増やすためにサポートを受けたいという方は以下のEC支援サービスからぜひご検討ください。

ebisu growth「EC戦略PM支援サービス」

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