ECサイト運営者が実施する5つの「UGC施策」を徹底解説

ECサイト運営において、UGC(User Generated Content)によって売上を伸ばす施策を考えている事業者の方も多いのではないでしょうか。

UGCとは、以下のような媒体でユーザー自身がコンテンツを作り出すことです。

◆UGCの例

・SNS
・ブログ
・YouTube動画
・コメント欄
・レビュー

ECサイトにおいては、商品ページのレビューを増やすことで、「SEO」も「CVR」も改善が可能ですし、SNSで自社ブランドや商品名の投稿が増えると良質な口コミとなり、認知やCV獲得にもつながります。

この記事では、forUSERS株式会社でマーケティングを担当している筆者が、ECサイトで売上を伸ばすための5つのUGC施策について解説します。

UGCで売上を伸ばす3つの事例を紹介

まずは、実際のECサイトやInstagramのUGC事例を紹介します。

事例① 商品レビューが多いと購入しやすい(ニトリの事例)

まずは、ニトリの商品ページをご覧ください。

◆ニトリのマットレスのレビュー欄ニトリのマットレスのレビュー欄

出典(画像):ニトリネット【公式】より、筆者が商品ページを一部加工して作成

こちらは、ニトリのマットレスの商品ページですが、コメントが300件以上集まっていることが分かります。

ECサイトの平均単価は3,000円程度であることを考えると、マットレスは高額な商品と言えますし、大型家具でもあり、購入には高いハードルがあります。そこで、ユーザーの購入の助けとなるのがレビュー欄です。

レビューのコメントが300件以上もあると、その中にはユーザーの不安に対する答えや、ユーザー自身も気が付いていなかった潜在的ニーズを満たす内容を見つけることができるはずです。筆者自身もECサイトで購入する際は、必ずレビュー欄に目を通すようにしています。

つまり、良質なレビューが多ければ多いほど、ECサイトのCVR(注文率)も伸びるようになるのです。

また、ユーザーのコメント自体がSEOのコンテンツにもなります。例えば、もともと商品ページ内で対策されていなかった「キーワード」でも、レビュー欄でユーザーによるコメントが追加されると、SEOが自動で補完されるような形になるのです。

つまり、UGCによってレビューが集まることで、SEO(集客)もCVR(注文率)も改善されるようになるのです。

事例② InstagramでUGCが増える!(平田牧場の事例)

以下をご覧ください。

◆Instagramで「#平田牧場」でハッシュタグ検索した結果

#平田牧場でハッシュタグ検索

参考:Instagram

このように、ユーザー自身が写真を撮り、ハッシュタグを付けてInstagramに投稿しています。このような投稿が増えると、自然と評判が立ちます。特に、飲食やアパレルなどビジュアルの訴求力が高い分野では、Instagramのレビューが高い効果を発揮するでしょう。

以下のグラフをご覧ください。特に若い世代の情報収集においては、Googleなどのブラウザ検索だけでなくInstagramなどのSNS検索も同時に利用されています。

出典(画像):博報堂生活総合研究所「『検索離れ』は本当? データから浮かび上がる若者の意外な検索行動」(2021年10月6日掲載)

そのため、検索エンジン対策のコンテンツだけではなく、InstagramやX(Twitter)などにもコンテンツがあることで、ユーザーとのタッチポイントを増やすことができます。

UGCにおいては、このようなコンテンツは自分(企業)たちではなくユーザーが生成するので、第三者的な視点となり、企業が作るコンテンツより参考にされやすいメリットがあるのです。

特に商品を実際に試すことができないECサイトにおいては、いきなり商品を購入するのではなく、口コミやレビューをSNSで検索してから、商品を検討する方が非常に多い印象ですので、ECサイト運営者は自社コンテンツだけではなく、SNSの口コミも増やす施策を考えなくてはいけないのです。

事例③ YouTube動画で自社商品について動画を作ってもらう(水冷服の事例)

ECサイトにおいて高額商品の購入を促すためには、ユーザーに確信を持ってもらう必要があります。商品レビュー欄や、Instagramのハッシュタグ検索によってUGCが出てくることも検討材料となりますが、昨今ではYouTube動画においてもUGCが作られることがあります

YouTubeにおいて「水冷服」と検索すると、以下のようにさまざまな商品を紹介する動画が出てきます。

◆YouTubeで「水冷服」と検索した結果

YouTube「水冷服」の検索結果

参考:YouTube

中には、チャンネル登録者数10万人以上の人気インフルエンサーの動画もありました。

水冷服の価格は1~3万円であり、YouTubeでレビュー動画をみてから購入する方も多く、自社商品に対するUGCがYouTubeに投稿されていれば、競合他社よりもかなり有利な状況が作り出せます。

EC運営者がUGCを増やすための5つの施策

それでは、次にEC事業者がUGCを実際にどのように生み出すべきかを具体的に解説します。

施策① 商品購入後の自動送信メルマガで口コミ依頼のメールを送る

ECサイトで商品を購入すると、購入から1~2週間程度で、レビュー依頼のメールが送られてきたことはないでしょうか。

自動送信メールを送ることで一定数のユーザーから商品レビューが届くようになり、商品ページの口コミが強化されますので、SEOやCVRが改善することにつながります。

もし、自動送信メールを送ってもあまりレビューが集まらないようであれば、メルマガのタイトルに原因がある可能性があるので、Amazonや楽天市場、ZOZOTOWNなどの有名ECサイトのメルマガタイトルを参考にして改善してみましょう。

施策② 自社のSNSアカウントを作ってメンションされやすい状況を作る

ECサイト担当者の仕事は多岐にわたるため、なかなかSNSの運用にまで手が回らないかもしれませんが、まずはアカウントを作っておくだけでもUGCにおいて効果があります

ユーザーは、企業の公式SNSアカウントがないとメンションはできません。もし、ユーザーが商品やブランドを気に入ってInstagramで投稿をする場合は、SNSアカウントを用意しておけばUGCが生まれる(メンションされる)キッカケを作ることになるので、InstagramやXなどのSNSアカウントだけは開設しておくことが重要です。

そして、SNS運用になかなか手が回らない場合は、新製品の告知など最低限の運用だけでも実施しておきましょう。

施策③ フォロワー1万人程度のマイクロインフルエンサーにギフティングを実施する

もし、マーケティング費用をあまり確保できなくても、自社商品を提供することが可能ならば、フォロワー数が1万人程度のマイクロインフルエンサーに、商品を無償で提供する「ギフティング」を実施してみましょう。ギフティングについては下記の記事をご覧ください。

関連記事:ギフティングは商品をインフルエンサーに提供し紹介してもらうこと

ギフティングは、インフルエンサーにSNSへの投稿を強制することはできませんが、無償提供することで中には商品投稿をしてくれる方も出てきますし、それがキッカケでフォロワーの方が商品を購入し、フォロワー自身も投稿するなど、UGCをさらに生む可能性があります。

なお、ギフティングに関してはステマ規制により、無償で商品提供する際もPR表記が求められますので、その点はしっかりインフルエンサーとコミュニケーションをとっておきましょう。

施策④ バズを生み出すほどのキャンペーンを企画する

例えば、圧倒的に商品価格を値引きするなど、話題を生むようなキャンペーンを実施します。

格安航空会社(LCC)のジェットスターでは、ゴールデンウィーク後などの閑散期に大幅値引きのキャンペーンを実施しており、しばしばX(Twitter)でも話題になっています。

筆者がXで検索したところ、旅行情報を発信するアカウントにキャンペーンが紹介された投稿は100万以上のインプレッションになっているものもありました。

このように、圧倒的に安い価格でサービスを提供することで、それを専門にしているSNSアカウントで紹介され大きなプロモーション効果が見込めますし、投稿やコメントによって、さらなるUGCを生み出すことにつながるでしょう。

施策⑤ UGCを促すチラシを同梱する

商品の同梱物として、SNSへの投稿を促すチラシを1枚入れます。さらに事前にハッシュタグを用意することで、投稿したユーザーに公式アカウントで反応したりリツイート(リポスト)して、ユーザーと交流することができます。

アパレルや家具など写真映えしやすいジャンルは、おススメのUGC施策となるだけではなく、ECサイト運営者が定期的にハッシュタグ検索を実施し、商品購入者のSNSで交流することでコミュニケーションがとれることは、最高のリピーター施策ともなります。

ギフティング等で事業者が投稿を依頼する時は「PR」を表記してもらうこと

ギフティングを行ったり有償で投稿をお願いする際は、必ず以下のように、投稿の冒頭に「PR」表記を付けます。2023年10月より景品表示法が変わり、このような表記がない投稿はステマと見なされるためです。

◆SNSにおける「PR」の表記例

引用(画像):消費者庁「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針」より筆者が一部加工

もし、あなたが「このケースではPR表記はいらないのでは?」と思うグレーなケースにおいても、PR表記はつけておく方が良いでしょう。ステマ認定されるとブランド価値を大きく棄損するので、PR表記を明確にすべきです。

まとめ

UGCは最高のマーケティング施策です。なぜなら、モノやサービスを購入する際に第三者による推奨は非常に効果的だからです。EC事業者であれば、ぜひ積極的にこの施策に取り組んでいくべきです。

そして、もしUGC施策を検討している場合は、ぜひ一度、株式会社インターファクトリーのEC支援サービス「ebisu growth」にお気軽にご相談ください。

ebisu growthは、ECの売上を伸ばすための実践的なマーケティングの実施に役立つサービスです。より効果的なUGC施策の展開を可能にしますので、ぜひ下記公式ページをで詳細をご確認ください。

ebisu growth「EC戦略PM支援サービス」

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ABOUT US
井幡 貴司
forUSERS株式会社 代表。 株式会社インターファクトリーのWebマーケティングシニアアドバイザーとして、ebisumartやECマーケティングの支援、多数セミナーでの講演を行う。著作「図解 EC担当者の基礎と実務がまるごとわかる本」では、ECサイトの初心者向けに特に集客方法について解説。