【最新版】家具・インテリア業界を目指す方が知るべき市場概況

「昔から家具やインテリアが好き!インテリア業界で働いてみたい!」
「家具に興味があるけど、業界としてはどうなんだろう?」

家具が好きという方、家具・インテリア業界に興味を持っている方は、仕事先としての魅力や将来性について気になっていると思います。

家具・インテリア業界の販売総額が1990年代のピークと比べて、半分に縮小してますが、ニトリや、無印良品のように新しい仕組みやブランディングを作った企業が業界をリードしており、再び家具・インテリア業界を盛り上げております。

ですから、新卒者でも「固定観念にこだわらず新しい仕組みを作りたい」という方や、他の業界で「ノウハウや経験」のある方には、やりがいのある業界です。

本日はインターファクトリーで、シニアアドバイザーをつとめる筆者が、家具・インテリア業界について詳しく解説いたします。

2022年の家具・インテリア業界の市場規模は1.1兆円!

株式会社矢野経済研究所によると、2022年の国内の家具・インテリア業界の市場規模は約1.1兆円でした。

◆家庭用・オフィス用家具市場規模推移・予測

家庭用・オフィス用家具市場規模推移・予測

グラフ引用:株式会社矢野経済研究所 プレスリリース(2023年10月13日)「家庭用・オフィス用家具市場に関する調査を実施(2023年)

2020年は、コロナ禍による“巣ごもり”により、ユーザーの意識が「屋外」から「屋内」に向いたことで、家具やインテリアの需要が増え、ニトリやIKEAなどの大手が牽引役となって業界の市場規模を伸長させました。

下記は、生活雑貨・家具・インテリアのEC市場規模とEC化率の推移を示したグラフです。こちらには生活雑貨(家事雑貨、家事用消耗品)の数値も含まれますが、EC市場は年々右肩上がりに拡大しており、2020年のコロナ禍の特需により大きく伸長しましたが、その後も堅調な推移を見せております。

EC化率は30%を超え、物販全体の平均EC化率の9.38%を大きく上回る数字となっており、業界のEC利用率が進んでいることがわかります。

生活雑貨・家具・インテリアECの市場規模推移

生活雑貨・家具・インテリアECの市場規模推移(〜2023)

出典:経済産業省「令和5年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」より筆者作成

家具小売りの年間商品販売額の推移!平成28年は1兆円を超える!

下記のグラフは、家具の年間商品販売額の推移です。1991年をピークに綺麗な三角形を描いています。

◆家具小売業の年間商品販売額推移

引用資料:統計データ|一般社団法人 日本家具産業振興会

家具・インテリア業界は1980年〜90年のバブル期にかけては、年間商品販売額が2兆円を超えておりましたが、バブル崩壊とともに、家具・インテリアの需要は、毎年下がり、2012年には1兆円を大きく下回りました。しかし、それ以降は、ニトリ、無印良品、IKEAなどの低価格家具が定着し、2016年には再び1兆円を超えました。

一方で、高級家具メーカーとして業界最大手にあった大塚家具は大きく売上を下げ、ヤマダデンキによる吸収合併を経て、法人としては消滅するにいたりました。

今後も、日本の少子高齢化に家具・インテリアのマーケットは縮小することが確実のため、ニトリや無印良品の各社は海外のマーケットに進出をしております。

【ベスト8社】家具・インテリア業界 売上高ランキング

データ引用先:インテリア業界 売上高ランキング一覧-業界動向サーチ

◆売上高ランキングのベスト8(2022-2023年)

順位 企業名 売上高
1位 ニトリHD 9,480億(前期:8,115億)
2位 良品計画 4,961億(前期:4,536億)
3位 イケア・ジャパン 954億(前期:939億)
4位 東京インテリア家具 558億(前期:595億)
5位 ナフコ 395億(前期:414億)
6位 アクタス 197億(前期:184億)
7位 ミサワ 121億(前期:116億)
8位 カッシーナ・イクスシー 90億(前期:114億)

1位はニトリHDです。ニトリの最大の強みは、商品の企画、原材料の仕入れから、生産、プロモーション、販売、発送までを全て自社グループで行っていることです。中間の流通も自社でまかなうため、コストを圧縮することができ高い利益率を保ちながら、低価格を実現しています。

家具・インテリアの市場が縮小しているにもかかわらず、ニトリは30年以上連続で増収増益を記録しております。ニトリは従来、郊外への出店がメインでしたが、都市部には、共働き夫婦や単身世帯が多く、昨今は都市部に店舗進出をしています。

参考記事:35期連続で増収増益!ニトリホールディングスが躍進し続ける理由

2位は無印良品(良品計画)です。無印良品は国内にも海外にもファンが多く、高い人気があります。無印良品の商品デザインは、できるだけ流行や個性を伏せてシンプルなテイストで普遍的なライフスタイルを提供しており、こういったブランディングや姿勢が多くのファンを集めているのです。

無印良品にはMUJI passportというスマホアプリがあり、そのアプリを使えば、店舗に行ったり、商品を買ったり、レビューを書くことで、ポイントが溜まる仕組みで、O2Oを上手く使っています。

ランキングを見てわかる通り、ニトリ、無印良品、そして3位のイケアは前期比で増収となっていますが、4位以降の企業は減収も少なくありません。売上高を見ても、ニトリ、無印良品、イケアが3強として市場を牽引する形になっているも、市場全体の成長力としては鈍い印象です。

家具・インテリア業界の平均年収は583万円と高収入

家具・インテリア業界の平均年収は約583万円と悪くありません。サービス業は全体的に平均年収が低めなのですが、高額な印象です。ニトリなど大手が平均を釣り上げており、業界では年収は二極化していると予想されます。

参考記事:インテリア業界 平均年収ランキング

家具・インテリア業界の将来性や課題

業界売上はピークの1990年代と比べると、半分になっており、家具需要、特に家具を一式で買う需要が減ったことが大きな要因です。しかし、その中でもニトリの低価格戦略や、無印良品ブランディングやファンを作る戦略で上手くいっている企業もあれば、また、ECに特化した家具のLOWYAなどの新しい会社も誕生しております。

2016年以降、業界売上が伸びていますが、伸びている分はこういった勝ち組の企業が収益を伸ばしており、従来の家具・インテリアを販売する企業は、非常に苦しい状況であることは変わりません。

しかし、2020年からの誰も予想し得なかったコロナ禍により、家具・インテリア業界に追い風が吹きはじめました。この数年でユーザーの生活様式に対する意識が根本に近いところで変わったと言えます。

今後、家具・インテリア業界は、ECを上手くつかい、新たな需要を捉えたり、あるいは、ECと店舗の顧客データベースを一元化して顧客満足度を高めるなど、新たな施策が必要になります。

例えば、ショールームで、実際の家具のデザインを見て触って確認し、そのまま店舗で自社ECサイトで購入させる仕組みを作るやオンラインとオフラインを上手く組み合わせるなど、オンラインを上手く活かした企業が生き残るのです。

他業種からの家具・インテリア業界への転職は可能か?

店舗スタッフであれば、転職は難しくはありません。また本社業務の開発や通販事業、販売宣伝などは、家具・インテリア業界でなくても、他業種の経験があれば、優遇してくれるはずです。

特に家具・インテリア業界では、これからは通販事業(オンライン事業)部が、企業内の花形部門となってきますので、他業界で経験があれば、すごく重宝されるでしょう。

まとめ!こんな方が家具・インテリア業界に向いている!

国内では長い間、市場の縮小が続いていた家具・インテリア業界ですが、ECでの家具購入をする人が増えてきており、このような新しい購入層をいかに囲い込むかが大切になっていきます。

ですから、従来の接客ベースの仕事をやりたいという方よりも、他の業界の仕組みを家具・インテリア業界に持ち込んで、成功を収めたいという方に向いています。

新卒の方も、これから家具・インテリア業界を目指す方は、今までの販売方法にとらわれず、ECやアプリを利用した新しい仕組みを生み出したいという方に向いています。

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