BtoBでInstagramを活用する7つの企業事例と注意点

Instagramがリリースされてから13年ほどがたち、SNSの一つとして欠かせないものとなりました。
企業がInstagramの運用を開始する際、Instagramをうまく活用している企業事例を参考にしたいと考える事業者も多いのではないでしょうか。

Instagramの運用というと、BtoCによる事例が多いため「BtoBではInstagramは活用できないのではないか?」と思われるかもしれませんが、BtoBにおいても基本的な運用のコツはBtoCと同じで、しっかりと目的を持って運用すれば成果を得ることができます

実際にBtoBでInstagramを活用している企業は、アカウントの運用目的を明確にし、投稿する内容に統一性を持たせています。

今回は、インターファクトリーでマーケティング部署に所属する筆者が、企業事例をもとに、企業がInstagramを活用する上で知っておきたい注意点を解説します。

Instagramを活用している7つのBtoB企業の事例

はじめに、BtoB企業でInstagramを活用している事例を7つ紹介します。
業界問わずさまざまな活用方法があるので、参考にしてください。
(※フォロワー数は2023年6月時点の情報)

事例1.JT(日本たばこ産業株式会社)(メーカー)

「JT(日本たばこ産業株式会社)」は、たばこをはじめ、医薬品や加工食品などを製造しており、たばこ関連では世界第3位の規模を持ちます。

1.7万人のフォロワーを持つInstagram公式アカウントは、あえてたばこ関連の投稿せずに、オリジナルのハッシュタグ「かけがえのないひととき」をテーマとした温かみのある投稿や社会貢献活動の様子など、爽やかな世界観で統一されており、多くのフォロワーを獲得しております。

自社の商品やサービスに関する投稿が難しい場合でも、JTのような活用方法で自社の価値をしっかりとアピールできれば、ユーザーの共感を得ることができます。

JTアカウント

参考:JT【公式】Instagram

事例2.TOTO株式会社(メーカー)

衛生陶器をはじめとする住宅設備機器などの製造販売を行うメーカー「TOTO株式会社」が運営する「TOTO株式会社 公式アカウント」はフォロワーが6万人おり、水回りに関するお役立ち情報、キッチンやトイレのカラーコーディネートの例などを投稿しています。

水回りに関するお役立ち情報については、浴槽やトイレを丁寧に掃除するポイントを、TOTOの製品の紹介も含めて投稿しています。

また、キッチンやトイレなどのカラーコーディネートについては、テーマに合わせたカラーコーディネートだけでなく、リフォームの際にこだわった点を「住む人の声」として合わせて紹介しています。

お役立ち情報は、企業のInstagramにおいて非常に効果的なコンテンツで、TOTOは約1年でフォロワーを5万人も増やしました

TOTOアカウント

参考:TOTO株式会社 公式Instagram

事例3.伊藤忠商事株式会社(商社)

商品売買や仲介、事業投資などを行う大手総合商社の伊藤忠商事株式会社は「伊藤忠 採用公式アカウント」という、自社への就職を希望する就活生に向けたアカウントを運用しており、フォロワーは約6,000人います。

伊藤忠商事株式会社の内定者の紹介や、先輩社員の就活エピソードを投稿し、選考対策や就職活動に対するアドバイスなどを発信しています。

伊藤忠リクルートアカウント

参考:伊藤忠商事 採用公式アカウントInstagram

事例4.大建工業株式会社(建設)

エコ素材や内装建材、住宅機器などの製造販売や、住宅のリフォーム工事およびマンションリノベーションなどを行う住宅用建材の大手メーカーである大建工業株式会社は、「【公式】DAIKEN(大建工業)」のアカウントを運営しており、フォロワーが6万人います。

自社商品である建築材料を施工事例と合わせて紹介しており、新築やリフォームを考えるユーザーだけではなく、施工会社や設計会社にも利用イメージが伝わるような投稿を行っています。

大建アカウント

参考:【公式】DAIKEN(大建工業)Instagram

事例5.株式会社STACK(IT)

株式会社STACKはWebの制作や開発、SNS運用のサポート、オフィス環境を最適化するためのコンサルティングなどを行う企業です。

「株式会社STACK / web制作」のアカウントにはフォロワーが約3,000人おり、プログラミング学習におすすめの動画や、業務で使用するIT専門用語の意味など、IT業界で必要な知識を発信しています。

STACKアカウント

参考:株式会社STACKInstagram

事例6.積水化学工業株式会社(建設)

住宅、管工機材、住宅建材や建材用の化成品、高機能プラスチックなどを中心に製造する大手樹脂加工メーカー「積水化学工業 西日本設備」のアカウントでは約1,200人のフォロワーがおり、商品紹介や、施工のために現場訪問した際の様子を投稿しています。

また、多くの投稿を、デザインを統一しつつカテゴリごとに色分けすることで、見やすい投稿にしています。

積水化学アカウント

参考:積水化学工業 建築Instagram

事例7.株式会社トリプルバリュー(コンサルティング)

株式会社トリプルバリューは、「エンゲージメントカード」の提供をはじめとしたコンサルティングなどを行う企業です。

エンゲージメントカードとは、クラウドファンディングで目標額890%以上を達成し販売されたもので、自分や相手の価値観、考え方を発見し共有し合うためのカードです。
エンゲージメントカードを通じて『自分らしさ』と『チームらしさ』を発見することでき、お互いの価値観を共有することで信頼関係が築かれ、お互いを尊重しながら協働できるように設計されています。

参考:【価値観でチームビルディング】もっとワクワークする世の中を「エンゲージメントカード」のオンライン新機能追加!PR TIMES

エンゲージメントカードのInstagram投稿の中では、エンゲージメントに関する投稿から、教育者として知っておきたい情報などを発信しています。

トリプルバリューアカウント

参考:エンゲージメントカード教育Instagram

ここまで、BtoB企業のInstagram活用事例について紹介しました。
Instagramは一般のユーザーだけでなく、企業も業種問わずさまざまな内容で発信やアプローチが可能なSNSです。
自社と同じような業種で、「フォロワーが多い」「投稿内容がためになる」などがあれば、運用する際に参考にすることをおすすめします。

また、InstagramとECサイトを連携した成功事例やメリットについて、下記記事にて詳しく記載しておりますのでご覧ください。

参考:ECとInstagramの連携を3つの成功事例で解説ebisumart Media

企業がInstagramを活用する際の3つの注意点

ここからは、企業がInstagramを活用する上で注意したい点について3つ紹介します。
これからInstagramの運用を考えている事業者はぜひ参考にしてください。

注意点1.アカウントの運用目的を明確にする

まずはじめに、Instagramを「ECサイトに遷移してもらうためのアカウント」「ターゲットに役立つ情報を発信するアカウント」など、アカウントの運用目的を明確にしてから、投稿内容の世界観を統一するようにしましょう。

SMMlabが調査したInstagramを利用する「ユーザーの利用シーン」について収集したデータによると、ユーザーがInstagramで閲覧する内容として、フォローしている人の近況やトレンドだけではなく、商品やイベントの最新情報などもあります。

また、Instagramユーザーの67.4%が何らかの企業アカウントをフォローしたことがあり、企業アカウントや投稿をきっかけに、企業の商品を購入したことがあるユーザーは、全体の41.5%というデータもあるようです。

下記は、Instagramの企業公式アカウントの利用率および商品・サービス購買への影響を示したグラフです。

Instagram企業公式アカウントの利用率、購買への影響

出典:【2022年版】Instagramユーザー実態が分かる!調査データまとめSMMlab

このように、企業がInstagramを運用する際は、どのようなターゲットを集客したいのか明確にした上で、アカウントの目的を確立しましょう。

注意点2.ハッシュタグを活用する

Instagramで投稿をする際は、ユーザーが興味を持ちやすい内容にするだけでなく、「ハッシュタグ」機能も活用しましょう。

ハッシュタグとは、InstagramやTwitterなどの主要なSNSで用いられている、番号記号「#」(ハッシュ)の後ろにキーワードとなる言葉を入れたものです。

Instagramを利用するユーザーのうち、固有名詞のハッシュタグで最新情報を収集している人は47.5%、固有名詞のハッシュタグで写真や口コミを参考にしている人は46.7%と、約半数が活用しているというデータもあります。

TwitterとInstagramのハッシュタグの使い方

出典:Instagramハッシュタグ攻略法。届く!成果を出す付け方とはSMMlab

なお、ハッシュタグを利用する際、一般的には商品名や地名、趣味でつながるためのハッシュタグなどがありますが、企業ではキャンペーン限定のハッシュタグを付けているところもあるようです。

東急株式会社が運営する会員制リゾート「東急バケーションズ」の公式アカウントでは、下記を行ったユーザーに抽選で東急バケーションズペア宿泊券やオリジナルグッズが当たるキャンペーン(※)を行っています。(※2023年6月28日時点の情報)

下記2点を行ったユーザーが対象となるキャンペーンを実施
「東急バケーションズ」Instagram公式アカウントのフォロー&いいね
・夏景色を撮影した写真を「#東急バケーションズ夏フォトコン2023」のハッシュタグを付けてInstagramに投稿
東急バケーションズキャンペーン

参考:東急バケーションズInstagram

このように、企業がハッシュタグを活用する際は、トレンドを押さえたものだけでなく、自社のサービス名や商品名、上記のようなキャンペーン限定のハッシュタグなどをつけることでユーザーに活用してもらい、ターゲットと接点を持つことができるようにしましょう。

参考:【2022年最新】Instagramのハッシュタグ選定で必要な考え方と活用事例We Love Social

また、Instagramで利用するハッシュタグ以外の機能については、下記の記事でも紹介しているので参考にしてください。

参考:古着ECサイトで効果的な集客を行う3つのポイントを解説!Commerce Marketing Blog

注意点3.投稿頻度にもこだわる

Instagramを運用する際、投稿する内容にこだわるようにしましょう。
常に新鮮なコンテンツが投稿されていることで高評価につながり、ユーザーのおすすめに掲載されやすくなるからです。

Instagramに投稿する頻度は、下記サイトによると、投稿内容のクオリティを落とさず、週2~3回以上投稿することが理想のようです。

Instagramの特長として、写真や動画などを活用できる点が挙げられます。しかし、ただ写真や動画を投稿した場合、何を紹介したいのか分かりにくいだけではなく、BtoBの企業アカウントの場合、一般のユーザーは商品や製品を知らないことが多いため、アカウントから離脱しやすくなります。

そして、Instagramは最初にユーザーとの接点となる1枚目の画像が重要になるため、商品や企業の良さが伝わるような写真や動画を1枚目に投稿するようにしましょう。

参考:企業のInstagram運用の基本!成果に繋がるフィード投稿のポイントを解説MASAI

まとめ

ここまで、Instagramの活用事例と注意点について解説しました。

企業がInstagramを活用する際は、すでに多くのフォロワーを獲得している一般のユーザーに埋もれないよう、アカウントの運用目的を明確にするようにしましょう。
事例7選で挙げたように投稿内容を統一し、自社の強みをよりアピールできる内容で活用することをおすすめします。

また、Instagramを含めたSNSは、発信し続けることでターゲットの目に留まりやすくなるため、投稿頻度にもこだわり、より多くのターゲットと接点を持てるように運用しましょう。

InstagramなどのSNSと連携してECサイトの運用を考えている方は、カスタマイズ可能な弊社のebisumartをご利用ください。
また、弊社では、EC支援サービス「ebisu growth」にて、EC事業の成功を支援いたしますので、ぜひご検討ください。

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ABOUT US
首藤 沙央里
2019年9月、株式会社インターファクトリーに入社。 マーケティングチームにてオウンドメディア運用を担当し、年間40本以上の記事を掲載。 社内広報、採用広報に加え、EC業界やクラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」についての情報発信も行う。