「ECサイトのオウンドメディア化ってどうやってやるのだろうか?」
「ECサイトのメディアで成功している企業はどこかな?」
と調べている方は、自社ECサイトでオウンドメディアの立ち上げを模索しているのではないでしょうか?どんな企業であっても、ECサイトをオウンドメディア化する理由は集客です。なぜならECサイトとは何もしなければ「今すぐ客」しか訪れません。
※今すぐ客とは、検索エンジンのキーワードで言えば、会社名やブランド名などの指名検索キーワードが該当します。
しかし、「お悩み客」や「まだまだ客」にオウンドメディアでリーチすることができれば、多くのターゲットユーザーが訪れるようになるからです。
本日はインターファクトリーでシニアアドバイザーを担当している筆者がECサイトでオウンドメディアを立ち上げる目的と、そしてオウンドメディアを立ち上げる具体的な方法まで解説します。
ほとんどの企業が「今すぐ客」だけを集客している現状とは?
ブランド力がある大手は、Googleの指名検索(ブランド名や商品名)で、多くの流入を自社ECサイトに呼び込むことができます。しかし、ブランド力が弱い中小企業ではそうはいきません。ブランドや商品を知られておらず、大手企業のように商品名やブランド名などの指名検索による流入は期待できません。
ですから、ECサイトのオウンドメディア化により、多くのターゲットユーザーを自社サイトに呼び込む施策が必要になるのです。そしてメディア化においては、顧客の見込み度によって、下記の3つのセグメンテーションを頭に入れておきましょう。
◆顧客セグメンテーション
各セグメンテーションの例
①まだまだ客(商品は必要ではないが、需要があるユーザー)
頭の中==>ランニングを始めたいけど、膝を痛めたくない
検索エンジンのキーワード==>「スニーカー 膝 負担」②お悩み客(どの商品を購入して良いかわからないユーザー)
頭の中==>Nikeやニューバランス、adidasなど、どのスニーカーがいいのか?
検索エンジンのキーワード==>「スニーカー おススメ」③今すぐ客(購入直前のユーザー)
頭の中==>Nikeのエアマックス90を買いたい!
検索エンジンのキーワード==>「エアマックス90」
ECサイトを持ち、リスティング広告やショッピング広告を行うことは、ここで言う「③今すぐ客」に集中したプロモーションです。しかし、今すぐ客ばかりを狙うのは3つのデメリットがあります。
今すぐ客のデメリット①リスティング広告などのコストが高い
「今すぐ客」だけを狙ったマーケティングは広告コストが高くつきます。なぜなら今すぐ客とは、リスティング広告で言えば「指名検索」やキーワードの中でも購入見込が極めて高いキーワードのことです。こういったキーワードには出稿する企業が殺到するため、広告コストが高くつきます。
今すぐ客のデメリット②獲得効率が悪い
出稿する企業が多いということは、競合企業が1つのキーワードに殺到している状況です。そうなると、リスティング広告はオークション制であるため、入札金額が高くなり、獲得効率が極めて悪くなります。1クリック500円ということも珍しくはありません。
この傾向は、この2~3年でより顕著になり、そこまで単価が高くなかったBtoB向けの企業のキーワード単価も昨今はずいぶん高くなり、競合が殺到し獲得効率がずいぶんと悪くなっています。
今すぐ客のデメリット③ユーザーのボリュームが少ない
下記の図をご覧ください。
「今すぐ客」は、セグメントで言えばボリュームが一番少ない層です。ですからここだけを、多くの企業が奪い合いをしているのが現状であり、もっと大きなボリュームの「お悩み客」や「まだまだ客」をターゲットしている企業は少なく(そのことに気づいている企業も少ないでしょう)、「今すぐ客」だけを対象とした極めて効率の悪いマーケティングをほとんどの企業が着手しているのです。
ECをメディア化する目的はボリュームゾーンの「お悩み客」と「まだまだ客」を獲得すること
つまり、ECのメディア化のターゲットは以下のように、「お悩み客」と「まだまだ客」にリーチすることなのです。下記図のとおり、「お悩み客」と「まだまだ客」は「今すぐ客」よりボリュームがはるかに多いのです。
なぜなら、ECサイトのメディア化でつくるべきコンテンツとは「お悩みキーワード」や「まだまだキーワード」であり、こういったキーワードのブログ記事を作ることで、爆発的な集客が可能になるのです。
具体的な例をあげましょう。
「まだまだ客」「お悩み客」を獲得するECサイトのオウンドメディアの成功事例
コンテンツマーケティングで一番有名なブログコンサルティング会社のバズ部のECサイトの事例ですが、下記のリンクはオウンドメディア化に成功したEC事業者です。
バズ部事例 / 月間140万PV・月間販売800件超!自社メディアで圧倒的な成果を出すECサイトのコンテンツマーケティング
この企業のECサイトは「ストレッチポール」というトレーニング器具を販売しています。
このブログコンテンツは「体幹トレーニング」というキーワードで検索すると高いSEO順位を維持しております。体幹トレーニングというキーワードは月間平均検索数が「10万」近くのビックワードです。
つまり、「体幹トレーニング」と検索したユーザーは「ストレッチポール」のターゲット層です。
◆事例の補足説明「今すぐ客」と「まだまだ客」
キーワード「ストレッチポール」は 今すぐ客
キーワード「体幹トレーニング」は まだまだ客
これらのユーザーに、「無料の体幹トレーニング方法」と「ツールを使ったトレーニング方法」を紹介することで、ユーザー満足度の高いコンテンツを作ることができ、「体幹トレーニング」というキーワードでSEOで上位を獲得することができたのです。
このオウンドメディアは、他にも多数の「お悩み客」や「まだまだ客」が検索するキーワードでSEO上位を獲得しており、月間800件の注文を、このメディアから獲得しております。
このように、ECサイトをオウンドメディア化することで「まだまだ客」や「お悩み客」を狙うことで、競合他社が力を入れていないキーワードで効率よくCVを獲得することができるのです。
効率の悪いオウンドメディアの考え方(キュレーションメディア等)
キュレーションサイトのように、ビジュアルの大きい写真を配置して、500~1000文字程度の記事をライターに依頼して、月間に30記事以上を配信するオウンドメディア集客方法がありますが、これらの方法はおススメしません。2つの意味で効率が悪いからです。
効率が悪い理由①SEOで上位表示が難しい
現在、あらゆるキーワードでSEO上位にきているコンテンツはブログでの課題解決型のコンテンツです。つまりユーザーは、何か悩んでいたり、知りたいことがあって、Google検索を行っており、それに120%応えられるコンテンツだけが、SEOで上位に位置することができます。
そうなると文字数は必然的に3000文字以上のコンテンツになるため、500~1000文字程度ではSEO上位になることはできません。※文字数でSEOが決まるのではなく、ユーザーの課題を解決できるかどうかです。そのためには1000文字程度の文字数では解決にいたらないからです。
せっかくコンテンツを作ってもほとんど見られないという状況になります。
ブログマーケティングを開始してもアクセス数が集まらないブログを数多くコンサルティングしてきましたが、ほとんどの会社が、「記事更新していれば、いつかアクセスが集まる!」と勘違いしており、それを読むユーザーのことを考えておらず、Google対策ばかりしているからこのような狭い考えに執着してしまいがちです。
何か悩みがあり、検索してきたユーザーと真摯に向かい合えば、コンテンツは3000~1万文字に必ず達します。
効率が悪い理由②CVしない
ライターが書いた500~1000文字程度の記事を読んだユーザーが、それをみてECサイトで商品を購入しようと思わないことです。ユーザーの態度変容を促すなら、その程度の文字数では不可能です。
また、ライターと言えば、専門職のような印象を受けますが、世の中の9割以上のライターは「主婦」や「アルバイト」であり、文章が上手いわけではありません。ライターに依頼したテキスト文で、CVがとれるのであれば、あらゆる企業が、ECサイトの文言をライターに依頼するはずですが、そうはなっていません。
また、本の書き方とブログの書き方は根本が異なります。ブログのようなWEB媒体のライティングのコツは、「結論」を最初に設置することです。なぜなら、本は自分でお金をはらったので、結論がある最後まで読ませる力がありますが、WEBは無料のため、本より最後まで読ませる力が弱いのです。
だから、「あなたが求めている結論はこのブログにあるよ!」と示すために、冒頭に結論が必要になるのです。これをライターは理解しておらず、ただ単に文字を埋めているだけです。そのようなコンテンツは人の心を動かすことはありません。
効率が悪い理由③サイト全体のSEOに悪影響を及ぼす
2022年8月にGoogleは、「ヘルプフルコンテンツアップデート」を発表しました。以下は、そのGoogleのヘルプフルコンテンツアップデートの内容を引用したものです。
有用でないコンテンツ自体だけでなく、そうしたコンテンツを比較的多く含むと判断されたサイトにあるコンテンツも、表示すべきコンテンツがウェブの他の場所にあると考えられ、検索での掲載順位が下がります。
つまり、キュレーションメディアによって、内容の薄い記事がサイト内にあるとGoogleが判断した場合、Googleはサイト全体のSEO評価を落とすこともあるのです。
このような理由からも、キュレーションメディアで使われる内容の薄い記事はおススメできないのです。
ECサイトでオウンドメディアを立ち上げる3つの方法!まずはプラットフォームのブログ機能を確認しよう!
ECサイトで、オウンドメディアを作るためには、まず、ECシステムの機能を確認します。ECサイトでのオウンドメディアの立ち上げ方は、下記の3つの方法があります。
①ECシステムに最初から実装されている「ブログ機能」を利用する方法でオウンドメディアを立ち上げる
◆メリット
(1)すぐにオウンドメディアを立ち上げられる
(2)ECサイトと同じURLのためSEOの上りが早い
(3)管理画面が慣れていて、使いやすい
◆デメリット
(1)WordPressのようにSEO内部施策が最適化されていない
(2)WordPressのようにプラグインがないため、機能に制限がある
ほぼ全てのECシステムには「ブログ機能」あるいは「フリーページ」というものが用意されており、それを利用して、オウンドメディアを立ち上げます。この方法の最大のメリットは、ECシステムに最初からある機能を使うために、すぐにオウンドメディアを立ち上げて、記事作成ができることです。
しかし、デメリットはWordPressではないため、SEO内部施策が最適化されてないことです。
内部施策の最適化とは、WordPressであれば「パンくずリスト」があったり、あるいは「カテゴリー」の設置の柔軟性など、GoogleがブログプラットフォームとしてWordPressを評価するほど、SEOの内部施策が整っています。
オウンドメディアを立ち上げ場合は、極力WordPressで立ち上げるべきです。なぜならオウンドメディアで成功している企業の9割以上はWordPressを使っている実績があるためです。
②WordPressを使って、ECサイトとは別ドメインでオウンドメディアを立ち上げる
SEOの最適化を求めるなら、WordPressを使わない手はありません。またWordPressには世界中の開発者が、無料でプラグインを提供しており、やりたいことがプラグインを導入するだけで、誰でもすぐにやりたいことを実現することができる大きなメリットがあります。
しかし、WordPressをECサイトと別のURLで立ち上げるデメリットは、Googleがそのオウンドメディアを認識するには時間がかかるため、SEOの上位表示に時間がかかってしまいます。
③【おススメ!】リバースプロキシを使って、WordPressのオウンドメディアをECサイト配下に見せる方法
実は、WordPressと既存ECサイトを同じドメインで併用できる方法があります。それがリバースプロキシというサーバーの設定を行うことです。
この設定を行えば、サーバーが別々でも、ユーザーからは同じドメイン、同じURLに見えます。この方法でもSEOに悪影響は全くないことは、私自身が立ち上げた、ebisumart mediaというオウンドメディアで確認できております。
このオウンドメディアはクラウドECプラットフォームの「ebisumart」にリバースプロキシを使って、WordPressを使っておりますが、EC関連のSEOで上位を独占しているメディアです。
ですから、この方式がオウンドメディアを立ち上げる際に最もSEOに強い方式になります。この方式を行うには、カスタマイズ可能である必要があるため「ECパッケージ」や「カスタマイズ可能なクラウドEC」で行うことになりますが、最近はASP‐ECシステムでも、このサービスオプションをつけている企業も多いので、自社で使っているECシステムを確認してみましょう。
弊社のebisumartでは、リバーシプロキシでWordPressを立てるオプションがありますので、気になる方は問い合わせしてみてください。
アクセス数を集めるブログライティングとは?
実はこの記事も「EC メディア」というキーワードでSEOの上位表示を狙って書いてます。そして私は、ebisumart mediaで下記のキーワードでSEO上位表示を実現し続けている実績があります。
EC業界 1位
ECサイトSaaS 1位
ECサイト 作り方 1位
EC制作 1位
自社ECサイト 1位
食品EC 1位※2024年4月30日現在
これらはほんの一例で、多くのEC関連のキーワードで上位を独占しております。この結果を実現する具体的なライティング方法は、下記の記事に詳しく書いてありますので、これからライティングをする人は読んでみてください。
ECでのオウンドメディアのまとめ
インターネットの前の時代。ユーザーは自ら情報を探す術をほとんど持っておらず、雑誌やテレビなどの広告が全てでした。しかし、現在はユーザー自身が情報を検索できる時代です。このような時代に広告の力は弱まってきており、企業は、ユーザーが検索する情報を発信しないと、あなたの会社の商品は、なかなか発見されません。
ですから、「まだまだ客」と「お悩み客」の人が発見できるように、コンテンツをしっかり作ってください。
自社ECのコンサルティングサービスなら「ebisu growth」
もし、ECサイトでの売上拡大にお困りでしたら、株式会社インターファクトリーのEC支援サービス「ebisu growth」までお問い合わせください。経験が長いコンサルタントが貴社ECサイトを成功に導きます。
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