「商品のレビューで良い口コミをたくさん集めたい!」
「良いレビューが集まらないから、自分たちでコメントを作っていいのかな?」
など、商品ページにあるレビュー対策を行おうと考えているのではないのでしょうか?もし、商品ページに良質なコメントを増やすことができれば、CVR(コンバージョンレート)、つまりECサイトの売上を高めるレビュー対策を行うことができます。
なぜなら、商品を購入しようとしているユーザーは、ユーザー1人ひとりが、商品に対して気にするポイントが異なります。しかし、良い口コミを100件も集めることができれば、どんなユーザーにも自分とピッタリと口コミを見つけることができるので、CVRを向上させることができるのです。
ただし、PR文言をつけるなどの対応も必要ですので、ステマ規制に対応したPR文言をこの記事であわせて紹介いたします。
本日はECサイトのレビュー対策について、インターファクトリーでシニアアドバイザーを担当している筆者が、具体的に解説いたします。
ECサイトのレビュー・コメントを良質なコメントで埋める3つの方法
まず、レビュー対策の下記の3つの方法を紹介いたします。
◆ECで良質な口コミを集めるための3つの方法
①思わず口コミをしたくなるような良質な商品を企画する
②ユーザーにレビュー依頼メールを自動送付する
③口コミ文のサンプル文章を用意する
①思わず口コミをしたくなるような良質な商品を企画する
まず、大前提ですが、商品が良くないと、どんなレビュー対策を行っても、良質なコメントは集まりません。逆に商品が良くないのに、次に解説する②と③の対策を、行うと炎上してしまう危険もあります。
例えば、財布のECサイトで、商品の財布の見た目はオシャレですが、すぐに皮が痛んだり、破損してしまう商品を販売している場合、レビュー欄には悪い口コミで満たされてしまいます。レビュー欄を承認制にすれば、良い口コミだけを掲載できますが、そもそも悪い商品では良い口コミは集まりません。
まずは、口コミをしたくなるような、優れた商品を企画することの方が、レビュー対策を行うより優先度が高いのです。優れた商品を作るには、単にデザインだけではなく、ユーザー目線での商品企画が必要になります。ユーザーにアンケートをとったり、実際のユーザーに会って話を聞いて商品の改善や企画を行ってください。
商品企画のコツは、だれも気が付いていない面倒なことに気が付くことです。日常生活を送っている時に「よく考えたら、これは面倒だな」ということが存在します。
例えばホテルに泊まったときに、部屋の電気を真っ暗にするのに、ホテルによってはスイッチを何カ所も押す必要があります。その時に「なんで一か所押せば、全てが消えるようならないのか?」ということに気が付くことです。多くの人はこの面倒なことに気が付いていません。
このように、ユーザーすら気が付いていない「不便」「面倒」といったことに気が付くことが商品開発のヒントとなるでしょう。
②ユーザーにレビュー依頼メールを自動送付する
誰にも負けない良い商品やサービスを作ったとしても、それだけでは多くの口コミを集めることはできません。なぜならレビューを書くのはユーザーにとっても、とても面倒な作業だからです。
私も先日、沖縄旅行の時にシュノーケリングツアーを申し込んで、その時のスタッフにものすごく手厚い対応をされたことがありましたが、後日、「お礼にレビューを書こう!」と思いましたが、そのまま日にちが経ってしまいました。
もし、レビュー依頼メールが自動で届いたり、後日DMでレビュー依頼のQRコードなどあれば、口コミを書くモチベーションが高まり、スタッフが素晴らしい対応をしてくれたことをレビューに書いたと思います。
つまり、この例からもわかるとおり優れた商品やサービスだけでは、良質なレビューをたくさん集めることはできません。ユーザーにレビューを書いてもらいやすくするように、以下のような対策が必要となります。
◆レビュー依頼
・商品購入者に対して自動送付メールの送付
・商品購入者に対してレビュー依頼のQRコードのDM送付
しかし、後述しますが、レビュー依頼によって書かれた口コミはインセンティブが無くとも、PR表記が必要となりますので、この点は特に留意してください。
③口コミ文のサンプル文章を用意する
良い商品を企画・開発し、インセンティブを設けても、まだレビュー対策としては不十分です。①と②だけを行ってもレビューは増えますが、良質なレビューはあまり増えません。下記の例をご覧ください。
◆参考にならないレビューや口コミの例
商品購入者Aさん「良い商品でした!すごく気に入っています。」
商品購入者Bさん「よかったです!またお願いします」
商品購入者Cさん「すごく丁寧でした。ありがとうございます。」
上記例文の口コミやレビューはポジティブですし、丁寧です。しかし、これらのレビューが、商品購入を真剣に考えている人の参考になることはありません。なぜなら、商品のことが結局はわからないからです。
商品を求める人が望む口コミやレビューとは下記のような文章です。
◆ユーザーが購入したくなるレビューの例
商品購入者Dさん「私はシュノーケリングが大好きで、たくさん行きますが、以前持っていた海パンですが、金属製のファスナーが錆びてしまい、ファスナーの上げ下げができなくなりましたが、この商品は、ファスナー部分が固いプラスチックでできており、錆びることがありませんので、大変気に入ってます。」
商品購入者Eさん「私は身長が166センチで、体重が80キロの太り気味の体形ですが、このポロシャツはゆとりがありながら、着てみるとスリムに見えて非常に満足しております。また洗濯しても、さほど縮まず、太っている私でも、スリムに見えて嬉しいです。」
商品購入者Fさん「手の小さい私でも、このスマホは片手で操作しやすくて携帯しやすいです。以前のスマホは大画面だったのですが、落としてしまい画面にヒビが入ってしまいました。また最初からインストールされているアプリが少ないためか、利用できるメモリの容量も大きく大満足です。」
このような口コミやレビュー文は、商品を検討している人のためになります。なぜなら「誰が、何に、どう役立った」かが明確だからです。そのためにはサンプル文章があると良いでしょう。全員ではありませが、サンプル文章があることで良質な口コミが増える可能性があるからです。
このような、長く書かれた口コミを1つの商品につき100件以上集めることができれば、どんな人にもぴったりの口コミが必ず見つかり、CVRも劇的に変わります。
ただし、②のレビュー依頼を送付したり、③のサンプル文章を用意することは、PR表記などがなければ、ステマ規制に引っかかってしまいます。次の章で解説します。
2023年10月1日より「ステマ規制」が施行
2023年10月1日よりステマ規制が施行されました。
例えば、自社ECサイトの口コミであってもなんらかの形で、口コミ掲載をユーザーに依頼した場合、PR表記が必須となります。しかもただ、表記するだけではなく以下のような条件をEC事業者は守る必要があります。
◆自社サイトの口コミへのPR表記のルール(ユーザーに口コミ掲載依頼をした場合)
・ページの冒頭で設置すること
・文字を小さくしたり、目立たないようにするのはNG
・タグの複数表記で他のタグに埋め込むようなことはNG
・投稿者との関係性を明示すること
つまり、以下のような表記が口コミページの冒頭部分に必要となります。
PR:このレビューは、弊社からの依頼を受けてお客様によって書かれました。ただし、内容はお客様の率直な声としてそのまま掲載しています。
もし、インセンティブでクーポンやポイントをつけて口コミをユーザーに依頼した場合は、以下のような文言となります。
PR:このレビューは、弊社からの報酬やインセンティブを受け取ったお客様によって書かれました。しかし、内容はお客様の正直な意見として掲載しています。
このようなPR文言をページ上部の、ユーザーが認識しやすい場所に設置しなくてはなりません。これを行わないと、ステマ規制の対象となります。
ただし、レビュー依頼をしておらず、ユーザーが自身の意思により投稿した場合は、このようなPR文言は不要ですが、一応以下のような文言はあった方が良いでしょう。
このレビューは、お客様からの実際の声をそのまま採用しておりますが、著しく不適切な内容を含むものは、弊社の判断で取り下げております。
レビューの中には、第三者を誹謗中傷したり、あるいは商品と全く関係のないことを書き込む人がいますので、そのような人の口コミは掲載しないという文言です。
レビュー対策で自作自演をしても、ユーザーには「バレて」しまうから、絶対にやめよう!
レビュー欄に、企業が自分達で用意したコメントを書いて、いわゆる「自作自演」を行うことを考えてはいませんか?絶対にやめましょう。それは善悪というモラル上の観点からだけではなく、EC運営者としてリスクがある行為であり、自作自演がバレてしまえば、今の時代、炎上騒ぎになるからです。
また、「このことは俺以外知らないから、バレようがない!」と思っているEC担当者の方もいると思いますが、そのような自分たちで用意した口コミは、ユーザー目線ではないため、心に響くこともなくCVRに結びつきません。コメント欄を読むユーザーは一人の人間であって、そういったコメントは見抜かれ、サイトを離脱してしまうことになるからです。
素晴らしい口コミを集めて成功しているD2Cの革バックメーカー
筆者のクライアントにD2Cで良質な口コミを集めて成功している企業が1社あります。本日紹介したような施策も行わず、単に、素晴らしい良質な革製品のバックづくりを研究し、販売することで、自然と口コミが集まり、商品が飛ぶように売れました。
また、Googleショッピング広告を行うことで、口コミの露出が高まり、さらに商品が売れて、口コミが集まるというサイクルを実現しております。つまり、良い商品を企画することが最高の口コミ施策であり、それだけでもレビューを集めることにつながるのです。
ですから、口コミやレビューを集める場合は、まずは商品企画からしっかり実施しましょう!
EC担当者にとってSEO対策より、レビュー対策の方が優先度が高い!
ECで売上を伸ばす、成果を出すということは、非常に難しいことです。ECで売上の伸ばすための施策で有名なのがSEO対策です。どの事業者もHTMLの構文や、重複コンテンツを避けたりと、SEO内部施策に力を入れてますが、残念ですが、競合他社もSEO内部施策を行っており、意味がありません。
また、現在のSEOは、コンテンツマーケティングであり、ブログ形式でコンテンツを増やしていかないと、SEO対策でなかなか検索上位にたどりつきません。そしてこのブログ記事の更新をするのはかなり大変で、体制が整っている企業でないと難しいでしょう。
それよりも、すぐにできる施策として、レビュー対策を行うべきです。SEOのようにユーザーへのリーチを広げる施策ではありませんが、CVRは確実に高まります。そして、レビュー対策を行うには、商品が良いモノでなくてはいけません。
まずは自社商品の強みや特徴を、ユーザー目線から分析することから始めましょう。そして必ずユーザーにアンケートやヒアリングを実施して、商品がユーザーに受け入れられるものなのか?見つめなおしてみましょう。
まとめ
ECサイトにおいては、レビュー対策は非常に重要です。レビューや口コミを増やすことができれば、必ず売上につながります。
弊社では、EC支援サービス「ebisu growth」にて、EC事業の成功を支援いたしますので、初回購入の秘訣について知りたいという方もぜひご検討ください。