ECサイト内検索を実装して売上を上げる5つの事例

自社ECサイトの商品点数が多い場合、ユーザーが目的の商品を見つけられずに離脱してしまうケースがあります。その対策として、カスタマイズされたECサイト内検索機能が必要となります。

サイトの規模やターゲットに合わせて検索機能のカスタマイズを行うことで、そのECサイトの売上は大きく変わってきます。その証拠に総合ECサイトのTOPページで、サイト内検索の利用率を調べると、相当高いことがわかります。

本日は、forUSERS株式会社でマーケティングを担当している筆者が、ECサイト内検索の機能を、具体的な事例をもとに解説いたします。

サイト内検索の5つの大手企業事例

それでは、サイト内検索を上手くカスタマイズしている5つの事例を紹介します。いずれも大手ECサイトの事例です。

事例①入力履歴をサイト内検索に表示させる

以下のZOZOTOWNの検索機能をご覧ください。

ZOZOTOWNの検索履歴

参考:ファッション通販ZOZOTOWN

ZOZOTOWNでは、検索履歴にマウスカーソルを置く(スマホの場合はタップする)と、過去の入力履歴が出てきます。ログインしていなくても表示されるので、新規ユーザーにも効果的です。

一度サイトに訪れているユーザーが過去の検索履歴を見ることができるため、気になっている商品にスムーズにアクセスさせるには最適です。また、数回目の訪問で、前回の訪問を思い出して購入するというユーザー行動も期待できます

ZOZOTOWNの場合、フルスクラッチECサイトであるため、カスタマイズの範囲は広いです。検索履歴も以下の2つに分けられており、非常に効果的です。

・入力履歴
・検索履歴

入力履歴とは、入力したが検索はされなかった履歴になります。ZOZOTOWNがここまでサイト内検索に力を入れているのも、売上に相当影響を与えるからだと、筆者は考えます。

事例②検索をサポートする検索補助機能

以下のモノタロウの検索機能をご覧ください。

モノタロウの検索補助機能

参考:モノタロウ

検索補助機能は、Googleの検索エンジンでも利用されている「サジェスト機能」と同じものであり、検索回数が多いキーワードは、一緒に検索されるキーワードをデータとして蓄積して表示します。

このような機能は、頭の中に具体的な商品のイメージはあるものの、検索すべきキーワードが分からないユーザーには、非常に助かる機能です。この機能があれば、商品名や商品のサブカテゴリ(ここでは「掃除機 コードレス」など)が分からなくても商品を見つけやすく、非常に有効となります。

この機能は、有料のサイト内検索ツールであればまず実装されている、代表的な機能と言えます。

事例③他のカテゴリも「まとめて検索」で同時に検索結果として表示する

以下のヨドバシカメラの検索機能をご覧ください。

ヨドバシカメラのまとめて検索

参考:ヨドバシ.com – ヨドバシカメラの公式通販サイト

美顔器を検索したユーザーに対して、

・美顔ローラー
・脱毛器

など、興味がありそうなカテゴリも同時に表示させています。美顔器と、美顔ローラー、脱毛器を同時に検索結果に表示することで、気になる商品を閲覧する可能性を高めます。

美顔器にしか興味がないユーザーは、「まとめて検索」をクリックしないので、幅広いニーズに対応できる検索機能と言えます。商品ラインナップが豊富なヨドバシカメラならではの施策と言えるでしょう。

事例④検索機能の「おすすめ」を入れる

以下のビックカメラの検索機能をご覧ください。


このように、通常の検索補助機能だけでなく、「おすすめ特集ページ」を表示させます。例えば、このなかの「一人暮らし向け洗濯機のおすすめ特集」をクリックすると、以下のようなページがでてきます。

参考:ビックカメラ.com

このようなページがあれば、商品を選ぶ軸をもっていない「一人暮らし」をするユーザーには、非常に親切であり、選ぶポイントが分かります。そのため通常の商品ページよりもCVRの向上が見込めます

この機能も、有料のサイト内検索ツールには、よく実装されている機能です。しかし、注意点は、ビックカメラのようにユーザーのお悩みを解決するページを用意している必要があります。単におすすめの商品を並べただけのページに誘導しても、思うような効果が出ないはずです。

このような施策を実施する場合は、絞られたターゲット向けの特設ページを作るべきでしょう。

事例⑤詳細検索機能

以下のモノタロウの検索機能をご覧ください。

モノタロウの詳細検索ボタン

この「詳細」ボタンをクリックすると、下記のような詳細検索画面が出てきます。

モノタロウの詳細検索機能の画面

この機能は、「ブランドは○○」、「予算は3,000円以内」など、すでにある程度の購入条件が決まっている場合に便利な機能です。どちらかと言えば、新規ユーザーよりも、このサイトで買い物することに慣れているリピーター向けの機能とも言えます。

無料で利用できるサイト内検索ツールは、広告も表示される

無料版で最も有名なサイト内検索ツールは「Googleカスタム検索エンジン」ですが、検索結果にGoogleの広告やロゴが表示されるデメリットがあるため、企業にとっては導入しづらいツールと言えます。かつては、広告が表示されない有料版がありましたが、今は無料版のみの提供となっています。

そのため、自社ECのサイト内検索では有料ツールを使うのが一般的になっております。

サイト内検索ツールを導入する4つの方法

ECサイト内検索ツールを導入する場合は以下の4つの方法があります。

◆サイト内検索ツールを導入する4つの方法

①ECシステムに標準で実装されているものを使う
②Googleの無料版を使う
③有料のサイト内検索ツールを導入する
④自社でスクラッチ開発

サイト内検索ツールで売上を上げることを目的とする場合は、③か④の方法が有力となります。しかし、自社内で開発するという場合は、体制が必要であるため、まずは③の有料ツール導入を検討してみるべきでしょう。

ちなみに③の有料のサイト内検索ツールには以下のようなものがあります。

◆有料のサイト内検索ツール

・「EXPLOSION SEARCH
・「NaviPlusサーチ
・「probo EC(プロボ イーシー)
・「ポップリンク
・「ポップファインド
・「sui-sei
・「PicInSite

サイト内検索ツールが頻繁に利用されると、ECサイトの動きが遅くなることもある

サイト内検索ツールというと、その検索結果や機能ばかりに注目が集まりますが、実は、サーバの負荷も非常に重要なポイントとなります。例えば、アクセス数が多いECサイトの場合、多数のユーザーがサイト検索機能を利用すると、サーバのリソースを占有してしまいます

そこで、大規模ECサイトでは、サイト内検索機能のリソースをECサイトとは別のサーバを利用して確保する方法が推奨されます。サイト内検索を設置する際は、この点も議論しておかなくてはなりません。

注意点!検索結果がGoogleの検索エンジンにインデックスされないように設定しよう

サイト内検索で、SEOの観点から注意しないといけないことがあります。それはサイト内検索で検索すると表示される検索結果をGoogleの検索エンジンに登録しないよう”noindex”にしておくことです。

実は、Googleの検索エンジンは、サイト内検索の結果画面を「サイト内の1ページ」と認識してしまうのです。そうなると、サイト内に「低品質コンテンツ」が多いと見なされたり、あるいは他のSEOキーワードと重複コンテンツとみなされて、SEO上大きなマイナスとなります。

そのため、サイト内検索の検索結果は、noindexにするのがサイト運営の基本となっているのです。

まとめ

以上に解説したとおり、「サイト内検索」と言っても、ECサイトによってさまざまな機能が実装されております。

サイトの規模やターゲットに合わせたカスタマイズを行って、いかにユーザーの顕在的あるいは潜在的なニーズに合致した検索結果を出せるかによって、売上に与える影響が大きく変わってきますので、導入の際にはしっかりと仕様を検討することが重要になってきます。

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ABOUT US
井幡 貴司
forUSERS株式会社 代表。 株式会社インターファクトリーのWebマーケティングシニアアドバイザーとして、ebisumartやECマーケティングの支援、多数セミナーでの講演を行う。著作「図解 EC担当者の基礎と実務がまるごとわかる本」では、ECサイトの初心者向けに特に集客方法について解説。