近年ユーザーが増加しているSNSの一つに、「TikTok(ティックトック)」が挙げられます。
TikTokを活用して企業PRや商品の認知度、売上を上げたいと考えたときに、どのように活用すべきか分からない事業者も多いのではないでしょうか?
TikTokは、ByteDance株式会社が運営する、BGM付き動画の作成や投稿が可能なプラットフォームで、2016年のリリース以降、TikTokの利用者は年々増加しています。
2024年2月時点での月間利用者数は全世界で16億7,700万人、国内月間利用者数も約2,800万人で、後に解説しますが、若年層の利用が圧倒的に多いSNSです。
また、ユーザーはTikTokに投稿されるコンテンツを娯楽としてだけではなく、情報収集の場としても使っているため、下記で紹介する事例のように情報発信していくことが重要です。
今回は、インターファクトリーでマーケティング部署に所属する筆者が、TikTokを企業が活用する上で押さえておきたいポイントや注意点について、活用事例をもとに解説します。
企業がTikTokを活用した成功事例
企業がTikTokを活用する場合、作成する動画の内容にこだわることで、よりユーザーに閲覧してもらいやすくなります。ただし、TikTokはコンテンツが豊富にあるため、ただ投稿すればよいというわけではありません。
ここからは、企業がTikTokを活用したコンテンツの系統について、活用事例をもとに紹介します。
活用事例1.作業風景の発信
コンテンツの一つとして、作業風景を発信する投稿が挙げられます。これは、仕事をしている様子を動画に収め、商品やサービスが出来上がるまでの過程を発信するというものです。
まだ材料の状態から、完成して商品になるまでを動画にしている様子は、ユーザーの興味をそそるのではないでしょうか。
下記は、PAPABUBBLE(パパブブレ)というキャンディーショップのアカウントです。
PAPABUBBLEはバルセロナ発祥のアートキャンディショップで、バルセロナの路地裏で創業以来、世界一おもしろいお菓子屋さんとして、世界30都市で展開しているスイーツブランドです。
PAPABUBBLEのTikTokアカウントでは、飴づくりの様子を動画にして発信しており、下記の投稿では約30万いいね(※2022年5月時点)になっています。動画では、飴の材料を混ぜる様子から、素早く均等に切っているシーンなど、職人ならではの技を見ることができます。
このように、普段見ることのできない企業の裏側を見せることは、企業のブランディングとして非常に有効です。
参考:papabubble(TikTok)
また、ユーザーから届いた質問に回答するなどのコミュニケーションを取ることで、ユーザーとの距離が近くなり、フォローしてもらいやすくなります。
下記は、斬新なアイデアでレシピを紹介をしている「Taste made japan(テイストメイドジャパン)」の動画です。「Tastemade」はロサンゼルス発のライフスタイルデジタルメディアです。
TikTokだけではなくYouTube、Instagramなどさまざまなプラットフォームで動画を配信しており、Tastemade Japanの国内SNSフォロワーは800万人まで拡大しています。
「Tastemade japan」のTikTokアカウントでは、ユーザーからの質問やリクエストに応えた動画を作成することで、ユーザーとコミュニケーションを取りながら、多くのリアクションやフォロワーを獲得しています。
ユーザーにとっては、新しいレシピを知ることができるだけではなく、リクエストに反応してもらえるため、繰り返しユーザーがアカウントに訪れるという好循環ができています。
活用事例2.あるある系の発信
2つ目は、業界ごとの「あるある」や、その企業ならではの「あるある」などを紹介している投稿です。
特に、1990年後半から2000年代に生まれたユーザーは、就職先の情報収集としてTikTokを参考にしており、23卒の学生の場合、TikTokで企業の動画を見たことがある学生のうち66.2%が「TikTokで見た企業にエントリーした」というデータもあります。
そのため、企業が動画を作成する際は、「あるある」や自社の特長がより分かるような内容で作成することで、新卒入社の社員が入社後の社内の雰囲気をイメージできるようにしましょう。
参考:Z世代の就活生の80.2%が、「TikTok」がきっかけで企業に興味を持った経験あり そのうち66.2%は、実際にエントリーも(PR TIMES)
下記は「株式会社ポニーキャニオン」のアカウントです。
ポニーキャニオンは大手映像・音楽ソフトメーカーで、映像や音楽に関するものから、ゲームソフトの企画、制作、販売など、エンターテインメントやイベント事業を行っています。
ポニーキャニオンのTikTokアカウントでは、エンターテインメント業界のあるあるや、株式会社ポニーキャニオン社内でのあるあるなどを多く発信しています。
参考:ポニーキャニオン公式(TikTok)
過去に投稿した「エンタメ会社あるある」の動画を見たユーザーは、「エンタメ業界に興味があるからこういうのを発信してくれてありがたい」「この動画や1つ前(に投稿された)の動画を見ているとポニーキャニオンで働きたくなってくる」といったコメントが寄せられています。
活用事例3.ノウハウ系の発信
3つ目は、情報提供の場として、役立つ情報をTikTok上で発信している投稿です。
日本テレビで平日夜に報道している番組「news zero(ニュース ゼロ)」の公式アカウントでは、ニュース内で放送した内容だけではなく、取り上げたニュースの詳しい解説や、いざという時に役立つ情報を発信しています。
「地震が起きた時の対処法 #お風呂編」の投稿では、お風呂に入っている最中に地震が起きてしまった場合の、身の守り方や場面別での対処法などを紹介しています。
この動画の投稿日から一週間後に国内で大きな地震が発生したことから、タイムリーな情報として約35万いいねがあった(※2022年5月時点)他、ユーザーからのコメントでは、「今日の地震が来たときに、この動画を思い出して対応できた」「ずっと気になっていた内容だったので知れて良かった」など、役立ったというリアクションが多くありました。
活用事例4.アイテム紹介の発信
4つ目は、自社で取り扱っている商品を紹介する投稿です。メディアで商品を紹介することは、どの企業においても王道のプロモーション施策ですが、活用すべきメディアには相性があります。
TikTokの場合は、利用者の年齢層やビジュアル重視といったメディアの性質の面から、アパレル業界や美容業界が好相性と言えるでしょう。
トレンドに敏感な10代〜30代前半の若者に人気のブランド「GU」では、商品を使ったコーディネートをメインに投稿を発信しています。実際に商品を着用して紹介するのが、芸能人やインフルエンサーではなく店舗スタッフがメインとなるため、リアルな着用イメージがつかみやすく、親近感も湧きやすいためファンの育成にもつながっています。
参考:【公式】GU (ジーユー)(TikTok)
このように、アパレルブランドがTikTokでコーディネートの投稿を行うことは、いわゆる“鉄板”のマーケティング施策です。また、美容業界であれば、コスメアイテムを実際に使用している投稿が効果的です。
ここまで、TikTokを活用したコンテンツの系統について、企業の事例を用いて解説しました。
上記のように、企業が動画を作成する際は、会社自体や製品・サービスなど、認知度を上げたい内容を明確にしつつ、上記の4つのコンテンツも活用しながら発信していきましょう。
企業がTikTokを活用するための5つのポイント
ここからは、企業がTikTokを活用するための5つのポイントについて解説します。
企業でTikTokアカウントの運用を検討している方は参考にしてください。
ポイント1.若年層向けのコンテンツを発信する
冒頭でお伝えした通り、TikTokは年々利用者が増えており、国内の年代別利用者は下記表のように、10代が47.9%、20代が20.4%と、圧倒的に若年層の利用率が高いことが分かります。
そのため、若年層をターゲットとしている企業や商品は、集客や売上の向上につなげるためにも、TikTokの活用を行った方が良いでしょう。
また、TikTokでは、ユーザーごとにレコメンドされる「おすすめ」や、現在の流行を知ることができる「トレンド」という機能があります。
トレンドは、人気のハッシュタグや、動画の加工機能である「エフェクト」のおすすめなどがまとめて紹介され、関連するコンテンツごとに検索できます。
ユーザーはトレンドを利用し、タイムリーで流行している音源やダンス、ハッシュタグなどを見られる他、自分の興味があるジャンルの動画を絞り込むことができます。
そのため、企業がTikTokを活用する際は、ユーザーに利用してもらえるような内容のハッシュタグなどを設定し、ターゲットに興味を持ってもらえるような発信をしましょう。
ポイント2.アカウントのキャラクターを明確にする
TikTokに限らず他のSNSにも通ずることですが、アカウントを運用する前に、「どのような内容を発信するアカウントなのか」を明確にしましょう。アカウントの詳細が不明確だと、流行に合わせた動画を投稿してもユーザーが「また見たい」となりにくいからです。
例えば、TikTokアカウントのプロフィール欄に、属している業界や業務内容、どのような内容を発信するアカウントなのか記載があると、ユーザーが投稿内容を閲覧する際にイメージしやすいでしょう。
また、TikTokはYouTubeなどの動画アプリと比べて再生時間が短いため、短時間でユーザーに興味を持ってもらう必要があります。
流行に合わせてやみくもにアカウントを運用するのではなく、事前にどのようなアカウントにするのか明確にし、自社のターゲットが興味を持ちそうな内容で投稿しましょう。
ポイント3.TikTok独自のKPIを理解する
TikTokは、誰でも手軽に撮影、編集を行った動画を投稿できる他、ユーザーは流行の音楽やダンス、商品などを比較的短時間で閲覧可能なため、飽きずに見られる点が特長です。
誰でも手軽に投稿できることはメリットではありますが、投稿後のKPIを明確に設定しておくことが重要です。
TikTokの「おすすめ」には、ユーザーの興味に合わせた動画が表示されます。
KPIが定まらないまま投稿をしても、おすすめに取り上げられにくいだけではなく、一般ユーザーの投稿に埋もれてしまい、ユーザーの目に留まる機会が減る可能性があります。
TikTokによると、おすすめに取り上げられやすい動画は下記とされています。
・ユーザーインタラクション:動画の「いいね」や「シェア」、アカウントのフォロー、コメント投稿、作成したコンテンツなど
・動画の情報:サウンド、ハッシュタグなど ・デバイスとアカウントの設定:言語や国の設定、デバイスの種類など(重要度は低い) |
また、TikTokのアカウントを運営する際は、
・動画再生数:投稿した動画がどのくらい再生されたか
・「いいね」数、コメント数:投稿を見たユーザーが「いいね」やコメントをした数、コメントの内容 ・URLクリック数:TikTokから企業のURLへ遷移した数 |
上記のような数値を参考に、「企業の売上高を拡大したいのか」「企業の認知度を向上したいのか」などのKPIを明確に設定するようにしましょう。
ポイント4.広告運用が必要かどうか検討する
商品や企業認知度の向上には、TikTokの広告利用もおすすめです。
TikTokの広告には、起動時に表示される広告や、通常投稿の間に表示される広告など、いくつか種類があります。
起動時に表示される広告は、多くのユーザーの目に留まるというメリットがある分、他の企業との争奪戦になるだけではなく、コストがかかります。
また、通常投稿の間に表示される広告は、先ほどご紹介した「おすすめ」機能内に配信できるため、感度の高いユーザーに見てもらう機会は多いものの、告知内容に興味のないユーザーには次の動画に移動されてしまう可能性があります。
広告ごとの特長を踏まえた上で、自社のPRに広告が必要なのか、必要であればどのようにPRしていくかを決めましょう。
ポイント5.炎上リスクがあることを理解しておく
TikTokは流行の波が激しく、投稿した動画が人気になると同時に、他のアカウントとの差別化を図り、過度な内容を投稿してしまうと、炎上のリスクも高くなります。
また、企業がSNSで炎上をしてしまうと、企業自体のイメージ低下にもつながる可能性があります。
企業イメージを低下させないためにも、「事実確認やプライバシーなどを配慮した内容であるか」「万人が閲覧した際に不快に感じる投稿内容ではないか」を複数人で確認することや、炎上してしまった場合にはどのようなフローで対応するか事前に決めた上で運用することをおすすめします。
まとめ
ここまで、TikTokのポイントや注意点を事例と合わせて解説しました。
なんとなく流行に合わせてTikTokへ動画を投稿するのではなく、TikTokを通じてどのようなゴールを目指すのかを明確にした上で運用しましょう。
そして、TikTokは流行の波が激しいため、運用する際は常に流行のアンテナを張り、ターゲットが興味を引くような動画を発信することをおすすめします。
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