コールマン ジャパンがECサイトで実現する最高の顧客体験

自社商品をECサイト上で販売するとき、商品情報を適切にお客様へ伝えることに課題をお持ちの事業者様は多いのではないでしょうか。

実店舗とは異なり実際の商品を手にすることができない分、重さやサイズ感、使用方法などをより明確にお客様に伝えることが、ECサイトを運営する上で非常に重要なポイントとなります。

時には説明文だけではなく、実際に使用している画像や動画、ユーザーの口コミを活用しながら、最上級の顧客体験を追求しつづける。―キャンプ業界の大手ブランド「Coleman」を取り扱うコールマン ジャパン株式会社の皆さまに、自社ECサイトで工夫する顧客体験についてお話を聞きました。
※インタビューは新型コロナウイルス感染防止対策として、マスク着用、換気といった感染予防対策を徹底した上で実施、写真撮影時のみマスクを外しています。

 

<対談プロフィール>
コールマン ジャパン株式会社(現在:ニューウェルブランズ・ジャパン合同会社)

営業部 DTC本部
マネージャー 川村 智宏 様
DTC本部
Web/E-コマース マネージャー 間宮 由香 様

株式会社インターファクトリー
取締役CMO 三石 祐輔(インタビュアー)

 

本国アメリカで創業120周年。日本のキャンプ需要をけん引する大手キャンプ用品メーカー、コールマン ジャパン

 コールマン ジャパン株式会社 間宮様(以下、間宮様):
コールマンはテントをはじめとするキャンプ用品の製造と販売を行っています。本社はアメリカにあるため、アメリカ本国からキャンプ用品やバッグ、アウターなどのファッション用品を輸入して販売を行う他、日本国内でも企画販売を行っています。

 

コールマン ジャパン株式会社 川村様(以下、川村様):
ご想像の通り、アメリカやヨーロッパ、オーストラリア、そして日本など世界各国では気候や文化が全く異なるため、それぞれの国や地域に合ったキャンプ用品を販売することが求められます。

例えば、広大な土地で自宅に大きなガレージを備える家庭が多いアメリカと比べると、日本のアウトドアにおけるアクティビティ文化にも違いがあるため、その地域に合った製品開発が行われています。

特に日本の気候は四季がはっきりとした高温多湿の特徴を持っており、夏や冬によって求められる商品が違うということからも、単純に商品をローカライズするだけでは難しいところがあり、日本のマーケット需要をしっかりと吸収しながら、オリジナル製品を開発しています。日本の雨の激しさや湿気といった気候に十分対応できるようなテントや、日本人の体型に合わせた寝袋(シュラフ)などが例に挙げられます。

▲コールマン ジャパン株式会社 営業部DTC本部マネージャー 川村 智宏 様

 

―近年、第3次キャンプブームと言われ、さまざまなキャンプの形が注目されています。お客様が求める製品に変化はありますでしょうか。

間宮様:
以前よりキャンプに精通されている方は、さらに深堀りをしてキャンプ用品をコレクションし、道を極められている一方で、最近ではキャンプへのエントリー層が非常に増えていると実感しています。

特に性別でみると、これまでキャンプユーザーの大半を占めていた男性だけでなく、ポップなテントや手が込んだ料理と一緒におしゃれな写真を撮る「女子キャンプ」の流行によって、女性ユーザーも増えてきました。

また、小さなお子さんがいる20~30代のご家族が子どもと楽しめるアクティビティとして、ご自宅のお庭で過ごす「お家キャンプ」や日帰りで気軽に過ごす「デイキャンプ」が増え、幅広い世代においてキャンプへの裾野が広がっているように感じます。

 

川村様:
これまで「キャンプ」と聞くと、GWや夏休みの連続休暇を使って遠方のキャンプ場に行くというイメージが強かったのではないでしょうか。当社の売上においても、以前はGWと夏休み前に大きく突出した売上ボリュームがあり、この2つのシーズンにおいて、いかに売上を最大化できるかということに注力していました。

夏のファミリーキャンプがメインだったものが、「女子キャンプ」や「お家キャンプ」、秋冬にたき火を見ながら静かな時間を過ごす「ソロキャンプ」など、お客様のニーズもさまざまな形となり、需要が多様化しているため、全体の売上ボリュームの底上げに併せて、シーズンオフのボリュームも明らかに大きくなっているように感じています。

 

間宮様:
ここで重要なことは、初めてキャンプを体験するお客様がキャンプ用品を使用するときに最高の体験ができるかどうか、だと考えています。

これまでのキャンプ用品のイメージは、機材の運搬が非常に重労働だったり、設営が難しかったり、女性や一人でキャンプを行うには少し難しいイメージもありましたが、最近では女性や一人でもワンタッチで設営が可能なテントや、機材を持ち運びやすくするためのアウトドアワゴンなどが登場し、大変人気をいただいています。

今後は、バーベキューやたき火で使用する燃焼機器など、特殊なものを初めて使用するときに、「全然使えなかった。」という声を解決していくべく、お客様に分かりやすいご説明を提供していく必要があります。

▲コールマン ジャパン株式会社 DTC本部Web/E-コマースマネージャー 間宮 由香 様

 

細かなチャネル戦略に新たに加わる、自社ECサイトの存在

―自社ECサイトの役割と実店舗でのお客様サービスとの違いについて教えてください。

川村様:
会社として商品別に細かくチャネル戦略を実施しています。
例えばお取引先様を含む実店舗においても、キャンプギア専門店にはキャンプに精通されているお客様に向けたこだわりの商品を、ホームセンターのような誰でも気軽に入店できる店舗にはエントリー層のお客様に向けた基礎的な商品を取りそろえております。

また、コールマンが認定するフラッグシップショップではマスターシリーズと呼ばれる、通常商品よりもさらに機能性が高く、快適に4シーズンを過ごしていただけるようなテントや寝袋を取り扱っており、こちらはECモールや量販店では販売しておりません。フラッグシップショップにて専門スタッフより機能詳細をご説明しながら、お客様にご購入いただくという戦略をとっています。

その中で、ECサイトではそれらの垣根を取り払い、すべての商品をお取り扱いしているという点は大きなアドバンテージになっていると思います。

 

間宮様:
また、1つの商品を長くご使用いただきたいという思いから、当社の製品は手を加えれば一生ものとしてご利用いただけるアイテムを数多くラインナップしています。

ECサイトでは、パーツやメンテナンス工具、長持ちするためのテント補修用品などを取りそろえ、お客様がご自身で取り換えられるものは購入いただいたアイテムから検索して部品を調べることができます。

さらに、商品のお手入れに慣れていない方へもアプローチできるよう、メンテナンスガイドブックなどを公開している他、ご自身での修理が難しい場合は、カスタマーサポートで対応しており、ECサイトで安心してご購入いただける体制をとっております。

 

―自社ECサイトに来ていただく「お客様=コールマンのファン」に向けた充実のサポート体制ですね。そんなファンを増やすためにメールマガジン(以下、メルマガ)にも注力されているとお聞きしましたが、メルマガの配信内容、頻度などで工夫していることがあれば教えて下さい。

間宮様:
当社ではメルマガがお客様の日常の一部となることが大切だと考えており、できるだけ決まった曜日や時間に配信するということを心掛けています。

メルマガをあまり頻度多く配信をするとお客様にとってノイズになってしまいますし、送る日や時間をバラバラにしてしまうとお客様の日常ルーティーンと合わないのではと検討した結果から、現在の方法でメルマガを配信しています。

分析ツールを活用し、お客様のECサイトご訪問が多い時間帯を分析し配信しています。配信内容については、新商品情報やセール情報などさまざまですが、メルマガを登録いただくお客様は商品情報を求めていらっしゃるため、できるだけ分かりやすく商品の入荷情報などを配信しています。

▲サイトへのコンバージョン(CV)が高いメルマガは貴重な自社コンテンツの一つ。
ECサイトのバナーに掲載し、メルマガ登録を呼びかける

 

川村様:
極端に言うと、キャンプはテントと寝袋、ライトがあれば、何とか1日を過ごすことができると思います。そこから快適さや楽しみを求めていくにつれて、さまざまなアイテムをそろえていったり、自分好みにアイテムをカスタマイズしたりと、だんだん深みにはまっていくところがキャンプの魅力です。
メルマガではそういったキャンプの奥深さをしっかりとお伝えすることができればと考えております。

 

―ECサイトでお客様が買い物をする上で、満足度を高めるために意識していることは何でしょうか。

間宮様:
ECサイトを運営する担当者は商品の品ぞろえと、安定した在庫共有、そしてお客様の目線に立った正確な情報をお伝えすることを日々意識しております。

特に正しい情報を配信することに関しては公式サイトとして当然のことだと思いますが、サイズや重さ、使用方法を正確に伝えるために、テキストだけではなく、画像や動画を活用してお伝えしています。

初めてキャンプ用品を購入されるお客様は、一般的なテントのサイズ感や重さをご存知でない方も多いと思います。購入してから実際に使用するまでの顧客体験において、満足してもらうための情報を提供できるように心掛けています。

▲「商品は届いたが、車に入らない…」
「購入したのはいいものの、設営方法が分からない…」
という状況にならないよう、
画像や動画、説明書を公開することによって、分かりやすく商品情報を伝える

 

川村様:
やはり公式サイトであるからこそ、お客様の期待値はとても高いものであります。そのご期待に対して、できる限りそれぞれにカスタマイズした形できちんとお応えができるように、お客様の質問の意図をきちんと読み込んだ対応ができるような努力をケアしています。

 

間宮様:
また最近ではお客様ご自身で投稿していただく口コミにも注力をしています。お客様が購入する時の意思決定の一つとして、メーカーの情報だけではなく、透明性の高い、お客様からの口コミが非常に重要です。

さまざまな立場のお客様に投稿いただいた商品の使い勝手や組み立て・片付けの手軽さ、大きさについて、評価の内容すべてをサイト内に掲載し、お客様がご自身に合った商品を購入いただけるようなサイト設計を意識しています。

▲透明性の高いユーザー口コミも貴重な商品情報の一つ。
サイトのトップページにはランキング下にコンテンツを設け、口コミ投稿からも商品を検索できる仕組みが施されている

 

お客様に向けたマーケティング戦略に注力するため、新たなECシステムを選ぶ条件とは

―自社ECサイトをリニューアルしたきっかけについてお聞かせください。

間宮様:
キャンプ需要が増え、当社のEC事業をさらに拡大させていく方針となり、お客様がECサイトにご来店されたときの満足度を上げ、システムが古く煩雑となっていた業務効率を向上させるため、リニューアルを決めました。

システム選定時では、ASPサービスをはじめさまざまなECシステムを比較検討し、当社のビジネス要件を満たすECシステムを比較検討しました。

当社はキャンプ用品を販売するブランドであるので、システムメンテナンスや機能アップデートに関してはある程度システム会社にお任せした上で、キャンプ用品を購入しに来られるお客様に向けた業務に注力していきたいという思いがありました。

その中で、クラウド上で機能がアップデートされる点と数多くの導入実績があるebisumartを選定いたしました。

 

―ebisumartをご導入いただいて、一番効果の高かった機能は何でしょうか。

間宮様:
数値的に特に効果が見られたのは「再入荷お知らせ機能」です。
ebisumartでは標準機能で用意されていたので、リニューアル当初から使用していますが、再入荷の登録者の人数やそこからのCV率などが分かり、非常に高い効果が出ています。

また、その他にもいろいろな標準機能を使って売上増加の効果が出ていますが、特に社内からの評価が高かったのは、内部のオペレーション業務についての改善です。

 

川村様:
これまでは少数精鋭の中、受注から出荷までの数多くのオペレーションを手作業で実施していることがありました。そのため、当社の基幹システムとebisumartの連携によって社内の業務効率が劇的に改善され、他の部署からも作業効率が上がった、との声が挙がっています。

 

―ファッションアイテムなども含めると膨大な商品点数となりますが、シリーズや写真の表示方法の他に工夫があればお聞かせください。

間宮様:
細かな工夫としてはECサイトで最初にお客様がご訪問されるであろうトップページに、ランキングカテゴリーを季節に合わせて変更したり、「NEW ITEM」としてユーザーニーズが高いアイテムに更新するなどをしています。

キャンプシーズンが長くなったために、メインバナーやPICKUP記事も季節を感じられるデザインにしており、例えば秋冬シーズンでは、たき火の魅力や寝袋の機能性を伝えることで、温かさを感じられるコンテンツをご用意しています。

 

川村様:
ECサイトではすべての商品をお取り扱いしている分、お客様が求めているアイテムを的確にご提案することは当社にとって今後も追求すべき課題だと思っています。

実店舗に行き、目の前に広がる店頭ディスプレイを見た時に感じる「キャンプに行きたい!」というお客様のワクワク感は実店舗が織りなす最大の強みであり、ECサイトとの大きな差異だと思います。

このワクワク感を、ECサイトをご利用いただくお客様にも感じていただけるように、先ほど申し上げたような画像や動画を活用して、うまく表現することができればと思っています。

 

実店舗とECサイト、変わらない最高の顧客体験を提供していく

 

間宮様:
売上増加という面でECサイトの成長はもちろん目指していますが、やはり自社ECサイトを運営する目的でもある価値提供という点は、さらに追求すべきところだと考えています。そのためには、ECシステム上で操作ができるところだけではなく、出荷や梱包作業といった、お客様の手に届くまでのすべてが自社ECサイトで購入した価値として提供していくべきだと考えています。

また、今後は実店舗との連携を強化していき、ECサイトでも実店舗と同じ顧客体験をしていただきたいと考えています。キャンプ用品はサイズや使用方法もさまざまであるので、自宅まで届けてくれるECサイトでのメリットに、使用感や商品別の特徴を教えてくれる店舗のメリットが加われば、より良い顧客体験をしていただけると思います。

両者の価値を提供しながら、お客様とのコミュニケーションが強固となるようなCRMを目指していきたいと考えています。

コールマン ジャパン様
お忙しい中 ありがとうございました。
(取材日:2021年10月)

PROFILE
会社名:コールマン ジャパン株式会社
本社:東京都港区

SITE PROFILE
サイト名:コールマン(Coleman)公式オンラインショップ
https://ec.coleman.co.jp/
キャンプ、アウトドアアイテムのコールマン ジャパン株式会社様が運営する「コールマン(Coleman)公式オンラインショップ」です。アウトドア生活をより快適に楽しめる製品を数多く取りそろえており、オンライン・直営店限定品はもちろん、愛用品を長く使えるようアフターパーツの販売もされております。当サイトでは基幹システムとの連携と、購入品に応じたポイント付与などのカスタマイズを行いました。

 

「ebisumart」について
提供会社:株式会社インターファクトリー
https://www.ebisumart.com

「ebisumart」はECパッケージとASPの両システムのメリットを兼ね備えており、常に最新・最適化されたクラウドコマースプラットフォームです。
サイトリニューアルやオムニチャネル、BtoB-ECなど、業界業種問わず累計700サイト以上の構築実績があり、お客様のニーズを迅速に反映しながら、EC事業の成長をお手伝いさせていただきます。

ABOUTこの記事をかいた人

2011年9月、株式会社インターファクトリーに入社。 「ebisumart」の広報・マーケティングとアライアンス推進業務を担当。 2013年1月、株式会社インターファクトリー取締役に就任。 現在は事業推進チーム・ヒューマンリソースチーム・ブランドコミュニケーションチームを統括。