プリント加工をより身近なものに。ebisumartで行った業務工数の削減とサービスとは

BtoB-EC市場が注目される中、多くの業務を電話やFAXなどアナログな作業のみで行っている企業も少なくありません。今回は、プリンタブルウェアの卸売メーカーであるトムス株式会社様にプリント加工商品のBtoB-ECサイトを「ebisumart」でオープンして実現されたサービスと、長い歴史をもつ産業を守るため、業務とサービスのIT化についてお話をお伺いしました。

<対談者プロフィール>
トムス株式会社
オペレーションセンター
センター長 田中 俊弘 様

サプライチェーン事業部
デジタルマーケティング担当
安藤 鉄兵 様

 

株式会社インターファクトリー
取締役CMO 三石 祐輔(インタビュアー)

 

◆(会社概要)イベントの景品や販促ユニフォームを販売する中間業者様に販売するウェアアイテムの製造とプリント加工を行う卸売メーカー

トムス株式会社 田中様(以下、田中様):トムス株式会社は、Tシャツやポロシャツ、バッグなど、無地のウェアアイテムの製造とプリント加工までを一貫して行う「プリンタブルウェア」の卸売メーカーです。

海外で製造し、国内の倉庫で在庫を抱えることで、お客様が必要なときに必要な数だけ注文ができ、在庫リスクを減らすことができます。

 

主な販売先は、イベントの景品や販促ユニフォーム、飲食店、介護施設などのスタッフ向けサービスユニフォーム、コンサートグッズ、プロスポーツのファンが着るウェアなどを販売される中間業者様です。Tシャツを切り口にプリントを変えることで様々な業種、業界へ販売をしております。

▲トムス株式会社
オペレーションセンター センター長 田中 俊弘 様

 

株式会社インターファクトリー 三石(以下、三石):
今回のECサイト立ち上げの背景とはどういったものでしょうか?

田中様:弊社では、無地で販売する商品をサプライチェーン事業、プリント加工をする商品をプロダクト事業と分けて事業体を進めておりますが、プリント加工注文の分かりにくさを解消し、お客様にとってプリント加工をより身近なものにしたいと考え、今回プリント加工商品のBtoB-ECサイトを立ち上げました。

 

◆(ebisumartを選んだ理由)クラウドによる最新性や、APIによる連携とカスタマイズ性が、今後実現したいサービスにつながると考えた―クラウドECシステムへの決め手

トムス株式会社 安藤様(以下、安藤様):ebisumartは、クラウドで陳腐化せずに新機能の恩恵が受けられる点と、オープンなAPI設計で今回のサイトに必要な外部サービスとスムーズに連携できる点、そしてカスタマイズ性の3つが最大の魅力でした。

弊社では今後お客様や市場ごとに、さまざまなWEBサービスをスピーディーに展開していく可能性があったので、これらの要件はとても重要でした。

また、以前からお客様にご利用いただいている無地商品の販売サイトのリニューアルも考えているため、そちらの実現も可能であることや、将来的に全てのサービスを1つのサイトに統合できる点も選定の理由です。

最後の決め手は、営業の方のご対応でした。
最終決断の段階で営業の方にいくつかご質問をさせていただいた際、弊社視点で分かりやすくご説明いただき、とても安心感がありました。

▲トムス株式会社
サプライチェーン事業部 デジタルマーケティング担当
安藤 鉄兵 様

 

お客様にとってプリント加工をより身近なものにしたい―ECサイトオープンで実現した機能

田中様:プリントするデザインのシミュレーションシステムと、プリント現場のオペレーションシステムをebisumartに連携しました。
グラフィックに強いシミュレータシステムを使うことで、お客様がプリントしたい絵の位置やデザインがイメージ画像を確認しながら注文でき、お客様の注文時の手間を軽減できました。

また、注文後のデータをプリント加工するインクジェットプリンター用の生産管理システムにつなぎ、今まで紙でやりとりしていた仕様書がなくても、自動でプリンターにグラフィックデータが取り込まれ、プリント工場のスタッフは生地をセットするだけでプリント加工ができるようになり、業務効率化にもつながっています。

▲トムスECサイト「TOMS MARKING」より引用
デザインイメージと加工内容を確認しながら注文ができる

 

◆(導入メリット)ECサイトオープン後、業務工数が半減し、お客様の注文の手間も軽減できた―サイトオープン後の変化

田中様:プリント加工の事業は、今まで一切IT要素がない業務をしていました。

新規のオーダーに関しては、お客様にカタログで商品を選んでいただき、デザインやプリントの色などを基本的に対面で行い、補助的に電話やメール、FAXを使って決定し、工場に仕様書を送るというやりとりを、20年以上前からやり続けていました。

全てがアナログなため、可視化されず、どの工場に何がどれだけオーダーが入っているか分からない状況がかなりの数ありましたが、ebisumart導入後は、1件あたりざっと100ある工程のうち、半分ほどの業務工数が削減できました。以前は紙ベースでの作業だったので、ペーパーレス化にもつながりましたね。お客様からも注文時に仕上がりのイメージや、価格がすぐに確認でき、注文時のスピードが上がったというお声をいただいております。

ただ、現在は社内外でその利便性を浸透させていく必要があると考えています。
アナログだったことで、お客様にとっても、営業担当者にとっても融通が利いていた点もあったため、今回のECサイトがどんなお客様になら合うのか、どう説明したら使ってもらえるのかを伝えきれていない状況です。

今回のBtoB-ECサイトでは、今までアナログで行ってきた業務を置き換えることよりも、プリント加工して購入するサービスが、より身近で簡単、そして安心して弊社にご注文いただけることを一番のコンセプトにおきました。
業務効率化だけではなく、今後もいろいろな機能を追加し、リニューアルを重ねることで「こんなに簡単にできるならやってみよう」とお客様から言っていただけることにフォーカスしていきたいです。

 

三石:BtoBによく聞く話ですが、一見合理的に見えても、今まで当たり前に回ってきたビジネスとオペレーションを変化させなければならないのは、運用する側にとってストレスになります。
お二人が業務のIT化を推進していらっしゃる経緯についてお聞かせください。

 

田中様:業務のIT化の推進は経営企画室の者も参加しておりますが、今回のBtoB-ECサイトはプリント加工のサイトなので、プリント加工現場の工場長をしている私がプロジェクトのマネージャーとなり進めてまいりました。

 

安藤様:サービスのIT化としては、2年前にリリースしたブランドサイトがあります。ブランドサイトは冊子のカタログをWEBに置き換えることと、弊社のお客様はBtoBですが、その先にいらっしゃる、実際に商品を使用されるお客様にも、スピーディーに最新情報をお届けするため、カタログよりも情報量が多く、スマホにも対応しているサイトを作りました。

今まで対顧客向けのクローズドサイトしかなかったので、商品在庫がBtoBのお客様にしか分かりませんでしたが、その先にいるお客様まで商品在庫の把握ができることで、在庫確認の手間がなくなり、弊社のお客様の業務スピードが上がりました。結果として、ブランドサイトの訪問者数も上がり、広告を打たずに新規の問い合わせが倍以上来ましたし、実際の売上にもつながりました。

 

IT化を一つのツールとして業務効率化を進め、プリント加工の産業を守っていきたい

安藤様:今までは非常にアナログな会社で、無地商品の販売がEC化されている程度でした。しかし、弊社には様々な業種や業界のお客様がいらっしゃいますので、そのお客様ごとにITを通して最適なサービスを実現していければと考えています。

▲国内最大規模のプリント加工設備にて加工を行っている

▲プリント加工されたTシャツのサンプル

 

田中様:IT化はツールの一つとして考えています。

IT化することで本質的にビジネス自体や、アナログな文化を変え、結果的に会社全体が成長することを目指しています。そのために導入のスピードは大事だと思っているので、できるものからスポットでリリースし、気がつけば枠組みが形成されているような進め方でビジネス自体を変えていきたいです。

プリント工場やお客様もアナログな方が多い業界のため、そういった方々へもツールをご提供させていただき、新たな販売方法として市場を広げることで、次世代のインフラを構築し、プリント工場の産業自体も守っていきたいと考えています。


トムス株式会社様、
お忙しい中 ありがとうございました。
(取材月:2020年2月)

PROFILE
会社名:トムス株式会社
本社:東京都渋谷区

SITE PROFILE
※法人会員向けサイトのため、サイトは非公開です。
トムス株式会社様が運営する「TOMS MARKING」
飲食店や介護施設などのサービスユニフォームやコンサートグッズを扱う法人のお客様向けにオリジナルプリント加工商品の販売を行っています。
今回導入したサービスは、ウェアイテムにプリント加工をした場合の仕上がりイメージを確認しながら、データ入稿とプリント加工依頼ができる仕組みを実現しています。

ABOUTこの記事をかいた人

三石 祐輔(インタビュアー)

2011年9月、株式会社インターファクトリーに入社。 「ebisumart」の広報・マーケティングとアライアンス推進業務を担当。 2013年1月、株式会社インターファクトリー取締役に就任。 現在は事業推進チーム・ヒューマンリソースチーム・ブランドコミュニケーションチーム・製品企画チーム・カスタマーサクセスチームを統括。