2023年10月31日(火)、株式会社インターファクトリーは、社内研修「ikunari(イクナリ)」にてEC業界における最新動向についてikunari共有会を開催しました。
はじめに
ikunari(※1)とは自発的な人材育成を目的に、全社員を対象とした社内研修制度です。社員自らの学びたいという思いを基に、一人一人がより活躍できる環境を作るため、ikunari共有会やLT大会(※2)を実施しています。
(※1)
ikunariとは「育つ」「成る」という自発的な成長をイメージしたインターファクトリー独自の造語です。(※2)
LT大会:Lightning Talks(ライトニングトーク)の略称で短い時間でのプレゼンテーションを指します。
ikunari共有会について
ikunari共有会は社員の「学びたい」という声や「発表したい」という声を参考に、会社の状況に合わせてHR(ヒューマンリソース)チームが中心となり企画しています。
全社員をターゲットにしているものから、若手社員や職種に絞った共有会など、テーマに合わせて企画・運用を行っています。
参加した社員の学びの場になるだけでなく、登壇した社員の成長の場にもなっています。他の人の発表を聞いて学び、自分も講師として発表することで、さらに成長してもらうことを理想としています。
EC業界 最新動向 共有会
今回は自社サービスをよりよくするためのきっかけ作りを目的に、ECビジネス成長支援チームの川嶋が登壇し、最新のEC業界の動向や、業界の変化について発表しました。
EC業界の状況(経産省報告から)
まず、最新のEC業界の状況について説明がありました。2022年の物販系分野BtoC-EC市場規模についてや、2020年以降のEC業界の動向について発表されました。
2020年には緊急事態宣言の発令、政府の事業支援や給付金制度を利用し、EC化を進める企業が増加、それに伴いECサイトの活用は活発化しましたが、2021年以降には、リアルの経済活動が再開したことでEC利用自体の伸びは鈍化している状況でした。
消費者とEC事業者の動向・事例
消費者ニーズと、それに伴うEC事業者の対応の変化について5つ紹介されました。
⑴海外発送(越境EC)
従来、海外から日本のECサイトの商品が購入できないという状況でしたが、近年では日本のECサイトから海外へ発送してほしいというニーズが増えています。
決済、配送、法律、言語など多数あった課題に対して、越境EC・多言語対応サービスを利用し、ECサイトにタグ埋め込みすることで手軽に越境ECを始められるケースがあります。
⑵Web接客
従来、アパレル商品は実際のサイズ感や着方が分からないという課題がありましたが、近年では、店舗スタッフを参考にしたり、手持ち商品を比較したいというニーズが増加しています。
採寸データや着用モデルの身長等のスペックを記載することが主流でしたが、近年ではチャットやライブコマース、サイズレコメンドのツールを導入することで消費者からのお問い合わせに対して対応できる幅が広がっています。
⑶ギフト商品
従来はECサイトで相手好みのギフトを探し、自分でラッピングして配送することが主流でしたが、近年ではギフトの商品選び自体が難しく、相手が自分で選べるギフトを提供したいというニーズが高まっています。
EC事業者の対応としては、従来、配送時のギフト包装や、のし対応、納品書価格非表示を行っていました。近年では、これらに追加して、プレゼントを受け取る相手が自分で商品を選べるデジタルチケットの発行や、eギフトの販売が実施されています。
⑷返品
従来は、購入後にイメージ違いが発生した場合等のユーザー都合による返品は不可であることが多くありました。一方で、近年では「お試し購入」が可能となり、ECサイト上の購入ハードルが低くなっています。
返品ポリシーを見直し、指定条件に基づいて対応するケースが増えています。シューズやマットレスのような商品では、お試し購入を推奨する場合もあります。
⑸取引決済手段
従来、ECサイトのメイン決済は、クレジットカード決済が一般的でした。近年では、クレジットカードを持たない若年層や、クレジットカード決済より他決済サービスへのメリットを感じたり、分割払いやリボ払い・不正利用など情報漏えいへの不安感を持つ消費者が増えています。
EC事業者は、従来、クレジットカード決済をメイン決済とし、その他の決済として銀行振込、代金引換等を用意していました。近年では、自社のビジネスモデルに合わせてスマホ決済・後払いサービスなど決済の選択肢を追加し、利便性を拡大しています。
プラットフォーマーに求められること
EC業界の動向、消費者ニーズ・EC事業者の対応の変化を踏まえて、プラットフォーマーとして私たちが求められることについてお話がありました。
マーケットニーズ(EC事業者の心境)の変化
新型コロナウイルス感染拡大以前の2019年までは、EC事業を始めること自体のハードルが高い状況でしたが、コロナ禍になってからは外出自粛の影響で、EC事業に取り組まざるを得ない企業が増えました。外出自粛が解かれてからは、ECサイトの立ち上げの先にある、EC事業の継続に向けて、売上を上げる、EC事業を発展させることが課題となっています。
私たちがSaaSビジネスの観点から対応できること
インターファクトリーはebisumartをはじめとするECのプラットフォームを提供していますが、ご利用いただいているお客様は、ECプラットフォームの利用が目的ではなく、ECプラットフォームを利用した先の「EC事業の売上を伸ばしたい」「事業目標を達成したい」という思いがあります。
そのために継続してECプラットフォームを利用されていることを理解し、契約していただいて終わりではなく、契約後もお客様の声をきちんと聞き続けることが重要になります。
ebisumartのブランドメッセージ「ECビジネスを成長させるプラットフォーム」にもあるように、プラットフォーマーとして、ECプラットフォームサービスの提供のみにとどまらず、ECプラットフォームをご利用いただいた先で描いていた体験を提供できるように取り組む必要があります。
ワークショップ
会の後半では、川嶋の発表を受けて「EC業界の課題解決や自社サービスを良くするために
自分たちができること」をテーマとし、ワークショップを実施しました。多くの意見の中からいくつか抜粋して紹介します。
・案件のエピソード紹介
開発案件のエピソード紹介や開発者の思い、こだわったポイントを全社員向けに共有し、サービスに対する意識向上を図る・学生向けにEC運営講座を開設
学生向けのEC運営に関する講座を開催することで、インターファクトリーや、EC業界に興味を持つ学生の増加が見込める
短い時間の中でも参加者それぞれが「自分たちにできること」を考え、職種や年齢関係なく
自由に発信していた様子が印象的でした。
参加社員の声
今回のikunari共有会に参加した社員から下記感想が届きました。
・今まで以上にEC業界について深く知り、お客様に還元したいと考えるきっかけになった
・自社サービスの良さを再認識できた
・開発者として技術視点だけではなくマーケティング視点を広げていきたいと思えた
・EC業界の中でのインターファクトリーの立ち位置を再認識できた
開発から営業までさまざまな職種の社員がEC業界に関する知識を深め、自社サービスや日々の業務の進め方をよりよくするきっかけとなったようですね。
さいごに
今回のikunari共有会では、EC業界の最新動向や消費者ニーズ・EC事業者の対応の変化、それらを踏まえた上でのプラットフォーマーとして求められることについて発表がありました。今後もさらにお客様にとって満足度の高いサービスを提供できるよう、社員一人一人が今日からできることを実践していきます。
今後もikunariについてレポートしていきます。
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